ケース04『電子レンジがあれば飯食える』

当事者の名前は数字に置き換える。以下レポート内容。


ケース04
『電子レンジがあれば飯食える』


04「お腹……空いた」

13:24。昼下がり。団地住まいの少女の休日。家には誰もいない。外からも生活音が聞こえない。

04「ごはん……食べよ」


04は冷凍庫を開ける。中身は冷凍ピザ、冷凍グラタン、冷凍パスタ、冷凍うどん、冷凍チャーハン。

04「いっぱい……ある♪」

冷凍チャーハンをチョイス。袋から半分皿に食材を乗せる。

ざーらざら。

凍ってるのに米がパラパラなのはいつも不思議に思う04。

04「500W、5分半」

ボタンをピッピッと押してスタート。

ブーン。

電子レンジ内がオレンジ色に染まり、機械音がブイブイ鳴り響く。

04はその間にカーテンを開き、窓越しに外を眺める。

清々しいほどにいい天気。青空。力強い緑色の草、木。しかし……。

04「今日も誰もいない……」

彼女はあくびをしながらキョロキョロ見る。人も動物も生活の気配も何もない。否、植物だけは元気いっぱい。

3分半経過辺りから電子レンジから香ばしい匂いが。04は心を踊らせていた。

カーテンを閉めて、電子レンジをひたすら眺める。この中だけは日常であり、平和な世界。

チーン。

電子レンジのドアを開けると湯気が襲う。

皿は……。

04「あつ!!」

チャーハンはいい感じなのに皿はいつも熱い。電子レンジの悪い所。

しばらく待機。この間が退屈な04は鼻歌をし始める。

04「もういいかな?」

皿を持ち出しテーブルへ運ぶ。

彼女は目をつむり、手を合わせて……。

04「いただきます」

スプーンで黄色い米を一口……うまい。油の味。二口、三口と黙々と食べる。カコカコとスプーンを皿に叩く音だけが室内に響く。

04「冷凍食品……恐るべし……うまい!」

なんで米がパラパラになるかわからないが、とにかくうまい。うまさの決め手はしょっぱさ。

焼豚とか卵とか、玉ねぎとか色々あるけど結局は油がうまい。04はそう考えて勝手に納得する。

04「ごちそうさま」

なんとなく習慣で言ってしまうが、特に意味はない。誰もいないからだ。

04は盛大にあくびをする。空っぽになった油まみれの皿をキッチンにポイ。

04「お腹空いたら……また、食べよ」

電子レンジのドアは開けっぱなしだった。


ケース4
END
1/1ページ
スキ