7つのお題



おれン中の、いっちばん奥にゾロが射精する。
覚えてる限りでゾロがうちに泊まるのは(=セックスすんのは)こんで5回目かぁ? これ以上は覚えてらんねぇ自信がある。
ゾロが全部出し切ったのか、おれの上に倒れこんできた。こんときのゾロの身体ってさ、すっげぇすっげぇあっちぃんだ。それ、知ってんのおれで何人目なんだろ……?
――あ、ムカついた。うん、コレはおれ、怒ってんだな。
ゾロのせいだぞ。

繋がったままで上体をゾロに離された。おれの身体が勝手にぴくんて跳ねる。ゾロはおれの身体の負担を考えて2回以上は絶対しない。
でも最近……なんつーか……特にこのときなんだけどな? ゙あ~もうちっと!゙とか思っちまうんだよなぁ。……おれってインランなんか?
それ、イヤだな。うん、イヤだ……。ムカつくな。コレはおれ、怒ってんだな。
またまたゾロのせいだぞ。

「ぬ、抜くぞ……?」
ムッとしてるおれに気付いたのか、ゾロがおずおず尋ねてきた。おれが「いいぞ!」と答えると、ゆっくりゆっくりゾロは自分のをおれから抜いた。
それから素早くティッシュを抜き取っておれのケツとか腹とかくるくる拭いて(おれもしっかりイってんだもんよ、無意識にだけど)、最後に自分のナニを拭いてごみ箱へポイ。
まだベタベタしててすっきりはしねんだけど、たいていシャワーも浴びずにそのまま朝まで一緒に寝ちまう。
ゾロいはく「夜中に二人で風呂入るなんて不自然極まりない=家人に疑われる」んだそうだぞ。んなのおれ、気にしねぇんだけど。
なわけで。後始末が終わるとゾロはえっち最中足元へ追いやった上掛けを引っ張り寄せ、そっとおれの上に被せてくれる。ゾロは熱ぃからってすぐは被らねぇ。……あのな、おれもあっちぃんだぞ、言わねぇけどな。(なんか大事にされてるみてぇで嬉しくなんねぇ?)

以上で、今日のえっちも無事(?)終了。
おちかれさまでした。


「ゾロのってさ、やっぱでっけぇじゃんか」
「…ぶっ」
ぎゅっと上掛けごと抱え込んでたおれをゾロが渋面を作って覗き込んでくる。
なんだよ。そりゃおれ、人のあんな状態見んのおれのとゾロのしかねぇけどさ(だってゾロとしかヤったことねぇし)、でもそんくらいおれにだって解んだぞ?
「おれこの前えっちした時わかったんだけど」
「それおれとだよな。誰かと比べて、じゃねぇよな」
「当たり前だろ」
そうだよやっぱおれインランじゃねぇよ。
「……けど?」
「んん、おれのキモチーとこってケッコー奥にねぇ?」
「……まぁ。確かにな。つか言いにくいことズバッと言うんだなお前」
てーことはやっぱりゾロは早々と知ってんだな!? ちぇーっ。
「つまり! ゾロのじゃねぇと届かねぇってこと! おれゾロじゃねぇとキモチくなんねぇんだな、これが! ……なんかすっげくねぇ?」
「いまいち短絡的な気もするが……まぁおれとしては都合いいぜ。おれ以外とヤんねぇってことだもんな。それにお前のそのイイトコってな、なんかざらざらしてっからムチャクチャイイし」
「そ、そうなんか……へぇ、そうなんかぁ……」
「ルフィ真っ赤」
「うっせ!!」
だってゾロがおれんこと゛イイ゛とか言うの初めてじゃんよっ!!
「わり……」
またゾロがぎゅうっとおれを抱き締めた。ただし、今度は同じ布団に潜り込んで直に……。もうゾロよりおれのが熱ぃから、気持ちイイだろ?
もぞもぞとゾロを見上げたらちゅっとキスされた。
……そこでまたギモン。
「あのさぁー」
「次は何だ」
「おれとゾロってさ、なんでこんなことするようになったんだ?」
「そりゃあお前……の、せいだろうが」
「お、おれ!?」
なんでおれだよ、失敬だな。
「お前がおれの2番目に好きな顔すっから、思わず抱きしめちまって、そしたら1番好きな顔したから押し倒しちまったんだろうがよ……。な、お前のせいだろ」
「そ、そうか? そうなるんかぁ? んーんー。……けどそれってどんな顔だよ」
「………教えねぇ」
「え~! 教えろよっ! なぁなぁ、いいだろっ?」
おねだり上目遣いは専売特許なのだ。
「だっからその顔に弱ェんだろ……!」
「………」
えっちをおねだりした覚えはねぇぞ……?(つかソーゾーもしてなかったぞ)
「わ、悪かったよ。つかお前は悪くねぇよ……。だから、だなぁ……お前の顔に、おれは弱ぇってこった」
「……えーっと。弱いのと好きなんは一緒ってことか?」
「お前に関しちゃあな」
「んん、そっか」
1番目と2番目か……て、なんかよくわかんねぇんだけど。
「ルフィ、んな難しく考えんなって。お前はお前の思う通りにしてりゃいいんだ」
ゾロに眉間のしわをぴん、と弾かれ、自分がまた険しい顔になってたことを知った。
だって……だってな? ゾロにこうゆうことされるようになってから、いっぱいいっぱい考えるようになっちまったんだ、おれ。
コレもゾロのせい……じゃねぇの?

「さっきの゛その顔゛っての、1番目の方?」
「いや2番目」
どんな顔してたかな。
「…頭使ったら眠くなってきた」
こしこしとおれは目をこすって、そろそろ思考放棄。
「そこは体力使ったから、にしとけよ……」
「ん~……」
だって身体はじんわりキモチーんだもんよ。
「お前あんま笑わなくなったな、ごめんな……」
ゾロがブツブツ呟く。
「んー?」
なに言ってんだゾロ。でっかいクセにバカだよな。つーかもう目がしばしばだ……。
「ルフィ、おれが一番目に弱ぇ顔はな……」
弱いってのは好きってことだよな。
「んん、眠ぃ」
「………あー。わかった、寝ちまえ」
でも眠る前。
必ずおれは精一杯まぶたをあげてゾロを見る。――すぐそこにあるゾロの顔、いつ見ても男前だな。
「おれ、ゾロとヤんの……好き、だぞ……」
こんなこと言いたかったわけじゃねぇ気もすんだけど……もう頭回んねぇから。
「ああ、おれもだって」
寝呆け眼でおれがにしし、と笑ったら、ゾロはおれの前髪を掻き上げてぐしゃぐしゃにした。それからふっと、いつもゾロは笑うんだ。……すっげぇ優しい顔して。
それだけ見たくておれは寝る前必ずゾロの顔を瞳に映す。そんでムカついたのも全部忘れる。だから、おれは納得して眠る。


ゾロの笑顔はおれの特別……いつでもおれを幸せにしてくれるんだ。



(END)

ゾロの1番目、解りましたでしょかね
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