レディアントマイソロジー2 まとめ
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他の誰でもなく君が
やっぱ女は胸だろ、胸。でかいのがいいよな。
大きければいいってもんでもないだろ。やっぱ形も美しくないと。
バッカ分かってねぇな。腰からのなだらかなラインを描く脚線美だろ。
いやいや短いスカートとニーソックスのコンボの果てにある絶対領域も。
かばんをこう、たすきがけにしたときの胸とかうんたらかんたらリフィルがどうのティアもああだミントはこうだ。
そんな会話がウッドロウの耳に飛び込んできて、危うく食後のお茶を吹き出すところだった。
若いなと思うも、そこに己と一つしか年の違わない男の姿を見つけると苦笑がこぼれた。若い若くない以前の問題だったらしい。
いつまでもそんな会話を盗み聞いているわけにもいかず、カップに残ったお茶を一気に飲み干すと、どういうわけか赤青緑の色彩豊かな三つの頭が目の前に並んでいた。瞬間移動でも使えるのか。
「俺達の話を聞いておいて、あんたは話さないってのォ?」
「それってェ、不公平だと俺さま思うんだよねー」
「で? どうなんだよ、旦那」
言いがかりだ、の一言で済ませてしまいたいが、三人の目の輝かせ方は極めて邪悪でそう簡単には開放してくれそうにない。常に落ち着き払っている彼を玩具にして弄り倒そうという魂胆が丸見えだ。
さて、なんと答えたものか。無難な回答でこの悪がき連中が納得するはずもない。
青年の立場上、公私を混合できるわけもなく、必然的に求める条件はただ一つ。王妃に相応しい人物であることだけである。個人的な容姿の好みも、実のところさほど無い。気になる子がいないわけではなかいのだが。
「ウッドロウさーん!」
ドアが開くと同時に元気のよい声が響いて、四人の目がそちらを向く。
いささか可愛らしすぎて頼りなそうな雰囲気ではあったが、困り果てていた青年にはその瞬間の少女がまさに救世主に見えた。
「あ、ごめんなさい。お話中でしたか?」
「何、気にすることは無い。どうかしたのかい?」
「あの、お手すきでしたらクエストのお手伝いをしてもらえないかと思って」
「私でよければ、喜んでお供させていただくよ」
「ありがとうございます! それじゃ、準備できたら呼びに来ますので!」
「私も行こう。装備のチェックもしたいからね」
「じゃ一緒にショップに行きましょう。また前みたいに棚に届かないんじゃないかと、ちょっと心配だったんです」
「ちょ! 俺達の質問の答えは!」
何事も無かったかのように普通に立ち上がろうとする青年に緑の少年が声を上げ、そーだそーだと青い少年と赤い青年が合唱する。
ふむと少し考えてから、青年を不思議そうに見上げる少女の手を取った。幾分か高めに持ち上げて、三人に見せつけるように。
「こういうことさ」
爽やかな笑みだった。肌が浅黒いせいで、歯が必要以上に白く輝いて見える。
もう一人、同じように爽やかに笑う人物が乗船しているが、彼の人のような爽やか過ぎるが故の黒さを微塵も感じさせない、いっそ眩しいほどの微笑みだ。これが王者の風格なのか。
「何のお話ですか?」
「君がもうちょっと大人になったら、教えてあげるよ」
「むっ、そんなに子供じゃないですよ」
「はははっ、すまない。でも、そんな風に反応するうちは、まだまだ子供だよ」
「むっ、むう!」
手を繋いだまま食堂から出て行く二人の後姿は、仲の良い兄妹のように見えた。
だがしかし、果たしてその見た目通りの関係を彼の青年が望んでいるのか。
去り際の言葉が三人を煙に巻くための方便でなければ、その答えは限りなく否に近い。
問題なのは、それが彼の嗜好なのか、はたまた対象が彼女に限定されるものなのか、である。
「……侮れねぇな、あの人」
