05. 炎のゴブレット
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『盗むの!?』
「盗むとは聞き捨てならないな」
「ユリカ、俺は悲しいぜ…。俺達のことをそれな風に見ていたなんて」
『え…違うの?間違ってたなら、ごめん』
薄暗い廊下でぼんやりとしか見えない隣の横顔に向かってユリカは言った。
「あのご立派な魔法薬学教授が提供してくれるのさ」
『本当に?』
「ああ、ホグワーツ、いや、魔法界の明るい未来のための投資さ」
「賞金を獲得した暁には、スネイプも手を叩いて喜ぶに違いない。スキップするほど機嫌が良い日が奴に訪れたならの話だが」
『スネイプ先生は、私達を退学処分にする目先の未来に喜びそうだけど……やっぱり窃盗犯になるんじゃん…』
「材料が足りないんだ。仕方がないだろ?」
暗闇で分からないが、おそらくフレッドであろう人物が貯蔵庫前で渋っているユリカを開いた扉の中に押しやった。
『ああ、まだ二ヶ月しか経ってないのに校則を破るなんて…』
しかもスネイプの貯蔵庫からの窃盗罪とは。スネイプに知られた時など考えたくもない。こちらは初対面時の印象も初日の授業の印象もトラウマ並みに悪かった分、好感度を上げたい身分なのだ。
「ほら、のろまな嬢ちゃん急げ。モタモタしてるとスネイプがやってくるぞ。いや、フィルチが先かもな」
『顔が見えないからって!声でだいたいどっちが言ったか分かるからね』
そう言いつつも、顔を見ても未だに間違えてしまう時があるのだが、と心の中で思った。
双子は明らかに面白がっている。
「大丈夫だ、俺達よりは断然良くやった方さ!」
「夏休みの間に何かしでかしてなければの話だがな」
『それは……ぐうの音も出ない』
ユリカは心の中で何度も謝りながら、“老け薬”に必要な材料を失敬した。
その後、太陽が顔を出すまで三人の調合は続いた。