とある社畜の冒険譚
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「今日も体調と霊基共に異常無し、と…何か気になることは?」
「これといって特には」
毎日9時に行われるバイタルチェックにも慣れ、もう自室から医療室までなら付き添い無しでも迷わず行くことが出来る
終わったあとは大体世間話をするのだが今日は少し違った
「そうそう、君が言ってた"例のアレ"!部屋に運んでおいたよ」
「"例のアレ"?」
聞き返しても「サプライズだよ」とはぐらかされ、早く帰りたまえと急かされる始末だ
よくわからないまま自室に戻ると出る前には無かった筈のものがそこにあった
「わぁ、服だ…それもこんなに…!?」
立香くんが着てるような白い服に黒いスカートの物や、タイトなミニスカートの物
オレンジ色のピッチリスーツなど
トルソーにプラカードが掛かっていて
【立香くん用に作った魔術礼装を元に作ってみたがこの礼装に大した効果はないから安心したまえ】
「ひぇ〜なにこの優遇?私此処ではなんの役にも立たないのにこんなしてもらっていいの?ダメじゃない?」
ステータスほとんどE判定のマジモンのパンピーなんだけど?魔力なんて毛ほどもないぞ?
あとほんと申し訳ないけどこんなミニスカート履けねーーー!年齢的にもギリギリだよーー!!
「お困りですかい?お姉さん」
「え、誰?不法侵入?」
突如聞こえてきた知らない声に戸惑いを隠せない
いつの間にいたの?
というかすごいな刺青、しかもほぼ真っ裸やんこの子
「失礼な!同じ星ゼロのお仲間さんにご挨拶に来たってのになんて言われよう、悲しくて泣いちゃいそー」
「全然そんなふうに見えない…てか星ゼロ?君も?」
「そだよー」
ここにいる人は星の数とレアリティが比例するらしいが星ゼロは私以外初めて見た
「最弱英霊アヴェンジャー、以後お見知りおきをー」
「私は苗字名前、よかったね私がいるから脱最弱だよ」
「オレの唯一のアイデンティティ取らないでくれますー?まあでも、君は戦闘員じゃないからノーカンでしょー」
「う"、確かにそうとも言える…」
前まで事務作業しかしてなかったからカルデアで役立つことがないんだよねー
戦闘は勿論、料理もしない方だし医療とかもっと無理だし
機械類とか全くわかんないし…
この恩をどう返そうかと悩んでいるところ、目の前の男の子は「本題に入ろう」とニヤリと笑う
「なんにも出来ないのにさーこんな施してもらって申し訳ないーって思ってんだろ?事故で喚び出された被害者のくせして面倒臭い性格ですこと」
「確かに被害者に見えなくもないけど…実際ここに来てめちゃくちゃ快適に暮らせてるから逆に悪いな〜って」
所々トゲのある言い方をしながらも私の悩みに寄り添うよう相槌を打ったり、でも何事も適当って感じ
「そんな無能なアンタに一大チャーンス!」
「わー…?」
はいパチパチー、と笑顔で拍手をする彼に倣って戸惑い気味に手を鳴らす
突然なんだと言うのか、てか一言余計だわ
「今ならなんとこちらの聖杯をプレゼント!ちょーっと故障してるけど使用可能!てことでおひとついかが?」
ずい、と目の前に差し出される"聖杯"とやら
なんかのゲームでは『~個でキャラと交換』とかあったけど実物を見るのは初めてだ
しかし……
「これ何に使う物なの?」
純粋な疑問をぶつければ「ズコーッ」と少々古い反応が返ってくる
なんかパワーアップとかに使うのか?(あながち間違いじゃない)
「えー…何?オタク"聖杯"が何なのかもわかんない感じ?」
「魔術関連はからっきし」
「まじかよ……」
