ルーン7
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「いたい!いたい!」
ピエールとのデートでハートを取られかけるというひどい目に遭ったショコラは魔法の箒に追いかけられている。
「かってに危険なことをしたお仕置きだ!気を付けろってあれほど言っただろ!心配して飛んで帰ればこのザマだ」
『やっぱりピエールがオグルだったのね…』
「ね……」
「もうちょっとで勝てるとこだったんだってばー」
バシッ
乾いた音が部屋中に響く。
「いったぁ!」
「好奇心は猫をも殺すって知ってるか。これ以上やつにかかわるな」
「でも」
「でもじゃない。もうすぐ魔界から騎士団が来る。ピエールとは戦いになるだろう。きみたち女王候補をその戦いに巻き込むわけにはいかないんだ」
「捕らえられたらどうなるの」
「さあね、それは元老院が決めることだ……きみたちは知らなくていい」
ピエールは私たちだけでなく、王国を敵に回すつもりなのだろうか。一体何のために…。
とにかくショコラが無事でよかったとローズはホッとした。
*
ピエールの件で夜なかなか寝付けないでいたローズはなにか一杯温かいものでも飲もうとキッチンへ向かった。
窓の外を眺めながらホットミルクを飲んでいると背後に気配を感じた。
振り返ると足音を立てずにこっそりと地を張っていくショコラを見つけた。
『一人でコソコソとどこ行くの?』
「ギクッ」
ショコラはローズの言葉に驚き飛び上がる。
『またピエールとか言うんじゃないでしょうね』
「違うよ!」
『じゃあなに?』
腕を組み片方の口角を上げて見てくるローズにショコラは観念し打ち明けた。
「魔界に戻って“オグル”について調べようと思ったの!」
“オグル”という先ほどからローズが気になっていた単語がショコラの口から出てきた。
決して良いことではないのだろうがショコラにしては悪いアイディアではない。
それに運がよければ母のこともなにか知ることができるかもしれない。
「ローズ…?」
考え込んでいるローズの顔を心配してショコラが覗き込む。
『ショコラ、私も行く。──魔界へ』