7つのお題



「…ハッ……やべ、過去最高に早ぇかもしんねぇ、おれ。……お前イイもん持ってんなぁ」
「んなっ、なんかイヤな印象、だぞっ! それっ」
「まぁまぁ」
ルフィの中に収まってからと言うもの、突くたび、擦られるたび、快感の痺れがおれの脳天を直撃する。
「んあーっもう! ゾローッ! 痛ぇっ、イテェんだって!! だったら早くイけっ」
「や、言われなくても…っ」
腕にすっぽりサイズのルフィの身体をおれは沸き上がる射精感いっぱい、武者震いする高ぶりのまま抱き締め荒れ狂ったように腰を繰り出した。
男なんか相手にしたことのないルフィが苦痛を訴えるのは至極当たり前のことだが、初めて男に突っ込んでこんなにハマってしまったおれの、ぶっちゃけ目から鱗だった心境と動揺も少しは汲んでくれってんだ。
まさに青天の霹靂……。
とかなんとか、ちゃっかり自分を正当化しながらしっかりノリまくってんだけどよ……。悪かったな、セックスは好きな方なんだ。
「…出すぜ」
おれは言って、身体を起こすとルフィの細い太ももを脇に抱え自分へと引っ張り寄せ、その薄っぺらい腰を際限まで引き付けた。
ぐぐ…と自分の全部を呑み込ませ、どくりと精を送り込む。突き直しては送り込み、また突いて送り、断続的な射精の動作を終えると、充足感に満たされそのままの態勢で大きく息を吐いた。イった後の放埒とした虚脱感がおれは好きなんだ。
「ハァ…すげ……ヨカッタ。けどちっとショックだよなぁ、お前にまんまと感じちまったってのがなぁ」
「うっせぇよスッキリした顔しやがって! 早く出てけって!」
「なぁ……ホントなんも感じなかったか?」
それって男の沽券に関わんだろう。
「んなのぜんぜっ……んあっ!?」
「お?」
試しに軽く揺すってみたんだが……吉と出たか?
「あ~…ここか?」
ゆさ。
「ぅわ! わわわっ」
ゆさゆさ。
「やややや、やめっ!」
「遠慮すんなって」
ゆっさゆっさ。
「ああっん……やっ!」
「おー、勃ってきた勃ってきた」
マジに男にも性感帯ってあったんじゃねぇか。すげ……つかルフィの身体がすげ……。
「前…びんびんするっ」
「コラ触んな」
自分の股間へとのばそうとしたルフィの片手を、おれはとっさに掴んだ。ルフィが無意識にだろうが、自分のへ刺激を与えようとするからだ。それは許せねぇ、これは自慰じゃねぇんだぜ?
「離せよバカゾロ! ……だって勃ったじゃんよっ。どうしろっつーんだよ!」
「ああ、あのな……」
どうしたいかと言うとだなぁ。
「手…離せバカ力っ」
「いいからじっとしろ。んで聞け。おれはこのまま2回目なんざ余裕でOKなんだよ」
「だ、だから?」
ルフィがちょっとゼツボウ的な顔をした。イヤ~な予感、てか? けどおれは引く気ねぇかんな。
「だからルフィ、後ろだけでイってみな?」
「あぁ!? バ…ッ、エロか! お前エロゾロかっ!!」
「おうよ。なんだよイけそうじゃねぇかよ、おら」
言って再びストロークを再開してやればルフィの身体がおもしろいように撓った。それからおれの理性を軽く冥王星にまで吹っ飛ばしちしまうくらい、ルフィはそりゃあもう、扇状的に乱れてくれて。
……いや、マジやべぇって……こいつキすぎ(おれの息子に)。
初めて聞くルフィのイイ声にもまんまとおれは煽られた。ばかりか、どんどん真っ赤になっていくルフィの顔に、め、めちゃくちゃ可愛いじゃねぇか……、などと、とんでもなくアホーなことまで考えちまうテイタラクで。
「どうしてくれんだ……」
「んっ…んんっ……なに、がっ」
「惚れたら」
「……とりあえず、一発、ぶん殴る……っ」
なんだそりゃ……?



だったらなんであんな我慢をする必要があんのか……? と、2発目ヤり終わってひとっ風呂浴びながらおれは珍しくも考えてみた。
女役なんざ進んでやりたいもんじゃねぇだろうし。まあ、ケツに入れんのくらい知ってるって意気がってたのはアイツの方なんだが……。
結局、誘われりゃあ(誘われたのだ)断らないおれで、けれどこう思わずにいられなかった。
――コイツはいったい何考えてんだ?
それでようやく頭に浮かんだひとつの理由に、おれは自分で自分に大笑いした。んなわけあるかよ。
が、まあ、とりあえずルフィに言ってみることにする。
「お前もしかしてよ……」
風呂から出て開口一番。
「おうっ、なんだ!」
いまだルフィはショックを引きずっているらしく、ベッドの中でシーツを頭から被ったままだった。が、おれが声をかけるとヤケクソとばかりにガバッと顔を出した。
良かった、泣いてはいないらしい。
なわけで、おれは遠慮なく聞いてみた。
「お前、おれが好きなのか?」
「……んがっ!?」
ドゴーン、と言う擬音が聞こえた。実際にルフィがベッドの向こうの壁に後頭部をぶつけた音だ。と共に、ルフィはパッカリ口を開け……そのまま固まった。
「もしもーし」
や、いい加減口は閉じろ。それに丸見えだし。襲われてぇか? あー?
「なんで!?」
「なんでとは?」
「バッ、バレてる……!! せ、世紀のにぶちんゾロにバレてんじゃんっおれ!!」
「に、にぶちん……」
いやしかしホントだったとは意外だ。
しかもこんなことくらいで赤くなるルフィも意外だが。
「あとでちゃんと言おうと思ってたんだぞ……一発殴ってから」
「とりあえず隠せ」
言っておれはルフィの肩からシーツを被せ、おれの危険な視界から遮る。ルフィの身体が目の毒になる日が来てしまうとは、この世の終わりも近そうだ。
「大した自信だなルフィは。らしいっちゃらしいか……」
おれはおれがお前に惚れたら殴らせる、と言ったはずなんだが?
「だってゾロ惚れただろ? おれの捨て身攻撃の勝ち、だろぉ!?」
「…………」
参ったな。
やられたろ、これは。
降参だ。

「殴れ」
すんなりとおれは左頬を差し出した。
ルフィがにぃっといい顔して、右手をグーにするのが視界の端に映った。

おれは気持ち良く出された右ストレートを見舞われながら、また思うのだ。


――降参だよ。(だってお前強すぎ)



(END)

下品すぎ……(泣)
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