思う存分ドン引きしたあと「ようするにー」と面倒くさそうにしながらも懇切丁寧に教えてくれた
分かりやすく言えば大抵の願いはなんでも叶う"願望機"らしい
凄いことに世界各地に散らばる物を7つ集める必要も無く、今すぐにでも使える代物だ
「ほぇ〜…で?これをくれるって?私に?」
一体どういう風の吹き回しだ
こんな見るからにヤバいもんくれる理由がまず分からない
そう聞けば「そりゃアンタを気に入ったからさ」なんて胡散臭い笑みを浮かべる
「う〜ん……いいや、返すね」
「ウッソ!信じらんねー…よく考えた?これでアンタの言う"恩返し"ってのも出来るんだぜ?」
そりゃ何でも願いが叶うって聞いたら欲しいと思うけど、よく考えたら大抵頑張れば叶うと思うんだよな
彼の言う恩返しも考えては見たけど…
「…いい?社会人にとって大事なのは如何に上の言う事を聞けるかなんだよ。指示される前に動くのも大事だけど、右も左もわかんない状態でそれやられると裏目にしか出ないから」
新人は黙って出された仕事だけしてればいいんだよ
理不尽に怒るやつもいるけどおかしいのは向こうの頭だから
「そんな理由で……?あーあ!折角用意したのになー」
「え〜ごめん、じゃあそこの棚にでも…」
「インテリアじゃないんだわ」
散々文句言った後、「つまんねーから帰る」と盛大なため息を一つ零して踵を返す
自由すぎやしないか
「あ、待って!暇なら偶にでいいから遊びに来てよ!まだこの施設完全に理解してないから、時間持て余してんだよね」
少しの間しか話してないけど、どうやらこの謎の男の子を気に入ってしまったようだ
彼が善意で聖杯をくれようとしたのか悪意だったのかわからないけど、後者だとしても実害は無かったから良しとする
「はいはい、気が向いたらなー」
これはほんとに忘れた頃くらいにやって来るか絶対に来ないかのどっちかだな
あ、大事なこと聞き忘れた
「名前なんていうの?アヴェンジャーってクラス名でしょ?」
「ほんとなんで聖杯知らないのにそういうのは知ってるかね〜…けど残念ながらオレに名前は無い。もう忘れた」
どなた様にとっても都合のいい悪役ですので、好きに呼ぶといい
そう言い残して闇に溶けていった
最後まで彼のことはわからなかったが、次に来た時は何かもてなせるようにしておこう
「これといって特には」
毎日9時に行われるバイタルチェックにも慣れ、もう自室から医療室までなら付き添い無しでも迷わず行くことが出来る
終わったあとは大体世間話をするのだが今日は少し違った
「そうそう、君が言ってた"例のアレ"!部屋に運んでおいたよ」
「"例のアレ"?」
聞き返しても「サプライズだよ」とはぐらかされ、早く帰りたまえと急かされる始末だ
よくわからないまま自室に戻ると出る前には無かった筈のものがそこにあった
「わぁ、服だ…それもこんなに…!?」
立香くんが着てるような白い服に黒いスカートの物や、タイトなミニスカートの物
オレンジ色のピッチリスーツなど
トルソーにプラカードが掛かっていて
【立香くん用に作った魔術礼装を元に作ってみたがこの礼装に大した効果はないから安心したまえ】
「ひぇ〜なにこの優遇?私此処ではなんの役にも立たないのにこんなしてもらっていいの?ダメじゃない?」
ステータスほとんどE判定のマジモンのパンピーなんだけど?魔力なんて毛ほどもないぞ?
あとほんと申し訳ないけどこんなミニスカート履けねーーー!年齢的にもギリギリだよーー!!
「お困りですかい?お姉さん」
「え、誰?不法侵入?」
突如聞こえてきた知らない声に戸惑いを隠せない
いつの間にいたの?