様々な感情を覗かせる青年の呟きに、二人の少年はうんうんと頷いた。
2009.03.12
初出
やっぱ女は胸だろ、胸。でかいのがいいよな。
大きければいいってもんでもないだろ。やっぱ形も美しくないと。
バッカ分かってねぇな。腰からのなだらかなラインを描く脚線美だろ。
いやいや短いスカートとニーソックスのコンボの果てにある絶対領域も。
かばんをこう、たすきがけにしたときの胸とかうんたらかんたらリフィルがどうのティアもああだミントはこうだ。
そんな会話がウッドロウの耳に飛び込んできて、危うく食後のお茶を吹き出すところだった。
若いなと思うも、そこに己と一つしか年の違わない男の姿を見つけると苦笑がこぼれた。若い若くない以前の問題だったらしい。
いつまでもそんな会話を盗み聞いているわけにもいかず、カップに残ったお茶を一気に飲み干すと、どういうわけか赤青緑の色彩豊かな三つの頭が目の前に並んでいた。瞬間移動でも使えるのか。
「俺達の話を聞いておいて、あんたは話さないってのォ?」
「それってェ、不公平だと俺さま思うんだよねー」
「で? どうなんだよ、旦那」
言いがかりだ、の一言で済ませてしまいたいが、三人の目の輝かせ方は極めて邪悪でそう簡単には開放してくれそうにない。常に落ち着き払っている彼を玩具にして弄り倒そうという魂胆が丸見えだ。
さて、なんと答えたものか。無難な回答でこの悪がき連中が納得するはずもない。
青年の立場上、公私を混合できるわけもなく、必然的に求める条件はただ一つ。王妃に相応しい人物であることだけである。個人的な容姿の好みも、実のところさほど無い。気になる子がいないわけではなかいのだが。
「ウッドロウさーん!」
ドアが開くと同時に元気のよい声が響いて、四人の目がそちらを向く。
いささか可愛らしすぎて頼りなそうな雰囲気ではあったが、困り果てていた青年にはその瞬間の少女がまさに救世主に見えた。
「あ、ごめんなさい。お話中でしたか?」
「何、気にすることは無い。どうかしたのかい?」
「あの、お手すきでしたらクエストのお手伝いをしてもらえないかと思って」
「私でよければ、喜んでお供させていただくよ」
「ありがとうございます! それじゃ、準備できたら呼びに来ますので!」
「私も行こう。装備のチェックもしたいからね」
「じゃ一緒にショップに行きましょう。また前みたいに棚に届かないんじゃないかと、ちょっと心配だったんです」
「ちょ! 俺達の質問の答えは!」
何事も無かったかのように普通に立ち上がろうとする青年に緑の少年が声を上げ、そーだそーだと青い少年と赤い青年が合唱する。
ふむと少し考えてから、青年を不思議そうに見上げる少女の手を取った。幾分か高めに持ち上げて、三人に見せつけるように。
「こういうことさ」
爽やかな笑みだった。肌が浅黒いせいで、歯が必要以上に白く輝いて見える。
もう一人、同じように爽やかに笑う人物が乗船しているが、彼の人のような爽やか過ぎるが故の黒さを微塵も感じさせない、いっそ眩しいほどの微笑みだ。これが王者の風格なのか。
「何のお話ですか?」
「君がもうちょっと大人になったら、教えてあげるよ」
「むっ、そんなに子供じゃないですよ」
「はははっ、すまない。でも、そんな風に反応するうちは、まだまだ子供だよ」
「むっ、むう!」
手を繋いだまま食堂から出て行く二人の後姿は、仲の良い兄妹のように見えた。
だがしかし、果たしてその見た目通りの関係を彼の青年が望んでいるのか。
去り際の言葉が三人を煙に巻くための方便でなければ、その答えは限りなく否に近い。
問題なのは、それが彼の嗜好なのか、はたまた対象が彼女に限定されるものなのか、である。
「……侮れねぇな、あの人」
様々な感情を覗かせる青年の呟きに、二人の少年はうんうんと頷いた。
2009.03.12
初出