03. 組分け帽子
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「そりゃあ、ないぜ!俺達、四月には十七歳だぜ。なんで参加出来ないんだ?」
ジョージは玄関ホールに出る二重扉に向かう群れに加わらず、棒立ちになってダンブルドアを睨みつける。
「俺はエントリーするぞ。止められるもんなら止めてみろ。な、ユリカ?」
『……え?…あ、うん!』
物思いにふけるユリカは、既に二人のみの教職員テーブルで会話するダンブルドアとムーディを見ながら適当に返事を返した。だが、同じく教職員テーブルにしかめ面を向けていたフレッドに易々と見破られてしまった。
「ちゃんと聞いてたか?」
「ユリカもまだ十六だろ?」
『うん』
「じゃあ一緒にエントリーするよな!」
『……うーん』
「代表選手になると、普通なら絶対許されないことがいろいろ出来るんだぜ。しかも、賞金一千ガリオンだ!」
「うん。一千ガリオン……」
ロンは魂が抜けたような目で呟いた。
「さあ、さあ。行かないと、ここに残ってるのは私達だけになっちゃうわ」
ハーマイオニーに助けられた。
ユリカの心が揺れる。
仮に、もし選手に選ばれたとしたら、物語の内容が百八十度変わってしまう可能性があるのではないだろうか。しかし、セドリックを救える可能性は高くなる。
『(あー!救済夢の主人公達はこんなにも辛い悩みを抱えていたなんて…!)』
そう心の中で叫ぶ反面、嬉しい悲鳴に口元が緩むユリカとダンブルドアはどんな方法で十七歳未満のエントリーを阻止するのだろうかと大論議をする一行は、ハーマイオニーに押されて玄関ホールへと向かった。
『あ……そういえば、マクゴナガル先生に呼ばれているんだった』
何か忘れている気がしていたら、夕食後に決まった寮の寮監の所に出向くようにと言われていたのを思い出した。
すっぽかした時の翌日のマクゴナガルの顔が目に浮かぶ。思い出して良かった。
「大変じゃない!ほら、急いで!」
『はい!』
ハーマイオニーに急かされ、ユリカは皆を追い越して先に階段に懸けた。
『あ、フレッド!ジョージ!』
数段登った所で振り返り、話し込んでいた彼らの名前を普段より声量を上げて呼んだ。
『緊張してるの気づいて、気使ってくれたの…嬉しかった。ありがとね』
そう伝えると皆と別れ、急いでマクゴナガルの自室へと向かった。