episode18『ハッピーチェス』

episode18
『ハッピーチェス』

[part1]

深淵の中の背景は幾何学的な文字と赤や青、緑、黄色、紫などの顔が漂っている。4人は落とされて地面に着地。

ウミ「ここは?……チェス盤?」

ウミが確認したのは巨大なチェス盤の盤面。駒は自分達のようだ。

ツカサはキョロキョロ見渡す。

ツカサ「なんですの?この空間……」

彼女は箒を生み出して空中に飛び立とうとするが……。

ザザッ!!

彼女の身体に黒い手が拘束!地上に戻される!

犯人はnullだ。

null「天井は危険……串刺しになるよ?」

ツカサ「はぁ!?」

ツカサが見上げると確かに天井には鋭利な棘が無数に並んでいた。一方、その間にソラは盤面の奥に物体を察知していた。

ソラ「なに……これ?」



奥に佇んでいたのは……。

黒く細長い影に、
顔が無数のテレビ、
映像は赤や砂嵐と人の瞳ドアップ、
細長い手から太陽の模型と月の模型を所持している。盤面の中心に配置されていることからキングだろう。

次に黒い影。
足が全て手で6本ある。
胴体は楕円型で頭部がなく、
四季彩りの大量の花が咲いている。ソレはキングの隣にいる。つまり……。

クイーン「パパ……」

左右には恐らくルークとビショップが配置。

ルークは極彩色の大きい十字架で水平に浮いている。中心に少女がぶら下がっている。

ビショップはロープに縛られた4人の緑色の人型が血涙を流している。

ナイト(首無し白馬)とポーン(巨大な藁人形)は空を漂っている。



ウミ「なんだよ……コイツら……」

思わず吐き気をもたらすほどのデザイン。

null「キング、クイーン、ルーク×2、ビショップ×2……これさぁ、チェスだよね?僕ら味方軍の人数少ないよね?フェアじゃないよね……ならルール破ってもいいよね?」

nullは淡々をナイフを取り出す。

null「バグフィックス……開始」



戦闘は開始される。勿論、相手はルールを守る気は無さそうだ。

ルークとビショップは一斉攻撃を仕掛ける!

ルークは叫び、ビショップは回転しながら突進だ!!

ツカサ「近づきにならないでくれます!?あなた達!」

ツカサが手をかざすとルークとビショップは天井へ放り込まれ、棘に串刺しになる!ツカサは余裕を持って対応するが……それは悪手だった。

ウミ「来るぞ!!」

ウミが叫ぶとクイーンの無数の手が全方向に伸縮し、チェス盤全てを串刺しにする!!

null達一同は武器を使って攻撃を相殺するがツカサは躱したとは言え、左手を負傷する!!

黒いドレスが溢れる赤い液体に目を背けながらツカサは浮遊!そのままキングに接近!

ツカサ「チェックメイトよ!!」

無数のテレビが装飾されたキングは手を広げて、ぼそぼそと声を放つ。

キング「パパの言う事を聞きなさい……」

刹那!テレビの映像から恍惚の女性の顔が映り出される!!

ツカサ「う!!?」

隙が生まれたツカサにキングは細長い腕でツカサを貫こうとする!!

ザシュ!!

細長い腕は切り落とされる。ツカサは目の前を確認するとnullが立っていた。

null「まず大黒柱」

nullはキングにナイフを突き刺す!……しかし、そこにはクイーンが!!

クイーン「パパッ!!!」

クイーンがnullの攻撃を受ける。

クイーン「やめてぇよぉ!」

ドシャァァ!!

再びクイーンの手による全方向攻撃!喫茶店メンバーは事象を消去しながら立ち回り、今回はツカサも重力で相殺した!

ウミ「クソ!きめぇな!!コイツら!!」

ソラ「や、闇……深そうです!」

するとルークとビショップが空から振ってきた!!復帰したようだ。

ソラやウミはルークとビショップの攻撃を防ぎながらキングを狙う。

ウミ「ツカサ!!」

ウミは剣戟を行いながら大声で言う。

ツカサ「何かしら!!?」

ツカサは不機嫌そうだ。

ウミ「ルークやビショップを止めてくれ!俺達はキングを狙う!!」

ツカサ「わたくしに指図するつもり!?」

ウミ「やらないなら俺達がやる!お前はキングをやれ!?どうする!!?」 

ツカサは状況を把握する。彼女は一方的な感情で動いているわけではない。確かにルーク達を抑制できた実績はある。

ツカサ「しょうがないですわ!!雑魚を狙えばいいのね!?」

ソラ「ありがとうございます!」

しかし、ツカサはまだ不機嫌そうだ。

nullは話をまとめる。

null「そうだ。僕達の役を決めてなかったね。nullクイーンソラクイーンウミクイーン……これで行こう」

ウミ「ひでーな!オイ!!」

ツカサ「わたくしがいないじゃない!!」

ツカサが悪態をついていると再びクイーンが暴れる。全身から無数の手を引き伸ばし、全員に襲いかかる!!

