短編
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「ランサー」
「…なんだ?そろそろ寝とかねえと明日持たねーぞ?」
キャスターを討伐するため、士郎くんと凛ちゃんと協力関係を結んだ
私は大した戦力にならない、出来ることと言えばバックアップくらいだ
「私、多分だけど途中で死ぬと思う」
言峰さんは私の命の恩人だ
死ぬしかなかった私を拾ってくれて、ここまで育てて貰えた
血の繋がりのある親よりも本当の父のようにさえ思っている
それ故に、彼がどんな人間かも理解してる
「言峰さんはきっと私を殺す」
「…それがわかってて最後までいるつもりか?」
「もちろん、私だけ助かろうなんて言わない……だからこうしてゆっくり話せるのは今しかないと思ってね」
暗に"逃げろ"と言っているのか
彼の命令権が言峰さんにある限り私を守ることは出来ないからだろう
それでもいいからこうして残ってるんだ
「今からランサーにとってはすっごーく難しいこと言います」
「おう、なんだ」
「一つ!私が死ぬ時、貴方が看取ってね、どれだけ離れてても駆けつけてきてね!まあ、出来ることならランサーの手で殺されたいけど…」
「それは_」
「二つ!!……私のこと、忘れないでほしい」
二つ目はきっと無理だろう
私のことなど数多く記録の中に埋もれてしまうに違いない
「願いとか望みとか無かったんだ、言峰さんの役に立って死ぬならそれでよかったから……」
それ以外願いなどなかった、はずだったのに
___先日、人生初のデートをした
美味しいものを食べあって、一人だと絶対に買わないようなとびきり可愛いワンピースを買った
デート中、敵対中の遠坂凛と衛宮士郎、セイバーの3人に会った時は驚いた
いろいろあった後、どういう訳かお昼を一緒に食べさせて貰った時はびっくりしたな
そのおかげで士郎くんには言いたかった謝罪とお礼を言えたし
凛ちゃんとはきちんと自己紹介できたし万々歳だ
まあ何が言いたいかというと、たった数日間の短い間で人はこうも変わるもんなんだと思い知らされたってこと
「…まったく、随分とまあ無理難題を押し付けるもんだ」
「あ…その、嫌なら別に構わないよ……ただの私の願望だから…」
ランサーのことだから「なんだそりゃ」っていいながら快くOKしてくれると思ったけど、やっぱりそう上手くいかないか
「何勘違いしてやがる、いいじゃねえか無理難題、そういうのは得意分野だ」
「え、じゃあ…」
「たとえ仮だろうがお前さんは俺のマスターだ、主人の願いの一つや二つ叶えられねえで何が英霊か……そっちこそ忘れられないよう努力しやがれ」
「……!当然、歴代で最高のパートナーだって言わせてやる!!」
言おうと思っていたことはまだあったけど、やっぱり気恥ずかしくて言えなかった
ランサーの事だからとっくに気づいてるだろうし、この気持ちは最後まで留めておこうと決めた
「_____では命じよう。名前諸共自害しろ、ランサー」
感情の籠らない、どこまでも冷たい声が鼓膜を揺らす
ズブリ
私の胸から飛び出た穂先はそのまま目の前にいるランサーの胸を貫いた
「ぁっか、っは あ……っら、さ……」
「っ!」
目の前の彼の顔は見ているだけで苦しくなるくらい悲しかった
最後くらい笑えよって意味を込めて私笑う
胸を貫かれたらこんなにも痛いのか
すぐに意識が飛ぶと思ってたけど、そんなことはなかった
痛い
士郎くんや、不運にも目撃してしまった一般人もこの痛みを味わったのだ
私だけ普通に死ねると思わなかったけど…
「……ふ、」
「ぐ、名前…くそっ……言峰ぇ!」
ありがとう言峰さん
私を拾ってくれた時から、あなたには感謝しかない
最後にランサーの腕の中で死ねるとは思わなかった
これは私が今考えうる中で最高で最大の死だ
これ以上幸福な死に方が他にあるだろうか
「_____」
最後の力を振り絞って好きだと伝えたかった、そうすることで絶対忘れられない死に方になると思ったから
けど、遅すぎたようだ
とっくの昔に力は入らないし体は動かない
手足の感覚ももう無い
段々痛いのかも分からなくなってきたな
ランサー…
__________
彼女は一方的に私を知ってることを申し訳なく思ってたようだけど、本当はもっと前から存在には気づいてたのよね
人形のような人だと思っていたのに、話してみると感情を隠せないタイプで笑ったのを覚えてる
「ランサー…」
そんな彼女が今、言葉にできないくらいとても綺麗な微笑みを浮かべたまま眠っている
零れる血など気にならないくらい
いや、それすらも絵になるほどだ
「気にするな…こういうには慣れてる……」
目前でそれを見たこの男はどう思ったのか
彼女の死後、持ち前の戦闘続行スキルで言峰綺礼を殺し拘束を解いてくれた
血の海に横たわる苗字名前を優しく抱え込んだ
