企画もの
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Rule of Love -黄瀬の場合-
今日は久々に午前練練のみで午後はからオフだったので、琴音さんの部屋でイチャイチャしようと俺は彼女の一人暮らしの部屋にやって来た。
見たいDVDがあるんで一緒にどうッスか?…なんて口実、琴音さんは素直に信じて頷いてくれた。
この人、一度信頼したら疑うことを知らないのかな。
下心のある俺は罪悪感を感じなくもないが、男なので仕方ない。
部屋に入りソファで肩を並べると、俺はリモコンの再生ボタンを押すより早く、俺は彼女を抱きしめてやわらかな唇を塞ぐ。
目を閉じている表情を、俺は薄目を開けてこっそりと盗み見た。
かわいい。どうしよう、かわいいなぁ。
今日はこのままゆっくり――、と、先のことを考えて早々に理性がグラグラと揺れ始める。
唇を離した途端、可愛い上目遣いで何を言うかと思えば、俺がまったく予想してなかった事だった。
「…キス以上のことはウィンターカップが終わるまでしないって、お互いに約束しよう?」
「…ぇ……え、え、ええええええ!?」
「ちょ、涼太くん、顔!崩れっ、も、モデルの顔!」
俺は、驚きのあまり俺の顔がムンクの叫びみたいになってしまった。
この雰囲気の中でまさかそんなお願い事をされるなんて微塵も思ってなかったから。
ま、マジッスか!?、と俺がドモりながら確かめると、彼女は頬を赤らめてゆっくりと頷いた。
まさか、遠回しに嫌われてるってことを察して欲しいとか!?
焦りながら理由を聞けば、お互いを思ってとのことだと琴音さんは言う。
「今、一番優先しなくちゃいけないことってウィンターカップに向けての練習だと思うんだ。私もそれを全力で応援したいから…」
この手の話になると顔を真っ赤にしてしまうんだが、年上なのにこの人のこーゆーところはいちいちツボだ。
大事な人の言葉に素直に頷きたいところだが、俺にだって言い分はある。
「あのさ、何でそんなこといきなり?」
「前々から考えたんだけど、いつ言おうか迷ってたの」
彼女は俺から少し離れて向き直ると、真剣味を帯びた眼差しを向けてきた。
「う、自惚れだったら申し訳ないんだけど、私がいることで集中の妨げになりたくなくて…。もし涼太くんが平気でも私が気になっちゃうの。だから、冬の大会が終わるまでは…その、」
そこから先、口ごもる彼女が初々しくて少女のように見えた。
――最初は、俺ばかりが好きだったはずだった。でも今は違う。
本当に俺のことを考えて琴音さんは伝えてくれているのだ。心から感動してしまう。
結構頑固なところあるから、俺が言い返してもきっと言い出したら聞かないだろうなぁ。
しかも、俺を思って言ってくれてることだから反論できなかった。ここは聞き分けよく頷いておこう。
それで彼女の気持ちが汲めるならお安い御用だ!…って、本当は笑顔で了解したいところだが、表情までは作れなかった。
「わかった…、我慢するっス」
ただ、しょんぼりした表情は顔に出てしまっていたみたいで、琴音さんは俺の頭をよしよしと撫でてくれた。
聞き分けのない犬を言い聞かせるみたいだ。小さな手に髪を丁寧に触れられ、心地よい。
頭を下げて撫でやすいようにするも、ちょうど俺が視線を下に向ければ目に飛び込んできたのは彼女の胸。
薄手のニットを着てるせいで胸の大きさがよく分かる。これ以上視界に入れては目に毒だ、と俺はそのまま彼女を優しく抱きしめた。
俺は…、この人が大好きでずっと傍にいて欲しい。何があっても嫌いになったり離れたりはしない。
だから二人の進展もそこまで急ぐこともないんだ。…急ぐこともないんだ、けども…!
