幼馴染二人の20題
「あり~~? ポン酢がねェ」
「シンクの下」
「おおあったーっ!! ゾロすげェな」
「もう何回お前んちでメシ食ってると思ってんだ」
今日はゾロの両親とルフィの両親が仲良く一緒に旅行へ出かけたので、ゾロは晩飯をルフィ宅で食べることになったのだ。が、二人鍋ってどうよ……とゾロは辟易したけれど、準備が切るだけなんだから親も楽だったのだろう。よってポン酢。
火の元だけ注意してね、と母はさんざんルフィに言い置いていったが、ゾロがいるから大丈夫だ、と他人任せなことをルフィはほざいた。
「おお~~? ボディソープの予備どこだー??」
「洗面台の鏡の……ああったく、おれが出してやる。風邪ひくから戻れ」
びちょびちょの素っ裸で脱衣所をうろうろしていたルフィを見かねて、ゾロが助け舟を出した。ちなみに今からゾロも一緒に入るので。言っておくが、見たいテレビあるから仕方ないのだ。いつも一緒に入るわけじゃない。
鏡が開き棚になっているタイプの洗面台なのを、ルフィはすっかり忘れていた。ゾロがパカッと開くとボディソープを取り出したので、思わず目をキラキラさせてしまった。
「ゾロすっげェ! また当たった!!」
「ガキのころから場所変わってねェな~」
ちょっと可笑しくなりながらゾロはルフィとソープを共に浴室へ押し込む。自分も服を脱ぎ、続いて入った。
「ゾロと風呂は久しぶりだな」
「ああ。そいやそうだな。中1以来か?」
「そんなになるか!」
「頭洗ったか?」
「うん洗ったー。今から体洗う」
「じゃあおれはゆっくり浸かるとすっか」
「相変わらずゾロは浸かるの好きなんだな」
「筋肉もほぐれてストレッチしやすくなるからな。お前も上がったら筋トレしろよ」
「おお、ゾロそんなことまでやってたんか! でもテレビ始まるぞ?」
「見ながらでもできる。ホントは集中してやるんだが今日だけな、今日だけ」
「そっかそっか。おれもゾロみたいに筋肉つけよーっと!」
「もうついてんじゃねェか。ふつーに」
「こんなんじゃおれはダメだ!!」
くだらないおしゃべりをしながら、洗い終わったルフィがゾロとタッチ交代。
しかしゾロが頭を洗いはじめるなり、突然ルフィが「あ――っ!!」と大声で叫んだのだ。
「!? うっせェな何だよ!?」
「ゾロ!! 大人ちんこだっ!!」
「お、おと……」
「えェ~~なんでだよ! どうやったんだ!? おれなんかまだちょびっと被ってんのにィ」
ざばぁっと水音を立てて立ち上がったルフィが、自分のブツを覗き込み、それからゾロのを見てぶくうっと頬を膨らませた。
そんなことで怒られても……。
「知るかよ。いつの間にかこうなってたんだよ! てめーは自分でせっせと扱け」
「えー、なんかアレ痛ェからイヤなんだもん……」
「そんなのは最初のうちだけだろ。まぁお前、握力もすげェからなァ」
腕力も脚力も背筋も腹筋も全般的にスゴイのだが、ルフィは。
自分もそうだけれど、ゾロは加減というものを知っているので。
「でもなー。んー、そっかァ、それしかねェか~~」
ゾロはふと「一人えっちルフィ」を思い浮かべてみて、慌てて頭を振った。なんつー想像するかな自分……。
確かにルフィのをマジマジ見てみると、白い皮の先っちょからピンクいのがちょっぴり顔を出した状態だった。思わずゾロが手を伸ばしてむにゅりと剥いてやったら、ぎゃあああ!!と絶叫したルフィにそれは見事なエルボーを喰らった。
「ほ、星が見えたぜ……」
「わーんホントごめんゾロ~~!! でもゾロが悪ィんだしっ!!」
「だ、大丈夫だ。気にすんな。確かにおれが悪い……」
しかしそこに剥けてないブツがあったら剥きたくなるのが男心というものでは……。
て、おれが変なのか?
勝手知りすぎたる他人の家どころか、勝手知りすぎたる幼馴染みの体。
この先もルフィの成長段階に合わせ、自分は知り尽くすことになるのだろうか。
(おわり)