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2人の晩ご飯

正崎さんがキッチンをガサガサしている。
「お、あったあった。思ったより奥に入ってたな」
その手には「ホットサンドメーカー」と書かれた箱があった。

「料理講座の時間だ」
「へい。よろしくお願いします」
こんなに早く料理講座が実現するとは思わなかった。
ありがたいことだ。
「今日のメニューはホットサンド。まずは具材を切る」
正崎さんが冷蔵庫からトマトとレタスを取り出す。
「レタスは水洗いしたら手でちぎればいい。トマトは輪切りだな」
言われたとおり、レタスを洗ってちぎる。
トマトも洗ってまな板の上に乗せた。
「よく切れる包丁だから気をつけろよ。左手は猫の手。わかったな」
「任せてくださいよ」
……トマト、切りにくいな。
トントントンと軽く切ってた正崎さんが凄腕なのがよくわかる。
「最後の方は倒して横にスライス」
初心者の手ってこんなにも危ういんだな、という声がする。
「切れましたよ」

「次に卵を焼く」
冷蔵庫から出された卵をぽんと手渡される。
「やってみろ。駄目そうだったら止める」
「わかりました」
いかに料理をしたことがないからと言って、卵焼きくらいは流石に作れるはずだ。
卵を割って、かき混ぜて……
「味付け、どうしましょう」
甘くしちゃっていいですか?
「塩コショウだな。単体なら甘くてもいいんだが…」
ですよね。
塩コショウを混ぜ、フライパンを火にかける。
「油引くの、忘れるなよ」
「大丈夫ですって」
油を引いて、卵液を注いで。
よし。
「できましたよ!正崎さん!」
「上出来だ」
頭をぽんぽん叩かれる。
あたしは初めてお手伝いした小学生かなにかですかね。

「あとはパンにバターを塗って、挟んでホットサンドメーカーに任せるだけだ」
2人でバターを塗って、具材を詰めて、ホットサンドメーカーでプレスする。
「ほら、完成だ」

「綺麗な焼き上がりですね」
「美味そうだな」
それでは。

「「いただきます」」

「……チーズ挟むの、忘れたな」
「あ~。まあ次回のお楽しみってことで」
「そうだな」
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