長編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
どこかの家の飼い猫だろうか
近くでチリンと軽い鈴の音が鳴ったのを合図に踏み込んだ
_Muskel Aufban!
「!」
無意識に強化した身体で地面を抉りすぐさま攻撃へ転向
意味不明な行動で警戒してもらおうと思ったけど、力の差が圧倒的すぎて構わず突っ込んでくる
攻撃は受けるんじゃなくできるだけ流す
こういう時痛覚無いと限界が分かりづらくて不便だな
「…身体強化の魔術か?あんた魔術師だったんだな」
「そう見えるなら良かった、15年のブランクあるから」
「なんだそりゃ」
正直魔術の方は賭けだった
今朝、起きる寸前のあれは私の身体が前世の身体に戻ったか同期したかで魔力が巡った証拠だ
鍛えてはいても魔術は15年使いようもなかったからどうなるか不安だったけど杞憂だったみたいだ
戦い方はちゃんと魂に染み付いてる
にしても妙な気分…
見たことない奴なのに、なんとなく動きが懐かしいような……
___「ストーーーップ!!」
後ろから第三者の声
突然の事で一瞬思考が停止するも一応敵前(?)でもある
バックステップで距離を取りつつ直ぐに動けるよう警戒…
「なっ、マスター!?」
…と思ったけど大丈夫そう、かな
鳩が豆鉄砲食らったような顔をした彼はガクリと片膝を崩していた
ふー、と長めに息を吐いて逸る気持ちを抑える
自分の知るあの子であってほしい期待と
全くの別人の方がいいかもしれないという気持ちが混ざり合う
「……まさ…か…」
ゆっくり振り向いて、"マスター"と呼ばれる男の子と目が合った
離れていてもわかる澄んだ空色の瞳は大きく開かれて僅かに揺れる
どう声をかけるべきか、纏まらないまま口を開いても出るのは掠れた空気だけで
この場から逃げ出したいとさえ思った
「___名前、さん…?」
「…やぁ、立香くん」
____
突如発生した微笑特異点は2つの異なる世界が混ざりあったものらしい
という説明を小さくなったダヴィンチちゃんから受けた
『君の事もちゃんと記録しているよ、あの時伝えられなかったが感謝してる』
「感謝なんてされる筋合いないよ、先にリタイアしちゃったし…それで?頭良さそうなのと高級ボディの2人はどちら様?」
シミっぽくなりそうな話題を切り上げ初めて見る顔に話を振る
賢そうなのがかの有名なシャーロック・ホームズ
カルデアの隠し玉だったらしい
ふくよかな方がゴルドルフ・ムジーク
彼は新所長としてやってきたとのこと
所長代理を勤めていたドクターロマンの話も聞いた
立香くんは短期間の内に随分と大変な目にあっていたらしくその場に残れなかった自分が不甲斐ない
『今は異聞帯を…いえ、せっかくこうしてまた名前さんと逢えたんですからもっと明るい話をしましょう!』
調整やらでマシュちゃんは通信先でお留守番らしい
もっとも、私がいると知って直ぐ終わらせて合流することになった
「後でゆっくり旅の続きを教えてよ、何を見て何をしてきたのかさ」
「勿論!名前さんに話したい事いっぱいあるよ」
『よければそちらでの生活も教えて欲しいです、見たところ学生のようですが…』
セーラー服をまじまじと見つめ不思議そうにこちらを伺うマシュちゃん
そういえば確かに、と立香くんも続く
「あぁ、私今15歳だから、中学三年生」
『「え」』
一瞬の静寂の後、路地裏に2人の絶叫が響き渡った
___
「あー…結局そちらさんはマスターの知り合いって事でいいのか?」
絶叫の後
固まった空気の中つい先程ドンパチやってた相手が口を開いた
「そう!ごめんねアキレウス!」
「いや、どうやら感動の再会みたいで邪魔するのも気が引けてな」