ウミ「ワンパターンなんだよ!」

ウミはアクロバティックに動きながら襲いくる手を切り落とし、見切る!ソラも最低限の動きで躱しながらクイーンに撮影!

クイーン「いたいぃぃぃ!!」

クイーンという存在に反して幼さが目立つような悲鳴……ウミとツカサは思わず耳を塞いだ。

ツカサは手をかざしルークやビショップ達をチェス盤に叩きつける!!

ツカサ「板を舐めてなさい!!」

全員の活躍を観測しながら、キングに瞬間移動をしてナイフをかざすnull。

キングは再びテレビの映像を狂気に笑う女性を映す。しかし、nullはノーリアクションだ。

null「ほい」

nullはキングにナイフを振りかざす!しかし、やはりクイーンが庇う。

クイーン「パパをいじめないで!!」

null「……邪魔」

ザスッザスッザスッザスッ!!

ナイフを何度も突き立てる!甲高い悲鳴を上げて暴れまわる!ソラとウミはクイーンに接近して攻撃を続ける。

クイーン「あぁ……!あが!!ああー!!!」

痛々しい悲鳴をお構えなしにクイーンの息の根を止める。その光景をツカサは見続けていた。

ツカサ「気味が悪い……」

ウミは刻みながら叫ぶ!

ウミ「訳アリかもしんねーが!お前らはもうバケモンなんだよ!だから安らかに眠ってくれ!!」



ついにバラバラにされたクイーンはその場から消滅する。キングの動きを確認……すると倒れているルークに近づき、抱擁をし始める。

null「あー次の候補探しだ……このままじゃまたお嫁さんになっちゃうよ?」

ソラ「これ、考えちゃダメなやつですね……!」

ウミ「キングを叩くぞ!!」

キングに隙を与えずに一同、総攻撃を仕掛ける!!

まず、ツカサの重力による拘束!次にソラの撮影による行動を封じて、ウミが剣戟でダメージ!そしてnullが……テレビを壊す!!

null「大黒柱さん……これ事案だね……」

キングは守る相手を失った為、成す術もなく倒れていく。

キング「ああ……!」

制裁と破壊を同時に行いバグフィックスさせるキング。すると盤面のチェス達も消滅する。


ツカサ「終わりましたわ……」

ウミ「いや、まだいる!」

全員が上空を見上げると虹色の極彩色の巨大な猫が降りてくる!!


化け猫「ハッピー!ハッピー!ハッピー!ハッピー!ハッピー!ハッピー!」


nullはため息をする。

null「(化け猫に対して)チェスで負けたからってプレイヤー(チェスを動かす者)が殴り込むのは人としてどーなの?……ああ!人じゃなかったね、なんかごめん」

ウミ「へ、笑える」

ウミも笑みを浮かべて共感した。 


化け猫はシンプルに爪で引き裂いてくる!!対象はウミだ!!

ウミ「荒れてんじゃねーよ!負け組が!!」

爪を剣戟で跳ね返す!!すると青白い円環が空間に出現!!

null「PALE RING(円環)発生。世界の理が崩れ、主導権が一時的に僕達になった。みんな好きにやっちゃって?」

ツカサ「言われなくても、やりますわ!」

ツカサは黒い球体を放出!化け猫に命中すると爆発を起こす!!ソラはファインダーを構えて、念を込めて撮影!そのシャッタースピードは光速に匹敵!!空間をバリバリと破壊しながら化け猫を捉え、存在を消去する!!更にウミが剣を振りかざすと黒い波動を放ち、化け猫に命中!!

化け猫はキャッキャッと笑いながら、ノイズをまき散らす!!しかし、それでも倒れない!

そしてここぞと言わんばかりにnullが呟いた。


null「『不可侵領域』、展開」


nullを中心に次々とノイズの嵐を放ち、チェス盤、化け猫含む全てをノイズで支配する!!

化け猫は笑いながら身体が一ミリも残らず崩壊、消滅する。


DD
『家族』
有害型、動画ファイル
・ごく普通の家族の日常光景
・子供が猫を拾う




ウミ「それだけ?」

null「そうだね……」

ソラ「え?結局、原因は猫ってことですか?」

null「……家族=猫の駒ってことじゃない。つまり……支配」

ツカサ「支配……」

ツカサは俯く。

すると固有空間が溶けて、全員は元の自然公園に戻ってきた。


episode18
END
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