黒子くんと大学生マネージャー
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今日の終わりに
そろそろ日付が変わろうとしている――
こんな時間に迷惑かなと思いつつ、勇気を出して私は携帯電話を取った。
5回鳴って出なければおとなしく眠ろうと思いながら着信履歴から彼の名を探して発信ボタンを押した。
1コール…2コール…、3コール目で、音が途切れた代わりに、耳に慣れた心地良い声が聴こえた。
「こんばんわ」
もしもし、でもなく、その挨拶に虚を突かれたが私も同じように挨拶を返した。思わずと笑みがこぼれる。
まるで私から電話がかかってくるのが分かっていたような感じだ。それを伝えるとあっさり肯定された。
「もう少ししたら僕からもかけようとしてました」
私のが少しだけ早いタイミングだったというだけで、こうして日付が変わる頃に電話でお話するのは必然だったということだ。
嬉しくてくすぐったいような気持ちになる。
「部活で疲れてるのにごめんね。眠くない?」
それならばもっと早くに電話をかけるべきだったのだが、かけようかどうしようか迷っているうちに時間が経ってしまったのだ。
申し訳ないと思いつつも、電話に出てもらえて安心したのも事実。
黒子くんは「大丈夫ですよ」と言ったけれどその声は少しだけ眠そう。
あの練習量でヘトヘトにならないわけがない。部活以外にも授業での課題や宿題もあるだろうし、私よりもよっぽど忙しいと思う。
「ちょっと声が聴きたかっただけだから、ありがとうね」
まだ何も話していないが、電話に出てもらえて、声を聴けただけで充分だった。これは本心だ。
また明日、大学の授業が終わったら部活へ顔を出す予定だから明日また会えるのに。
寝る間際に黒子くんの声の声が聴けるなんてすごく贅沢だ。
「それじゃあ――」
おやすみなさい、と切ろうとしたとき、珍しく慌てた声音が響いた。
「待ってください。切られたら困ります」
止められると思わなくて思わずポカンとして、数秒、お互いに沈黙した。
「部活のときもでしたが、帰り道も今日は火神くんが居てあまり二人で話せませんでした。もう少しお話しませんか」
はっきりと言う黒子くんにドキドキしながら携帯を握り締めた。
電話だと直接耳元に声が響いていつもより近くにいるような気になって、それが余計に鼓動を早めた。
「……いいの?」
「もちろんです」
「じゃあお言葉に甘えて少しだけ…」
遠慮がちに尋ねると黒子くんは優しい声で返した。
本当は私も同じことを考えていた。今日は2人で話せる時間が少なかったなぁとか、明日は話せるかなぁとか。
悩むほどのことでもないし、四六時中生活を共にしているわけでもない。
しかしやはり、足りないと自覚してしまう。
遠距離恋愛なわけでもあるまいし、もう少し気持ちを抑えなくてはと思うのに、反比例して貪欲になっていく。
「よかった。本当は私もお話したかったんだ」
「僕達はつくづく同じことを考えていますね」
フフ、と笑うと電話越しに黒子くんの地咲く笑う声も聴こえて来た。
本当は私が考えていることなんてお見通しなんだろうなと、時々思う。
ベッドに横になりながら、窓越しに月を眺めてゆっくりとまばたきをした。
「黒子くん、あのね―――」
何から話そう。他愛のない話でも何でもいい。
このわずかな時間が最高に愛おしく思えて、過ぎていくのが惜しい。
いつもは面と向かうと恥ずかしくなって言えないことが、たくさんある。
とりあえず、明日も会えると分かっているのに、明日も会いたいってことを伝えてみよう。
そろそろ日付が変わろうとしている――
こんな時間に迷惑かなと思いつつ、勇気を出して私は携帯電話を取った。
5回鳴って出なければおとなしく眠ろうと思いながら着信履歴から彼の名を探して発信ボタンを押した。
1コール…2コール…、3コール目で、音が途切れた代わりに、耳に慣れた心地良い声が聴こえた。
「こんばんわ」
もしもし、でもなく、その挨拶に虚を突かれたが私も同じように挨拶を返した。思わずと笑みがこぼれる。
まるで私から電話がかかってくるのが分かっていたような感じだ。それを伝えるとあっさり肯定された。
「もう少ししたら僕からもかけようとしてました」
私のが少しだけ早いタイミングだったというだけで、こうして日付が変わる頃に電話でお話するのは必然だったということだ。
嬉しくてくすぐったいような気持ちになる。
「部活で疲れてるのにごめんね。眠くない?」
それならばもっと早くに電話をかけるべきだったのだが、かけようかどうしようか迷っているうちに時間が経ってしまったのだ。
申し訳ないと思いつつも、電話に出てもらえて安心したのも事実。
黒子くんは「大丈夫ですよ」と言ったけれどその声は少しだけ眠そう。
あの練習量でヘトヘトにならないわけがない。部活以外にも授業での課題や宿題もあるだろうし、私よりもよっぽど忙しいと思う。
「ちょっと声が聴きたかっただけだから、ありがとうね」
まだ何も話していないが、電話に出てもらえて、声を聴けただけで充分だった。これは本心だ。
また明日、大学の授業が終わったら部活へ顔を出す予定だから明日また会えるのに。
寝る間際に黒子くんの声の声が聴けるなんてすごく贅沢だ。
「それじゃあ――」
おやすみなさい、と切ろうとしたとき、珍しく慌てた声音が響いた。
「待ってください。切られたら困ります」
止められると思わなくて思わずポカンとして、数秒、お互いに沈黙した。
「部活のときもでしたが、帰り道も今日は火神くんが居てあまり二人で話せませんでした。もう少しお話しませんか」
はっきりと言う黒子くんにドキドキしながら携帯を握り締めた。
電話だと直接耳元に声が響いていつもより近くにいるような気になって、それが余計に鼓動を早めた。
「……いいの?」
「もちろんです」
「じゃあお言葉に甘えて少しだけ…」
遠慮がちに尋ねると黒子くんは優しい声で返した。
本当は私も同じことを考えていた。今日は2人で話せる時間が少なかったなぁとか、明日は話せるかなぁとか。
悩むほどのことでもないし、四六時中生活を共にしているわけでもない。
しかしやはり、足りないと自覚してしまう。
遠距離恋愛なわけでもあるまいし、もう少し気持ちを抑えなくてはと思うのに、反比例して貪欲になっていく。
「よかった。本当は私もお話したかったんだ」
「僕達はつくづく同じことを考えていますね」
フフ、と笑うと電話越しに黒子くんの地咲く笑う声も聴こえて来た。
本当は私が考えていることなんてお見通しなんだろうなと、時々思う。
ベッドに横になりながら、窓越しに月を眺めてゆっくりとまばたきをした。
「黒子くん、あのね―――」
何から話そう。他愛のない話でも何でもいい。
このわずかな時間が最高に愛おしく思えて、過ぎていくのが惜しい。
いつもは面と向かうと恥ずかしくなって言えないことが、たくさんある。
とりあえず、明日も会えると分かっているのに、明日も会いたいってことを伝えてみよう。