「…アキ、レウス……だって!?」
アキレウスと言えばギリシャ神話の大英雄
「あぁそうだあんた、名前だったか?ちよいと気になることがあるんだが聞いていいか?」
「もちろん!……アーチャー…ケイローン師匠の事でしょ?」
「やはりか」
参加した聖杯戦争でクソッタレが喚び出したのが正しくケイローン師匠だった
師匠からは戦い方の他に道徳心も教わった
殺戮人形のような私をちゃんとした人間に育ててくれたのは紛れもない彼だ
「今思うとあの人は私にとって親の代わりみたいなもんだったな…」
なんて、感傷に浸ってる場合じゃない
この世界が特異点と交じってしまったのなら早く何とかしなければ私たちも危険だ
「それで、ここについて何かわかってることはあるの?」
「それがまだ来たばかりで…あ、不良倒したらキャンディ出てきたくらい」
「なんでキャンディ?」
コロン、と立香くんの掌には可愛らしいキャンディが乗っていた
あとカボチャを模したクッキーやお化けのマシュマロもあるらしい
紛うことなきハロウィンじゃないか
「じゃあさっきの奴らも持ってるかもね、貰ってくる」
「え?」
伸びてるであろう場所に目を向けると今まさにこの場から逃げ出そうとしていた所だった
目が覚めてるなら都合がいい
「逃げる前に出すもん出さんかコラ」
「な、なんの事すか…?」
以前締め上げたカツアゲ系不良を思い出しながらまだ受け取ってない戦利品を催促する
可愛らしい包のキャンディ3つだけだった
「…チッシケてんなぁ……もう帰っていいよ、おつかれさん」
はーぁやれやれ、といったふうにあっち行けとジェスチャーする
「マシュ、幻覚かな?名前さんが典型的なヤンキーに見えるんだけど、バイタル大丈夫?」
『こちらも同じ幻覚が………いえ!先輩のバイタルも観測機にも異常ありません!紛うことなき名前さんです!!』
「君らちょっと私のこと美化しすぎじゃない?」
近くでチリンと軽い鈴の音が鳴ったのを合図に踏み込んだ
_Muskel Aufban!
「!」
無意識に強化した身体で地面を抉りすぐさま攻撃へ転向
意味不明な行動で警戒してもらおうと思ったけど、力の差が圧倒的すぎて構わず突っ込んでくる
攻撃は受けるんじゃなくできるだけ流す
こういう時痛覚無いと限界が分かりづらくて不便だな
「…身体強化の魔術か?あんた魔術師だったんだな」
「そう見えるなら良かった、15年のブランクあるから」
「なんだそりゃ」
正直魔術の方は賭けだった
今朝、起きる寸前のあれは私の身体が前世の身体に戻ったか同期したかで魔力が巡った証拠だ
鍛えてはいても魔術は15年使いようもなかったからどうなるか不安だったけど杞憂だったみたいだ
戦い方はちゃんと魂に染み付いてる
にしても妙な気分…
見たことない奴なのに、なんとなく動きが懐かしいような……
___「ストーーーップ!!」
後ろから第三者の声
突然の事で一瞬思考が停止するも一応敵前(?)でもある
バックステップで距離を取りつつ直ぐに動けるよう警戒…
「なっ、マスター!?」
…と思ったけど大丈夫そう、かな
鳩が豆鉄砲食らったような顔をした彼はガクリと片膝を崩していた
ふー、と長めに息を吐いて逸る気持ちを抑える
自分の知るあの子であってほしい期待と
全くの別人の方がいいかもしれないという気持ちが混ざり合う
「……まさ…か…」
ゆっくり振り向いて、"マスター"と呼ばれる男の子と目が合った
離れていてもわかる澄んだ空色の瞳は大きく開かれて僅かに揺れる
どう声をかけるべきか、纏まらないまま口を開いても出るのは掠れた空気だけで
この場から逃げ出したいとさえ思った
「___名前、さん…?」
「…やぁ、立香くん」
