2人の晩ご飯
九字院がテレビを観ている。
『本当は奥が深い!中華の世界!』と銘打ったその番組は、様々な中華料理チェーンに潜入し紹介するというものだった。
……2人で作るなら、夕飯はアレだな。
「今日は餃子を作る」
「ほう。さっきテレビ観ましたもんね」
「早速だがキャベツとニラを切るぞ」
「猫の手、ですね」
張り切って包丁とまな板を用意する九字院。
トントントン。
「慣れてきたな」
「そりゃあ、正崎さん仕込みですから」
最近ずっとトントンやってますからね、ちょっとはマシになったはずですよ。
ドヤ顔をするな、このニラ、他と比べて幅が広いぞ。
「次に野菜とひき肉と調味料を混ぜる」
「肉を……直で掴むんですかい?」
「そうだ。嫌なのか?」
ねとねとはするが、やってくとちょっと楽しいぞ。
「何事も経験だ。駄目だったら代わる」
「……わかりました」
ボウルに野菜とひき肉と調味料を入れる。
最初はちょっと嫌そうな顔をしていた九字院も最後の方には無表情になっていた。
「最後に皮で包む。まず俺が一度やるから見ていてくれ」
皮の真ん中にタネを置いて、上半分に水をつけて。
半分におって、上部を蛇腹状に折っていく。
「完成だ」
「餃子ってこうやって作られてたんですねえ」
テンポよく包んでいく俺。
苦戦する九字院。
「簡単そうに見えて、綺麗に作るのは難しいですね」
「奥が深いからな、餃子は」
どうにか包み終わった餃子は、どっちが作ったかわかりやすい出来になった。
「焼くか」
「そうですね」
フライパンに油を引いて、餃子たちを並べる。
「焼き目、ついたか?」
「良さげです」
水を注ぎ、蓋をして焼く。
この水分が無くなったら、完成だ。
「1人で作って、正崎さんの反応を見るってのも楽しいかなって思うんですけど、2人で作る方がいいですね」
なんかあたし、変なこと言いましたね。忘れてください。
そう言って顔を赤くしてそっぽを向く九字院が愛おしくて。
「……嫌だ。忘れない」
「忘れてくださいよ!ほら、餃子冷めちゃいます。食べましょ」
「「いただきます」」
『本当は奥が深い!中華の世界!』と銘打ったその番組は、様々な中華料理チェーンに潜入し紹介するというものだった。
……2人で作るなら、夕飯はアレだな。
「今日は餃子を作る」
「ほう。さっきテレビ観ましたもんね」
「早速だがキャベツとニラを切るぞ」
「猫の手、ですね」
張り切って包丁とまな板を用意する九字院。
トントントン。
「慣れてきたな」
「そりゃあ、正崎さん仕込みですから」
最近ずっとトントンやってますからね、ちょっとはマシになったはずですよ。
ドヤ顔をするな、このニラ、他と比べて幅が広いぞ。
「次に野菜とひき肉と調味料を混ぜる」
「肉を……直で掴むんですかい?」
「そうだ。嫌なのか?」
ねとねとはするが、やってくとちょっと楽しいぞ。
「何事も経験だ。駄目だったら代わる」
「……わかりました」
ボウルに野菜とひき肉と調味料を入れる。
最初はちょっと嫌そうな顔をしていた九字院も最後の方には無表情になっていた。
「最後に皮で包む。まず俺が一度やるから見ていてくれ」
皮の真ん中にタネを置いて、上半分に水をつけて。
半分におって、上部を蛇腹状に折っていく。
「完成だ」
「餃子ってこうやって作られてたんですねえ」
テンポよく包んでいく俺。
苦戦する九字院。
「簡単そうに見えて、綺麗に作るのは難しいですね」
「奥が深いからな、餃子は」
どうにか包み終わった餃子は、どっちが作ったかわかりやすい出来になった。
「焼くか」
「そうですね」
フライパンに油を引いて、餃子たちを並べる。
「焼き目、ついたか?」
「良さげです」
水を注ぎ、蓋をして焼く。
この水分が無くなったら、完成だ。
「1人で作って、正崎さんの反応を見るってのも楽しいかなって思うんですけど、2人で作る方がいいですね」
なんかあたし、変なこと言いましたね。忘れてください。
そう言って顔を赤くしてそっぽを向く九字院が愛おしくて。
「……嫌だ。忘れない」
「忘れてくださいよ!ほら、餃子冷めちゃいます。食べましょ」
「「いただきます」」