というかすごいな刺青、しかもほぼ真っ裸やんこの子
「失礼な!同じ星ゼロのお仲間さんにご挨拶に来たってのになんて言われよう、悲しくて泣いちゃいそー」
「全然そんなふうに見えない…てか星ゼロ?君も?」
「そだよー」
ここにいる人は星の数とレアリティが比例するらしいが星ゼロは私以外初めて見た
「最弱英霊アヴェンジャー、以後お見知りおきをー」
「私は苗字名前、よかったね私がいるから脱最弱だよ」
「オレの唯一のアイデンティティ取らないでくれますー?まあでも、君は戦闘員じゃないからノーカンでしょー」
「う"、確かにそうとも言える…」
前まで事務作業しかしてなかったからカルデアで役立つことがないんだよねー
戦闘は勿論、料理もしない方だし医療とかもっと無理だし
機械類とか全くわかんないし…
この恩をどう返そうかと悩んでいるところ、目の前の男の子は「本題に入ろう」とニヤリと笑う
「なんにも出来ないのにさーこんな施してもらって申し訳ないーって思ってんだろ?事故で喚び出された被害者のくせして面倒臭い性格ですこと」
「確かに被害者に見えなくもないけど…実際ここに来てめちゃくちゃ快適に暮らせてるから逆に悪いな〜って」
所々トゲのある言い方をしながらも私の悩みに寄り添うよう相槌を打ったり、でも何事も適当って感じ
「そんな無能なアンタに一大チャーンス!」
「わー…?」
はいパチパチー、と笑顔で拍手をする彼に倣って戸惑い気味に手を鳴らす
突然なんだと言うのか、てか一言余計だわ
「今ならなんとこちらの聖杯をプレゼント!ちょーっと故障してるけど使用可能!てことでおひとついかが?」
ずい、と目の前に差し出される"聖杯"とやら
なんかのゲームでは『~個でキャラと交換』とかあったけど実物を見るのは初めてだ
しかし……
「これ何に使う物なの?」
純粋な疑問をぶつければ「ズコーッ」と少々古い反応が返ってくる
なんかパワーアップとかに使うのか?(あながち間違いじゃない)
「えー…何?オタク"聖杯"が何なのかもわかんない感じ?」
「魔術関連はからっきし」
「まじかよ……」
思う存分ドン引きしたあと「ようするにー」と面倒くさそうにしながらも懇切丁寧に教えてくれた
分かりやすく言えば大抵の願いはなんでも叶う"願望機"らしい
凄いことに世界各地に散らばる物を7つ集める必要も無く、今すぐにでも使える代物だ
「ほぇ〜…で?これをくれるって?私に?」
一体どういう風の吹き回しだ
こんな見るからにヤバいもんくれる理由がまず分からない
そう聞けば「そりゃアンタを気に入ったからさ」なんて胡散臭い笑みを浮かべる
「う〜ん……いいや、返すね」
「ウッソ!信じらんねー…よく考えた?これでアンタの言う"恩返し"ってのも出来るんだぜ?」
そりゃ何でも願いが叶うって聞いたら欲しいと思うけど、よく考えたら大抵頑張れば叶うと思うんだよな
彼の言う恩返しも考えては見たけど…
「…いい?社会人にとって大事なのは如何に上の言う事を聞けるかなんだよ。指示される前に動くのも大事だけど、右も左もわかんない状態でそれやられると裏目にしか出ないから」
新人は黙って出された仕事だけしてればいいんだよ
理不尽に怒るやつもいるけどおかしいのは向こうの頭だから
「そんな理由で……?あーあ!折角用意したのになー」
「え〜ごめん、じゃあそこの棚にでも…」
「インテリアじゃないんだわ」
散々文句言った後、「つまんねーから帰る」と盛大なため息を一つ零して踵を返す
自由すぎやしないか
「あ、待って!暇なら偶にでいいから遊びに来てよ!まだこの施設完全に理解してないから、時間持て余してんだよね」
少しの間しか話してないけど、どうやらこの謎の男の子を気に入ってしまったようだ
彼が善意で聖杯をくれようとしたのか悪意だったのかわからないけど、後者だとしても実害は無かったから良しとする
「はいはい、気が向いたらなー」
これはほんとに忘れた頃くらいにやって来るか絶対に来ないかのどっちかだな
あ、大事なこと聞き忘れた
「名前なんていうの?アヴェンジャーってクラス名でしょ?」
「ほんとなんで聖杯知らないのにそういうのは知ってるかね〜…けど残念ながらオレに名前は無い。もう忘れた」
どなた様にとっても都合のいい悪役ですので、好きに呼ぶといい
そう言い残して闇に溶けていった
最後まで彼のことはわからなかったが、次に来た時は何かもてなせるようにしておこう