長編
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抗争が始まった
タケミっちの予想通り裏の駐車場ではすでにドラケンと大勢の白い特攻服のヤツらがいた
頭から血を流しながら20人も倒したらしい、流石の根性、もうお前寝とけ死ぬぞ
少ししてすぐマイキーと東卍のみんなもやって来て大乱闘の始まりってわけ
服がいい感じに白と黒で分かりやすくていいね
「ドラケン大丈夫かな…」
「ね、頭割れてんのになんであんな動けんの?てかエマちゃんは怪我無い?」
「うん…」
「そっか」
エマちゃんと喧嘩の邪魔にならないよう木の影に移動した
さてどうしたもんか
今のうちにエマちゃんを家に送ってくのが最善だろうけど素直に帰るとは言わないだろうし
ヒナちゃんもちゃんと家に帰れてるかわからない
この騒ぎを聞き付けて近くまで来てる可能性だってある
拳と拳がぶつかり合う音をぼんやり聞きながら頭を悩ませていると誰かの悲痛な叫び声が聞こえてきた
「ドラケン君!!」
「え!?」
声の主はタケミっちだった
倒れているドラケンの周りに人は居らずよく見える
コンクリートに滲み出る赤黒いそれは久しく見なかった血溜まりだ
「エマちゃん、落ち着いてよく聞いて。救急車呼んで近くの分かりやすい場所に行ける?」
よくわかってなかったエマちゃんもタケミっちの「刺された」という声に震えながら頷いた
「タケミっち!」
「名前さん…!」
「こんなんで悪いけど、傷口押さえれる!?」
袖の縫い目に鋭い石で穴を開けて破って布にした
清潔じゃないけど無いよりはマシだ
背負われてるドラケンの傷口辺りに手を入れて押さえる
なんとか駐車場を離れ住宅街に入った
「ガハッ」
「ドラケン君!?」
詰まった血を吐き出したドラケンに二人で声かける
「もうちょい踏ん張って!助けもすぐ来る!」
「絶対ぜったい助かりますから!!」
後ろからエマちゃんとヒナちゃんが駆けてきた
救急車は祭りと雨のせいで道が混んでるらしい
しかも最悪なことに
「あれあれぇ!?死んでねーじゃんドラケンちゃん!」
「おぇーい!!なんでザコミチがいんのぉ!?」
見るからに
あの黒服ども東卍じゃない?知らない顔だけど
ジャリ…
……この子には荷が重いか…
なら最善策はひとつしか無い
「……三人でドラケン抱えて逃げれる?ここは私が引き受ける」
なんて、言ってみたけどこの人数はさすがに取りこぼすかな…?
へっぽこ魔術すら使えない生身じゃ足止めすらキツいか
「な、に言ってんすか!?女の子にそんな…!」
「そうだぞ名前、お前もタケミっち達と一緒に逃げろ…
オレは大丈夫だ」
お、ドラケン起きた
意識が戻ってなにより、強がりだろうけど軽口叩く元気はあるみたいで一応安心だ
あとは時間との勝負か
「早く_____」
「あああ"あ"あ"あ"あ"!!!
情けねえ!!」
逃げろ、という言葉はタケミっちの叫び声にかき消された
もう彼の顔から恐怖や戸惑いと言った感情は見受けられない
「リベンジだ!!」
荷が重い、なんてことはなかったようだ
強い意志の籠った瞳を見るのはいつぶりだろうか
「キヨマサ君、決着着いてなかったよな?……喧嘩賭博のタイマンの決着!」
「…は?」
喧嘩賭博て、考えたの誰よ
こんな平和な世の中だから人を人として見れない生き物がいるのかな
「どう見てもテメェの負けだろーが!」
「負けてねえよ」
明らかに目の色を変えた相手さんのリーダーっぽい人(多分キヨマサ君ってやつ)
怒るって事は少なからず心のどっかで否定できない分があるってことだろう
「タケミっちに1億円!」
くだらねえけど乗ってやる、とドラケンが笑う
ヒナちゃんとエマちゃんも便乗した
逆上したら相手は何をするかわかったもんじゃないからこの場合悪手だろうけど
「タケミっちは"4億円"だけど、そっちはいくら賭けるの?」
やっぱり挑発すんのはスカッとして楽しいな
向こうも切羽詰まってどうかしてるとかって馬鹿にしてるけどドラケンが「タケミっちが勝つ」と言い切ったおかげで静かになった
こいつらまじ煽り耐性/Zero
「行くぜキヨマサ!勝負だ!!」