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2人の晩ご飯

「ただいま帰りましたよ~っと」
明かりのついた家、自分のものではない靴。
今日は正崎さんが先に帰っている。
ということは。
「今日の夕飯はなんです?」
リビングに行きがてら、キッチンにいる正崎さんに声をかける。
「おかえり。今日は麻婆豆腐だ」
近所のスーパーで安売りしてたんだ、そう少し楽しそうに話す正崎さんが好きだ。
鞄を置いた後、ジャケットをハンガーにかけてこようとリビングを後にする。
「もうすぐできるがその前に風呂に入ってくるか?それとも先に夕飯にするか?」
キッチンから声がして、数秒考える。
「先にぱぱっと入ってきます。ゆっくりご飯食べたいですし」

宣言通り、ぱぱっと風呂を済ませリビングに戻る。
美味しそうな香りがする。
……少し不安なこともあるのだが。
「正崎さん、これ」
「大丈夫、そんなに辛くなってない…はずだ」
手には『辛くない!』と書かれた麻婆豆腐の素のパッケージ。
「ちゃんとお前が食べられそうな辛さのやつを買ってみた」
「ありがとうごぜえます」
でも正崎さんはどちらかというと辛い方が好みだったはずだ。
「あたしに合わせた辛さでいいんですかい?」
「俺はラー油で調整するから大丈夫だ」
なるほど。
「ほら、早く座れ。冷めるぞ」
「へいへい」

「「いただきます」」
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