嘘吐き蜘蛛
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※四月馬鹿企画
※トリップ設定
ダッダッダッダッ!バンッ!
何やら教室内からこちらへ走って来る足音が聞こえると同時に、大方の見当はつく。案の定、いざ扉を開けて来た人物はそいつだった。
「せんせぇ…!大変です、よ!せんせー!」
「………なんだ騒々しい。ノックぐらいしろ」
息を切らしながら現れた人物を着替え途中だったクラウチはひと睨みし、シャツを羽織る。
「そうやっていつも私を攻めますけどね?そもそもマッドアイムーディーともあろうお方が鍵かけてないのが悪いんですよ!……おかげで眼福ですけど」
「……チッ」
痛いところを突かれ、クラウチは何も言えなくなる。お前の為に足音が聞こえるとわざわざ鍵を開けてやっているなんて言えるはずがない。舌打ちを一つし、先程少女の現れた扉に杖を向けて鍵を閉めた。ついでと言うようにその流れで少女に目隠しを付けた。
「それより先生!大変なんですよ!」
「なんだ」
「ダンブルドアにクラウチ先生の正体がバレました!」
「…!」
“バレた”という言葉に一瞬肝が冷えたが、直ぐに目元を黒い布で覆われ突っ立っている少女の口角が上がっている事に気づいた。そう言えば今日は4月1日だったはず。
「……はぁ、エイプリルフールか」
「えぇー!少しは驚いて下さいよー!」
「お前の嘘が下手過ぎるんだ」
「動揺する顔が見たかった」やら「このネタなら驚くと思ったのに」などといつもと同様にぶつくさほざいている。ただ一つ、いつもと違うのは顔の半分が黒く覆われている所。その為か、尖らせた口を余計意識してしまう。それに喉が鳴り、嗜虐心が疼く。俺も男だ、少しほんの少し本能が理性よりも先に出てしまった。
「!……ひゃっ!……えっ、ななななななんですか…!」
「さあな」
慌てふためく彼女は首筋から耳、そして唇の目には見えない何かを必死に払っている。その様は余りにも滑稽だが、クラウチにはそんな事石ころ並にどうでもよかった。
「耳感じやすいのかよ……」
「…はい?」
「何でもない」
「てかこれ絶対虫の類ですよね!?あの蜘蛛ですよね!!?」
好都合なことに俺の指を授業で利用した蜘蛛だと思っているらしい。
「もう居ねぇよ」
「やっぱりそうだった!口開けとかなくて良かった…」
開けていたら言い訳が通用しないほど、ある意味酷くしていたかもしれない。そう思うと本心こそ名残惜しかったが、あそこで理性が勝ってくれて良かったと思わざるを得なかった。
「だが待てよ。もしや唇…先生とのファーストキス!?この状態でとか先生も中々にむっつ──」
「調子に乗るな」
「あいたっ!」
自身で取れる事に気づき目隠しをやっと外して頭を抑える彼女に背を向ける。静かに深呼吸をするも戻らない、このにやけ顔は暫く見せられそうにない。
fin.
※トリップ設定
ダッダッダッダッ!バンッ!
何やら教室内からこちらへ走って来る足音が聞こえると同時に、大方の見当はつく。案の定、いざ扉を開けて来た人物はそいつだった。
「せんせぇ…!大変です、よ!せんせー!」
「………なんだ騒々しい。ノックぐらいしろ」
息を切らしながら現れた人物を着替え途中だったクラウチはひと睨みし、シャツを羽織る。
「そうやっていつも私を攻めますけどね?そもそもマッドアイムーディーともあろうお方が鍵かけてないのが悪いんですよ!……おかげで眼福ですけど」
「……チッ」
痛いところを突かれ、クラウチは何も言えなくなる。お前の為に足音が聞こえるとわざわざ鍵を開けてやっているなんて言えるはずがない。舌打ちを一つし、先程少女の現れた扉に杖を向けて鍵を閉めた。ついでと言うようにその流れで少女に目隠しを付けた。
「それより先生!大変なんですよ!」
「なんだ」
「ダンブルドアにクラウチ先生の正体がバレました!」
「…!」
“バレた”という言葉に一瞬肝が冷えたが、直ぐに目元を黒い布で覆われ突っ立っている少女の口角が上がっている事に気づいた。そう言えば今日は4月1日だったはず。
「……はぁ、エイプリルフールか」
「えぇー!少しは驚いて下さいよー!」
「お前の嘘が下手過ぎるんだ」
「動揺する顔が見たかった」やら「このネタなら驚くと思ったのに」などといつもと同様にぶつくさほざいている。ただ一つ、いつもと違うのは顔の半分が黒く覆われている所。その為か、尖らせた口を余計意識してしまう。それに喉が鳴り、嗜虐心が疼く。俺も男だ、少しほんの少し本能が理性よりも先に出てしまった。
「!……ひゃっ!……えっ、ななななななんですか…!」
「さあな」
慌てふためく彼女は首筋から耳、そして唇の目には見えない何かを必死に払っている。その様は余りにも滑稽だが、クラウチにはそんな事石ころ並にどうでもよかった。
「耳感じやすいのかよ……」
「…はい?」
「何でもない」
「てかこれ絶対虫の類ですよね!?あの蜘蛛ですよね!!?」
好都合なことに俺の指を授業で利用した蜘蛛だと思っているらしい。
「もう居ねぇよ」
「やっぱりそうだった!口開けとかなくて良かった…」
開けていたら言い訳が通用しないほど、ある意味酷くしていたかもしれない。そう思うと本心こそ名残惜しかったが、あそこで理性が勝ってくれて良かったと思わざるを得なかった。
「だが待てよ。もしや唇…先生とのファーストキス!?この状態でとか先生も中々にむっつ──」
「調子に乗るな」
「あいたっ!」
自身で取れる事に気づき目隠しをやっと外して頭を抑える彼女に背を向ける。静かに深呼吸をするも戻らない、このにやけ顔は暫く見せられそうにない。
fin.
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