捨鉢の芽
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※バーティJr…蛇寮、レギュラスより年下設定
名家ブラック家の次男、レギュラス・ブラック。彼は才色兼備温柔敦厚、おまけに運動神経抜群で我が寮のシーカーという、いかにも人生イージーモードであろう彼に好意を向ける生徒は多い。
その本人と彼を好いている生徒の一人である彼女が会話する様子を僕は少し距離をとって見守る。すると、会話が終わったのか彼女は笑顔で駆け寄ってきた。
「で、どうだったんだ。自信があった落としの一言は効果あったのか?」
「あのねー、丁寧に断られた!」
発した嫌みったらしい言葉とは裏腹に、告白の返事がまさかの“OK”だったのかと悟っていた僕は全身で安堵感に包まれるのを感じた。
だが、表面上の取り繕いの笑顔の反面に潤んだ瞳があることに気づき、とっさにその瞳を見ないようにと目をそらした。
「レギュラス先輩モテモテだもんなー。あんな親切に断られたら逆に吹っ切れちゃうよね」
こういう時は何と声をかければ良いのだろうか。
ブラック先輩なら簡単に解決する問題なのだろうなと思いながら言葉を探していると彼女の方が先に口を開いた。
「よしバーティ、付き合ってくれない?」
「は…?おまっ、なにいっ───」
「今度のホグズミード。こうなったらやけ食いだぁー!」
早とちりに顔に熱が帯びるのを感じる。しかし等の彼女も涙を流すまいと必死に堪えているようでこちらには気付いていないようだった。
何を食べようか指を折りながらブツブツと呟いている彼女は隣の人物が居なくなったのにも気付かずに廊下を歩いている。
そんな後ろ姿を見ながら一歩の勇気を踏み出せないでいる自分への怒りがふつふつと湧き上がってきた。
*
約束のホグズミードの日。
二人はハニーデュークスでお菓子を買った後、三本の箒に立ち寄った。
「それにしてもよく食べるな。これで何皿目だよ」
ウィンナーをフォークでつつきながら呆れ顔で彼女を見る。
「うるさい!これが所謂やけ食いというやつなのだよ」
意地を張ってそんなことを言っている今も泣き出しそうななんとも言えない表情をしている。
かなりの量を食べつつもテーブルマナーはしっかりしている。そこら辺はやはり名家の出だなと思う。これは暫くかかりそうだ。
「ちょっと行ってくる」
「え、どこに?今日一日付き合ってくれるっていったじゃない!」
一向に食べ終える気配がないと察し、「戻ってこなかったら先に帰っててくれ」と告げて店の外に出た。
名家ブラック家の次男、レギュラス・ブラック。彼は才色兼備温柔敦厚、おまけに運動神経抜群で我が寮のシーカーという、いかにも人生イージーモードであろう彼に好意を向ける生徒は多い。
その本人と彼を好いている生徒の一人である彼女が会話する様子を僕は少し距離をとって見守る。すると、会話が終わったのか彼女は笑顔で駆け寄ってきた。
「で、どうだったんだ。自信があった落としの一言は効果あったのか?」
「あのねー、丁寧に断られた!」
発した嫌みったらしい言葉とは裏腹に、告白の返事がまさかの“OK”だったのかと悟っていた僕は全身で安堵感に包まれるのを感じた。
だが、表面上の取り繕いの笑顔の反面に潤んだ瞳があることに気づき、とっさにその瞳を見ないようにと目をそらした。
「レギュラス先輩モテモテだもんなー。あんな親切に断られたら逆に吹っ切れちゃうよね」
こういう時は何と声をかければ良いのだろうか。
ブラック先輩なら簡単に解決する問題なのだろうなと思いながら言葉を探していると彼女の方が先に口を開いた。
「よしバーティ、付き合ってくれない?」
「は…?おまっ、なにいっ───」
「今度のホグズミード。こうなったらやけ食いだぁー!」
早とちりに顔に熱が帯びるのを感じる。しかし等の彼女も涙を流すまいと必死に堪えているようでこちらには気付いていないようだった。
何を食べようか指を折りながらブツブツと呟いている彼女は隣の人物が居なくなったのにも気付かずに廊下を歩いている。
そんな後ろ姿を見ながら一歩の勇気を踏み出せないでいる自分への怒りがふつふつと湧き上がってきた。
*
約束のホグズミードの日。
二人はハニーデュークスでお菓子を買った後、三本の箒に立ち寄った。
「それにしてもよく食べるな。これで何皿目だよ」
ウィンナーをフォークでつつきながら呆れ顔で彼女を見る。
「うるさい!これが所謂やけ食いというやつなのだよ」
意地を張ってそんなことを言っている今も泣き出しそうななんとも言えない表情をしている。
かなりの量を食べつつもテーブルマナーはしっかりしている。そこら辺はやはり名家の出だなと思う。これは暫くかかりそうだ。
「ちょっと行ってくる」
「え、どこに?今日一日付き合ってくれるっていったじゃない!」
一向に食べ終える気配がないと察し、「戻ってこなかったら先に帰っててくれ」と告げて店の外に出た。
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