ルーン24
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ホイ、着いた」
降り立ったその地は、一面ゴツゴツした岩と砂漠に囲まれた殺風景な場所だった。
「あたしの仕事を手伝って貰う」と言われたが、ここがアンブルの仕事場なのだろうか。
「ローズ」
『…?ぶっ…!』
名前を呼ばたため振り返ると、両手いっぱいに握った砂をかけられて咳き込む。
『ケホッケホ…何するの!……え…』
頭からかけられた砂をはらっていると、その砂に混じる石の粒がキラキラと光っている事に気づく。
「あんた人間界でハート何個取った?」
『え?……え、えーと、4万から5万エクルくらい?』
「じゃあ、その中でピピは?」
『ピピ?』
「ピスの事。こっちではそう言うの」
アンブルの問いにローズは首を小さく横に振った。
『蕾は取らないから……』
「ふーん」
アンブルは口角を上げて、空の瓶を渡す。
「あんたの仕事は“ふるい”で砂の中から結晶を見つけて、この瓶いっぱいにする事!いっぱいになるまで帰っちゃ駄目だよ」
『え!?』
「シルーズ!」
アンブルはローズの足元にくっついていたシルーズをこちらに来るように咎め、先に飛んで帰ってしまった。
『行っちゃった…』
私も魔法で終わらせてとっとと家に帰るんだ。
ビュット
砂の中に埋もれし光の結晶たち
その姿を表せ
そしてひとつに集まれ
『なんで?呪文は合ってるはずなのに…』
瓶を覗くと、黄色い光が消えたただの石の粒が瓶に詰まっていた。
嫌な予感がしながらも、何度か呪文を唱えるが結果は同じ。魔法を使用すると光が消えて無気質な石となった。
手で一粒一粒集めるしかないという現実に、気が遠くなる。
『こんな事してる暇無いのに…!シエルとショコラ達…………グラシエ、ロビン……心配しているんだろうな』
ずっと引っかかっているあの夜の出来事がまた頭をよぎる。
『ヴァルプルギスの夜の事、帰ったら謝ろう……。モタモタしてられない!早く集めて人間界に』
一緒に帰るんだ。
ピエールを探し出して。
あの時、何故手を離してしまったのだろうか。
『自分も寒いのにシャツまで貸してくれて…』
───「ローズ」
あの時、溺れる私を助けてくれた腕も、怒りながら私を抱きしめた腕も全部優しかった。
今どこにいるのだろう。
もしかして私達、“家族”なのかな。
お願い、無事でいて。