このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

2人の晩ご飯

「もう一度確認だ。まずは」
「レシピ通りに作る」
「それでもわからなかったら」
「正崎さんを呼ぶ」
「よし。少し仕事をしてるが何かあったら気にせず呼べ」
「生姜焼きくらいなら、あたし一人でも作れますよ」
任せてください。胸を張って答える。
お昼に包丁の使い方をちゃんと仕込まれたし、レシピもある。
生姜焼きくらいなら正崎さんの手伝いがなくとも一人でも作れる。
……そう思っていた。

「作業は順調か?九字院」
「せぇざきさん」
たぶん、じゃなくて絶対、残念な顔をしている自分。
吹き出す正崎さん。
笑い事じゃないんですけど!
「ひぐっ、玉ねぎ切ってたら、ぐずっ、涙が止まらなくて」
「そんな顔になるほどか?」
初めて見るくらい、ゲラゲラ笑う正崎さん。
……盛りつける時玉ねぎ多めに入れよう。

どうにか玉ねぎを切り終え、ジップロックに肉と調味料を入れて揉む。
「あとは焼くだけですね!」
中火がどんなもんかはわからねえですけどね。
肉に火を通し、後から玉ねぎを入れる。
こんなもんでしょう。
「せぇざきさん。ご飯できましたよ」

食卓に生姜焼きとキャベツを盛り付けた皿を置く。
「美味そうだな」
「そうでしょう、そうでしょう」
ご飯と味噌汁もよそって。

「「いただきます」」

「九字院、俺のほう玉ねぎ多くないか?」
「気のせいですよ」
6/21ページ
スキ