「俺、今からちょっとおかしなこと聞くけど怒らないでね?」
琴音さんの肩口に顔を埋めてギュッとしたら、柔軟剤のいい匂いがした。
俺よりも小さい体が簡単にすっぽり腕の中に収まる。彼女は、うん?と返事をして俺の声に耳を傾けた。
「……そ、の……いれる手前まではありっスか?」
せめてこれぐらい聞いてもバチは当たらないはず。彼女の気遣いを無下にはしない。
言い分にも納得はした。ちゃんと約束もしよう。ただ、俺だって健全な男子高生だ。
したい。そりゃしたい。ものすごくしたい。
いつかは俺が貰うんだって思ってても、急ぐ必要はないってわかってても、触れたい衝動は消えてくれないから。
今までだって二人きりになったときは何度もチャンス到来とばかりに甘い雰囲気に持ち込もうとしたりしたけど、何度も失敗していた。
彼女には、前々から今日提案したような意図があって上手く俺をスルーしてたんだろうなぁ。
沈黙の後、ああこりゃ怒ってるな、そろそろボディブローが来るかと覚悟を決めたが、しばらく経っても何も言わずリアクションもなしに琴音さんが固まっていることに気がついた。
抱きしめた腕を解いて彼女を覗き込むと、さっきよりも顔が紅潮して、耳まで赤くなっている。
え、な、なんで?
予想外の反応に照れが伝染して、俺も照れくさくなった。
「そんな途中で…、それは私も辛くなっちゃうからナシかな…なんて…」
直後、琴音さんは両手で顔を覆って下を向いてしまった。声をかけられず、俺も当たり前のように絶句した。
あ、あ、アンタ何言ってるんスかァァァァ!って大声を出して責めたかった。
だが俺の顔も熱くなって、汗が噴き出てそれどころではない。
「ちょっ…!そんなこと言ってホントに我慢させる気あるんスか!?」
ため息混じりで告げるも、息すら熱を含んでるみたいだった。
そう煽られては、今すぐ奪ってやろうかって変な気さえ起こしそうになる。
俺には――、
自分から話しかけなくてもいつだって女の子の方から寄ってきた。
数人と付き合ったこともある。夢中にはさせたが、自分が夢中になることは一度もなかった。
あの頃の俺は想像もしていなかっただろう。近い未来、たった一人の女の子の一言程度に翻弄されようとは。
ごめん、と顔を手で覆ったまま小さく呟く琴音さんの頭を今度は俺が優しく撫でた。
彼女は、年上なのにどこか幼さがある。そこがまたいいんだけどさ。
俺は、琴音さんが相手だから約束も出来るし、我慢強くもなれるんだ。
ならば、我慢してみせようじゃないか。
どれだけ理性がグラつくことがあったとしても。これはきっと愛ゆえの試練。
WCの優勝も、琴音さんも、俺が全部貰う。だからその日まで楽しみにしてて?
今日は久々に午前練練のみで午後はからオフだったので、琴音さんの部屋でイチャイチャしようと俺は彼女の一人暮らしの部屋にやって来た。
見たいDVDがあるんで一緒にどうッスか?…なんて口実、琴音さんは素直に信じて頷いてくれた。
この人、一度信頼したら疑うことを知らないのかな。
下心のある俺は罪悪感を感じなくもないが、男なので仕方ない。
部屋に入りソファで肩を並べると、俺はリモコンの再生ボタンを押すより早く、俺は彼女を抱きしめてやわらかな唇を塞ぐ。
目を閉じている表情を、俺は薄目を開けてこっそりと盗み見た。
かわいい。どうしよう、かわいいなぁ。
今日はこのままゆっくり――、と、先のことを考えて早々に理性がグラグラと揺れ始める。
唇を離した途端、可愛い上目遣いで何を言うかと思えば、俺がまったく予想してなかった事だった。
「…キス以上のことはウィンターカップが終わるまでしないって、お互いに約束しよう?」
「…ぇ……え、え、ええええええ!?」
「ちょ、涼太くん、顔!崩れっ、も、モデルの顔!」
俺は、驚きのあまり俺の顔がムンクの叫びみたいになってしまった。
この雰囲気の中でまさかそんなお願い事をされるなんて微塵も思ってなかったから。
ま、マジッスか!?、と俺がドモりながら確かめると、彼女は頬を赤らめてゆっくりと頷いた。
まさか、遠回しに嫌われてるってことを察して欲しいとか!?
