ケース5『無性にコンビニチキンが食べたかった』

当事者の名前は数字に置き換える。以下レポート内容。

ケース05
『無性にコンビニチキンが食べたかった』

15歳の華奢な少女、05は日が沈む海を眺めて黄昏ながら歩く。歩道を歩いている。車道は車でギチギチだ、いわば渋滞。05は不機嫌になる。

05「せっかくのムードが台無しだ」

車道に目を向けると車は1台すら無くなっていた。

夕日の海を最大限に堪能できる環境で05は感傷に浸っていた。

05「綺麗……」

その光景を永遠に残すかの如く、じっと見続ける。

しばらく歩きながら海を眺めていたら、日は完全沈み水平線は赤くなっていた。空高く星空がキラキラと輝く。ついでに西の方角に三日月も。

05「さよなら太陽……」

そう呟きながら歩いていると緑色の看板のコンビニを見かける。

05「ああ、そうだ。……チキン食べたい」

05はコンビニに吸い込まれる。


05「Fチキください」

店員「ありがとうございました〜」

コンビニチキンゲット。チキンは少し油が出ており、衣がフニャフニャかつ紙の包装がべったりしている。

05「できたてがよかった……」

そう言いつつ、紙包装を破って黄金色の衣がむき出しになる。

一口。

油の洪水。

手がべとべと。

二口。

口の中が油でコーティング。うまみ成分の暴力で脳をジャンキーにさせる……が味のクドさに抵抗あり。

三口。味に順応、適合。クドさが癖になる。

サクサクでもないし、衣はフニャフニャ。揚げてから時間が経過している概念的中古品だが、どこか心地がよい。

そこからは完食まで一瞬だった。

05「終わった……」

名残惜しい感じもするが05はどこか後悔が無さそうだ。手にはベタベタの紙袋とチキンの残骸(衣のカス)。

05「ゴミ……捨てる所……」

さすがに海へポイ捨てはしたくない。05はコンビニへ戻りゴミ箱に捨てる。

店員「あ……」

05「…………」

少し気まずい空気が流れたが05はお辞儀をする。

05「悪くなかった」

店員「え?」

05はコンビニは後にする。

05「……この世界も……」

彼女は再び海を眺める。もう空も暗く、星空がここぞと言わんばかりに明るさを主張する。

05は浜辺に入る。ザクザクと砂の音を鳴らす。


05「グッバイ……トゥ……ア……ワールド」


05は海へ向かった。



ケース05
END
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