07. 予期せぬ課題
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終業のベルが鳴り、大広間は玄関ホールへと続く扉に向かう生徒達でごった返している。
そんな中、容姿の似た二人の生徒は座って何やらコソコソと話し合っていた。
「おい、頑張れよ相棒。いつもの勇気はどうした?」
先程パートナーの決まったフレッドの顔は晴れ晴れとしている。それに比べ、ジョージはいつもの元気はどこへやら、浮かない顔をしていた。
「俺だってあの時誘おうとしたさ。でも、他の子に────」
「らしくないぜ。敵は多いんだ、早くしないと取られっちまうぞ────お、アンジェリーナ!ちょっと」
フレッドの手招きに様子を察したのか、不思議そうにアンジェリーナは近づく。
「なあ、ユリカがどこに行ったか知ってるか?」
「図書室に行くって言ってたけど、どうして?」
「ジョージがユリカを誘いたいらしいぜ」
フレッドは親指を立ててジョージを指した。
「ああ、良かった!さっきもその話をしてたから。ジョージが誘ってくれたらきっと出席するわ!」
「出ないつもりだったのか?」
これで一緒に参加できると喜んでいるアンジェリーナにジョージは尋ねた。
「ええ、仮病を使うとか言ってたもの」
「何でまた仮病なんて使うんだ?」
「誰も私と行きたがる人はいないだろうから…って」
「あの嬢ちゃん、自分の魅力に気づいてないもんなぁ」
「そうなのよね……まあ、そこも魅力なんだけど」
「どうせ自分が噂になってる、なんて思ってもないんだろ」
フレッドは、ユリカと三人で三大魔法学校対抗試合に立候補しようと炎のゴブレットに用紙を入れた際の、恐らく数十年後の姿であろうユリカの容姿を見た生徒達の反応を上げて話した。
「ストーカーのことさえ知らないわよ、あの子。寧ろずっとそのままでいて欲しいくらいだわ」
「違いない」
当の本人は知らないだろうが、あの事件の後から「ユリカを紹介しろ」と言ってくる男子生徒が急増した。“あの”容姿で俺達の後ろに隠れて恥じらいながらブルブル怯える様子が一定層に刺さったらしい。夏休み中にピーブズと友人になり、平気で授業外に呪文を使うユリカに限ってそんなことは有り得ないだろうが。
アンジェリーナやアリシア伝いで話を聞いていたこともあるが、何よりも“何か気に食わない”という理由で「提示する手数料をくれたら考えてやっても良い」と返して変な虫は排除している。それでも執拗い虫には、俺達の未来のための実験台になって貰っている、というのは俺とジョージだけの秘密だ。
「それに奴なんかよりあなたの方がずっといいわ!」
そう言うとアンジェリーナは手を振って行ってしまい、取り残された二人は顔を顰めた。
「「“奴”って誰だ?」」
*
ジョージが図書室に行くと探していた人物は窓際の席に座って黙々と何かを書き写していた。
「何やってんだ?」
『あ、ジョージ。薬学の課題。この前かなりの量出されたから』
ジョージがユリカの羊皮紙を覗くと20センチ分、細かくびっしりと埋まっていた。
「こりゃすげぇな」
『ほんと?スネイプ先生に何も言われずに提出出来ると良いんだけど』
「………なあ、よければだけど…俺と一緒にダンスパーティに行かないか?」
『え…?』
ユリカは羊皮紙から目を離してジョージの方を見た。
『でも…いいの?この前の子は』
「ああ、別の…奴と行くみたいだから」
『そうなんだ…』
ユリカは何やら考え込んでいるようで、その間ジョージは生きた心地がしなかった。
『分かった!一緒に行こう』
「はぁ……断られるのかと思ったぜ」
『ごめん、ごめん』
脱力して机にもたれ掛かるジョージにユリカはクスッと笑う。
「よし、じゃあ決まりだな!」
『うん、よろしくね』
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