ルーン23
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人間界での星が瞬く月夜。
「アルマニャック・サマランス・レリック・ド・シークル……百年以上熟成させた原酒だけをブレンドして出来るルビーの液体」
家具から小物までこだわり抜かれた部屋の壁に掛けられた蝋燭の炎が揺らぐ。その“赤”がグラスに注がれた深紅に映されて輝き、二人きりの空間でゆったりとした時が流れる。
「百年前から準備されていたんだよ。今夜こうして二人が愛し合う事は───」
ドンドンドンドンッ
しかし、その空気は玄関のドアを激しく叩く音によって突如として消え去った。
「恋の炎が燃えすぎて消防車でもやってきたかな。ごめんよ、レディ。……誰だ?」
「ロビンっ!」
ノックと言うにはあまりにも乱暴な音に腰を上げてロビンがドアを開けると、予想通りの人物達が立っていた。
「いいかい、君達。オレの家は───」
「ローズが消えた!」
「ピエールの館に行って…それで、ローズ以外のクラスメイト達と記憶を消されて門の外にいたの!あたしも記憶が曖昧なんだけど……一緒にピエールの館に行ったのは確かだよ!」
ショコラはロビンのシャツを握り締めて詰め寄った。ウーとソールは口々に状況を必死に説明した。
その三人の混乱具合から事の重大さを理解するのに時間は要さなかった。
「…………すまない、レディ。悪い狼に捕まってしまったね、やはりさよならなようだ」
ロビンが指を鳴らすとソファに掛けていたはずの“赤”を宿した女性はたちまち姿を消した。
「ピエールの館へ!」
頼むから無事でいてくれ。