ルーン14
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昨夜はバニラとケンカした為、いろいろ過程があり最終的にアキラ宅にウーとソールとお世話になったショコラだが、朝になると落ち込んでいた昨日の調子はどこへやら元気なショコラに戻っていた。
「ふっかつ!」
「ショコラはやっぱり強気で元気が一番」
ショコラは付いて来いとでも言うように廊下をスタスタと歩く。
それに二人は良かったと安心しながら付いて歩いた。
「ありゃ、ロビン…!」
「なんで学校に……」
「なんでじゃねーよ。お前たち昨夜はどこにいたんだ!」
「アキラんち」
「ショコラも一緒になって外泊か!減点だぞ」
腕を組み怒鳴りつけるロビンは大層ご立腹の様だ。
「ショコラ、どうして家を出た」
「バニラとケンカしました…」
「ならいいけど、早く戻れ。ピエールが次狙うとしたら……恐らくバニラだ」
バニラ……。
ピエールに何か言われたんだ、そうに違いない。
そうじゃなかったらあんなこと……。
「ん…ローズはどこだ?」
てっきりショコラたちといると思い込んでいたローズがいないことに気づきロビンは尋ねる。
「昨日から見てないけど、家に居たんじゃないの?」
「昨日は家に誰も居なかったぞ。それにまだバニラ以外登校して来ていないと聞いた」
「まさか……」
「ピエールに……」
ローズがピエールに…!?
バニラにローズ……もうどうなっているのか分からない。
「ロビン先生オレ達も…!」
「いや、お前たちはショコラとバニラを守れ。ショコラ!早くバニラと仲直りしろよ」
三人を取り残し、ロビンは物凄い勢いで走って行った。
*
「お帰りなさいませ、ピエール様」
執事やオグルたちが帰宅した主を迎える。
薄暗く肌寒い屋敷内、そして周りで自分を好奇の目で見つめるオグルたちにバニラは身震いした。
ううん、怖がらない。
あたしは決めた。
「おいで…ここにいるのは皆、君の仲間だよ」
いつでも感じていた。
自分だけが皆と馴染めない、違和感。
──「ピエールが誰か連れて来た」
──「ピエール、夜の王子」
それはあたしもオグルだったから。
「彼らは闇の中でしか動けない。オグルの中でも弱い者たちだ。僕たちの取って来る黒を糧に命を繋いでいる」
「じゃあ…彼らの面倒をみているの?」
「弱い者を閉じ込めてしまう王国のようなことを僕はしない」
意外…ピエールがそんなこと考えてたなんて。でもあたしもそう…。
ずっと心のどこかで本物の王女様みたいなショコラちゃんを憎んでた。
「部屋は無限にある。好きな場所を使えばいい……。おいで、こっちだ」
憎しみに気づいてしまったらもう元には戻れない。
同じ道を歩いてる限りショコラちゃんに勝てない。