長編
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「名前ちゃん次あれ!」
「任せろ」
突然だが祭りである
唯一一緒に行けそうな女友達のエマちゃんはドラケンとデートだし(ヒナちゃん含め)
隆くんはなんか昼からお留守らしくこうしてルナマナ姉妹に駆り出されたわけだ
パンッ
狙った通りチョコレート菓子の箱が後ろに倒れる
「さすが名前ちゃん!」
「ほんと、凄いね」
「どやさ」
今日初めてあったひとつ上のお姉さんに褒められた
というのも当初の予定ではここに私はいなかった
このお姉さんはルナの友達の従姉妹にあたる人で、隆くんの代わりに二人を待ち合わせ場所まで私が送った
適当に晩御飯食べて帰ろうと思ってたけど一緒にどうかと誘われ今に至る
「ごめんね名前ちゃん、友達とか大丈夫?」
「元々来る予定無かったんで役得ですよ」
浴衣着た可愛い女の子が三人もいて目の保養だしね
一人だけTシャツに短パンオーバーオールだからちょっと恥ずかしいけど致し方あるまい
適当にたこ焼きや焼きそばやらみんなで食べて
次は何しようかという所で雨が降ってきた
傘を買って少し待ってみたけど雨は止みそうになく、祭りも中止の雰囲気だった
「わ、結構強くなってきたね」
「残念だけど今日はもう帰ろうか」
愚図るちびっ子をお姉さんと宥めながら帰路に着いた
「あれ?隆くん?」
道中こんな雨の中バイクに乗った隆くんを見つけた
遠目からわかるくらい顔には焦燥した様子が見て取れて嫌な予感がする
二人をお姉さんにお願いしてすぐに追いかけた
「隆くん!」
「!…よぉ名前、悪いけど今ドラケンが……とりあえずお前は真っ直ぐ家に」
「話は道中聞くから、はいしゅっぱーつ!」
「コラバカ乗るな帰れ!」
ドラケンは今エマちゃん達と一緒のはずだ
一昨日ヒナちゃんと二人でダブルデートすんのって楽しそうに話してたし
そう言えば「しっかり掴まってろ」と渋々乗せてくれた
いつもよりスピードのあるバイクに乗りながら事の顛末を聞いた
ペーやんが納得しないのは目に見えてたけど、ドラケンをリンチってのはどうなんだ
そんなのもう喧嘩じゃないだろ
神社の駐車場に着いたとこでタケミっちと合流した
どうやら一人らしい
「ヤバいんすよ三ツ谷君!!ドラケン君が襲われる!!」
情報早いな
さっきまで一緒に祭り回ってただろうに
「キヨマサ君に」「ペーやんだろ!」
「ん?」
どちらにしてもドラケンが襲われるのは変わらない
二人が話してる間に周辺に気を配ったがそれらしい喧騒は聞こえてくるはずも無く
しかしこの場には不釣り合いな改造バイクが一機見つかった
「二人とも、あれ」
「!ぺーやんのバイクだ」
雨の中傘もささずに森の中を走る
バイクはついさっき止めたようには見えなかったからもう始まっていると考えた方がいいと判断した
「てか名前さん?は危ないから来ない方が…」
「ボロボロの君に言われたくないなー、私よりドラケン探しに集中」
「そりゃそうっすけど………っ!…三ツ谷君」
突然少し前を走っていたタケミっちが立ち止まった
ドラケンを見つけた、というわけでは無さそうだが「駐車場です」と場所を予想した
「さっきのとこ以外に駐車場ってありますか?」
「……ウラの駐車場?」
隆くんが答えた途端「そこです!」と叫んでそっちに走り出す
まるで元から知っていたかと思うくらいの自信だ
…いや、今は早く現場に行くことだけ考えよう