焦りながら理由を聞けば、お互いを思ってとのことだと琴音さんは言う。
「今、一番優先しなくちゃいけないことってウィンターカップに向けての練習だと思うんだ。私もそれを全力で応援したいから…」
この手の話になると顔を真っ赤にしてしまうんだが、年上なのにこの人のこーゆーところはいちいちツボだ。
大事な人の言葉に素直に頷きたいところだが、俺にだって言い分はある。
「あのさ、何でそんなこといきなり?」
「前々から考えたんだけど、いつ言おうか迷ってたの」
彼女は俺から少し離れて向き直ると、真剣味を帯びた眼差しを向けてきた。
「う、自惚れだったら申し訳ないんだけど、私がいることで集中の妨げになりたくなくて…。もし涼太くんが平気でも私が気になっちゃうの。だから、冬の大会が終わるまでは…その、」
そこから先、口ごもる彼女が初々しくて少女のように見えた。
――最初は、俺ばかりが好きだったはずだった。でも今は違う。
本当に俺のことを考えて琴音さんは伝えてくれているのだ。心から感動してしまう。
結構頑固なところあるから、俺が言い返してもきっと言い出したら聞かないだろうなぁ。
しかも、俺を思って言ってくれてることだから反論できなかった。ここは聞き分けよく頷いておこう。
それで彼女の気持ちが汲めるならお安い御用だ!…って、本当は笑顔で了解したいところだが、表情までは作れなかった。
「わかった…、我慢するっス」
ただ、しょんぼりした表情は顔に出てしまっていたみたいで、琴音さんは俺の頭をよしよしと撫でてくれた。
聞き分けのない犬を言い聞かせるみたいだ。小さな手に髪を丁寧に触れられ、心地よい。
頭を下げて撫でやすいようにするも、ちょうど俺が視線を下に向ければ目に飛び込んできたのは彼女の胸。
薄手のニットを着てるせいで胸の大きさがよく分かる。これ以上視界に入れては目に毒だ、と俺はそのまま彼女を優しく抱きしめた。
俺は…、この人が大好きでずっと傍にいて欲しい。何があっても嫌いになったり離れたりはしない。
だから二人の進展もそこまで急ぐこともないんだ。…急ぐこともないんだ、けども…!
「俺、今からちょっとおかしなこと聞くけど怒らないでね?」
琴音さんの肩口に顔を埋めてギュッとしたら、柔軟剤のいい匂いがした。
俺よりも小さい体が簡単にすっぽり腕の中に収まる。彼女は、うん?と返事をして俺の声に耳を傾けた。
「……そ、の……いれる手前まではありっスか?」
せめてこれぐらい聞いてもバチは当たらないはず。彼女の気遣いを無下にはしない。
言い分にも納得はした。ちゃんと約束もしよう。ただ、俺だって健全な男子高生だ。
したい。そりゃしたい。ものすごくしたい。
いつかは俺が貰うんだって思ってても、急ぐ必要はないってわかってても、触れたい衝動は消えてくれないから。
今までだって二人きりになったときは何度もチャンス到来とばかりに甘い雰囲気に持ち込もうとしたりしたけど、何度も失敗していた。
彼女には、前々から今日提案したような意図があって上手く俺をスルーしてたんだろうなぁ。
沈黙の後、ああこりゃ怒ってるな、そろそろボディブローが来るかと覚悟を決めたが、しばらく経っても何も言わずリアクションもなしに琴音さんが固まっていることに気がついた。
抱きしめた腕を解いて彼女を覗き込むと、さっきよりも顔が紅潮して、耳まで赤くなっている。
え、な、なんで?
予想外の反応に照れが伝染して、俺も照れくさくなった。
「そんな途中で…、それは私も辛くなっちゃうからナシかな…なんて…」
直後、琴音さんは両手で顔を覆って下を向いてしまった。声をかけられず、俺も当たり前のように絶句した。
あ、あ、アンタ何言ってるんスかァァァァ!って大声を出して責めたかった。
だが俺の顔も熱くなって、汗が噴き出てそれどころではない。
「ちょっ…!そんなこと言ってホントに我慢させる気あるんスか!?」
ため息混じりで告げるも、息すら熱を含んでるみたいだった。
そう煽られては、今すぐ奪ってやろうかって変な気さえ起こしそうになる。
俺には――、
自分から話しかけなくてもいつだって女の子の方から寄ってきた。
数人と付き合ったこともある。夢中にはさせたが、自分が夢中になることは一度もなかった。
あの頃の俺は想像もしていなかっただろう。近い未来、たった一人の女の子の一言程度に翻弄されようとは。
ごめん、と顔を手で覆ったまま小さく呟く琴音さんの頭を今度は俺が優しく撫でた。
彼女は、年上なのにどこか幼さがある。そこがまたいいんだけどさ。
俺は、琴音さんが相手だから約束も出来るし、我慢強くもなれるんだ。
ならば、我慢してみせようじゃないか。
どれだけ理性がグラつくことがあったとしても。これはきっと愛ゆえの試練。
WCの優勝も、琴音さんも、俺が全部貰う。だからその日まで楽しみにしてて?