21×19


「ルフィ! 5万はねェだろ、減らしすぎだ」

斜め後ろから声がして、ルフィが振り返ると屈強な上半身を晒したゾロが頭に巻いたバンダナをキュ、と締めているところだった。
「そっかわりい」
つーか…、
「ゾロのバンダナ頭久しぶりに見た!」
「久しぶりどころか…」
「んん。そーだよなー。なんかゾロ、体も一回りでっかくなったような…」
「2年だぜ? まぁウチの船長は代わり映えねェようだが」
ニヤニヤ。
「んなことねェ!」
ぷんぷんっ。
「じゃ今夜たっぷり触って確かめてやるよ。ついでにおれがでっかくなったかどうか自分で確かめりゃいい」
サービスしろよ?とまたニヤリ笑う剣士にエロゾロめ!と文句を言うも、本当にこの相棒はすっかり大人の男になっていて、意識するとソワソワして困る。
よしもう見ねェぞ…。
しかしゾロの後方では、元王下七武海のジンベエが、
「ルフィ君と仲間の剣士はそういう関係じゃったんか…。ううむ、ルフィ君があの男に…なるほどのう」
何がなるほどなのか神妙な顔をしていたが、気付かなくて幸い。

「そこっ、さっそくスケベ丸出しにしてんじゃねェ! おれが3万いくぞ、おいマリモ!!」
「黙れ…Mr.鼻血」
「あァ!?」
緊張感があるのかないのか残り5万もの敵前で、さっきから雑談しまくりの船長+双璧なのだった。

なんやかんやで。
暴れ時、到来。

次々とお披露目される仲間達の新技にルフィの目はあっちへこっちへ忙しい。
特にサニーの新兵器にはおめめピカーン☆キャーと大興奮。

「じぶんは! チョッパー司令官でありますっ!! うてー!!」
「司令官カッコイイ~~!!」
「戦えお前っ!!」
とうとうゾロにツッコまれる始末…。

「あ、ゾロごめんごめん! また怒られちまった~。しししし!」
「クソコックが空飛んだらすげーで、4号にはイカス~で、5号には出たーで、チョッパーにはカッコイイで…」
ブツクサ。ブツクサ。
「んっ??」
「…なんでもねェよ」
おれは?とか、カッコ悪くて聞けるかよ。

「ゾロ!」
「あ?」

「お前、めっっちゃくちゃ強くなったなァ!!」

「…誰の為だと思ってんだ」
「なんか言ったか?」
「ぼやぼやしてねェでさっさと片付けるぞ、船長!」
「おおっ!!」

その言葉が、何よりだ。


(おわり)

きっとルフィは「ゾロかっけー!」とか言ってたと思うんだ!!←ポジティブ
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