____
突如発生した微笑特異点は2つの異なる世界が混ざりあったものらしい
という説明を小さくなったダヴィンチちゃんから受けた
『君の事もちゃんと記録しているよ、あの時伝えられなかったが感謝してる』
「感謝なんてされる筋合いないよ、先にリタイアしちゃったし…それで?頭良さそうなのと高級ボディの2人はどちら様?」
シミっぽくなりそうな話題を切り上げ初めて見る顔に話を振る
賢そうなのがかの有名なシャーロック・ホームズ
カルデアの隠し玉だったらしい
ふくよかな方がゴルドルフ・ムジーク
彼は新所長としてやってきたとのこと
所長代理を勤めていたドクターロマンの話も聞いた
立香くんは短期間の内に随分と大変な目にあっていたらしくその場に残れなかった自分が不甲斐ない
『今は異聞帯を…いえ、せっかくこうしてまた名前さんと逢えたんですからもっと明るい話をしましょう!』
調整やらでマシュちゃんは通信先でお留守番らしい
もっとも、私がいると知って直ぐ終わらせて合流することになった
「後でゆっくり旅の続きを教えてよ、何を見て何をしてきたのかさ」
「勿論!名前さんに話したい事いっぱいあるよ」
『よければそちらでの生活も教えて欲しいです、見たところ学生のようですが…』
セーラー服をまじまじと見つめ不思議そうにこちらを伺うマシュちゃん
そういえば確かに、と立香くんも続く
「あぁ、私今15歳だから、中学三年生」
『「え」』
一瞬の静寂の後、路地裏に2人の絶叫が響き渡った
___
「あー…結局そちらさんはマスターの知り合いって事でいいのか?」
絶叫の後
固まった空気の中つい先程ドンパチやってた相手が口を開いた
「そう!ごめんねアキレウス!」
「いや、どうやら感動の再会みたいで邪魔するのも気が引けてな」
「…アキ、レウス……だって!?」
アキレウスと言えばギリシャ神話の大英雄
「あぁそうだあんた、名前だったか?ちよいと気になることがあるんだが聞いていいか?」
「もちろん!……アーチャー…ケイローン師匠の事でしょ?」
「やはりか」
参加した聖杯戦争でクソッタレが喚び出したのが正しくケイローン師匠だった
師匠からは戦い方の他に道徳心も教わった
殺戮人形のような私をちゃんとした人間に育ててくれたのは紛れもない彼だ
「今思うとあの人は私にとって親の代わりみたいなもんだったな…」
なんて、感傷に浸ってる場合じゃない
この世界が特異点と交じってしまったのなら早く何とかしなければ私たちも危険だ
「それで、ここについて何かわかってることはあるの?」
「それがまだ来たばかりで…あ、不良倒したらキャンディ出てきたくらい」
「なんでキャンディ?」
コロン、と立香くんの掌には可愛らしいキャンディが乗っていた
あとカボチャを模したクッキーやお化けのマシュマロもあるらしい
紛うことなきハロウィンじゃないか
「じゃあさっきの奴らも持ってるかもね、貰ってくる」
「え?」
伸びてるであろう場所に目を向けると今まさにこの場から逃げ出そうとしていた所だった
目が覚めてるなら都合がいい
「逃げる前に出すもん出さんかコラ」
「な、なんの事すか…?」
以前締め上げたカツアゲ系不良を思い出しながらまだ受け取ってない戦利品を催促する
可愛らしい包のキャンディ3つだけだった
「…チッシケてんなぁ……もう帰っていいよ、おつかれさん」
はーぁやれやれ、といったふうにあっち行けとジェスチャーする
「マシュ、幻覚かな?名前さんが典型的なヤンキーに見えるんだけど、バイタル大丈夫?」
『こちらも同じ幻覚が………いえ!先輩のバイタルも観測機にも異常ありません!紛うことなき名前さんです!!』
「君らちょっと私のこと美化しすぎじゃない?」