「いやぁ…お互いつまらねぇ相棒を引いちまったな」
「そうね…けど私のはつまんないっていうより、扱いづらいだけだったかな……貴方だってその子がいたじゃない」
「こいつぁ相棒ってより………あー…そうさな、そう考えりゃ言うこと無しだ…」
そう言って彼女の頬を撫でる
「生憎昔からいい女とは縁がなくてな…まったく、こればっかりは何度繰り返しても治んねえみてえだ」
空いた右手で文字を刻む
途端に炎となり燃え広がった
「さあ早く行け、こいつらは俺が連れていく」
_____
「さよならランサー、短い間だったけど…私もあなたみたいな人が好きよ」
「へっ…小娘が、もちっと歳とって出直してこい…」
てめぇにも言ってんだぞ、名前
こうなることが分かってあんな変な願いを言ったのか、いや…それは無いか
「……安心しろよ、どうにもお前さんの事は忘れたくても忘れそうにないみたいだ」
後にも先にも、こんな衝撃的な告白は無ぇだろうよ
自分だけ言い逃げしやがっていい根性してるぜまったく
「じゃあな、お前こそ向こうに逝っても俺の事忘れんなよ……」
来世に期待してるぜ、今度こそマスターになれよ
そんときゃ無条件で俺がお前の槍になってやるから、覚悟しとけ
「…なんだ?そろそろ寝とかねえと明日持たねーぞ?」
キャスターを討伐するため、士郎くんと凛ちゃんと協力関係を結んだ
私は大した戦力にならない、出来ることと言えばバックアップくらいだ
「私、多分だけど途中で死ぬと思う」
言峰さんは私の命の恩人だ
死ぬしかなかった私を拾ってくれて、ここまで育てて貰えた
血の繋がりのある親よりも本当の父のようにさえ思っている
それ故に、彼がどんな人間かも理解してる
「言峰さんはきっと私を殺す」
「…それがわかってて最後までいるつもりか?」
「もちろん、私だけ助かろうなんて言わない……だからこうしてゆっくり話せるのは今しかないと思ってね」
暗に"逃げろ"と言っているのか
彼の命令権が言峰さんにある限り私を守ることは出来ないからだろう
それでもいいからこうして残ってるんだ
「今からランサーにとってはすっごーく難しいこと言います」
「おう、なんだ」
「一つ!私が死ぬ時、貴方が看取ってね、どれだけ離れてても駆けつけてきてね!まあ、出来ることならランサーの手で殺されたいけど…」
「それは_」
「二つ!!……私のこと、忘れないでほしい」
二つ目はきっと無理だろう
私のことなど数多く記録の中に埋もれてしまうに違いない
「願いとか望みとか無かったんだ、言峰さんの役に立って死ぬならそれでよかったから……」
それ以外願いなどなかった、はずだったのに
___先日、人生初のデートをした
美味しいものを食べあって、一人だと絶対に買わないようなとびきり可愛いワンピースを買った
デート中、敵対中の遠坂凛と衛宮士郎、セイバーの3人に会った時は驚いた
いろいろあった後、どういう訳かお昼を一緒に食べさせて貰った時はびっくりしたな
そのおかげで士郎くんには言いたかった謝罪とお礼を言えたし
凛ちゃんとはきちんと自己紹介できたし万々歳だ
まあ何が言いたいかというと、たった数日間の短い間で人はこうも変わるもんなんだと思い知らされたってこと
「…まったく、随分とまあ無理難題を押し付けるもんだ」
「あ…その、嫌なら別に構わないよ……ただの私の願望だから…」
ランサーのことだから「なんだそりゃ」っていいながら快くOKしてくれると思ったけど、やっぱりそう上手くいかないか
「何勘違いしてやがる、いいじゃねえか無理難題、そういうのは得意分野だ」
「え、じゃあ…」
「たとえ仮だろうがお前さんは俺のマスターだ、主人の願いの一つや二つ叶えられねえで何が英霊か……そっちこそ忘れられないよう努力しやがれ」
「……!当然、歴代で最高のパートナーだって言わせてやる!!」
言おうと思っていたことはまだあったけど、やっぱり気恥ずかしくて言えなかった
ランサーの事だからとっくに気づいてるだろうし、この気持ちは最後まで留めておこうと決めた
「_____では命じよう。名前諸共自害しろ、ランサー」
感情の籠らない、どこまでも冷たい声が鼓膜を揺らす
ズブリ
私の胸から飛び出た穂先はそのまま目の前にいるランサーの胸を貫いた
「ぁっか、っは あ……っら、さ……」
「っ!」
目の前の彼の顔は見ているだけで苦しくなるくらい悲しかった
最後くらい笑えよって意味を込めて私笑う
胸を貫かれたらこんなにも痛いのか
すぐに意識が飛ぶと思ってたけど、そんなことはなかった
痛い
士郎くんや、不運にも目撃してしまった一般人もこの痛みを味わったのだ
私だけ普通に死ねると思わなかったけど…
「……ふ、」
「ぐ、名前…くそっ……言峰ぇ!」
ありがとう言峰さん
私を拾ってくれた時から、あなたには感謝しかない
最後にランサーの腕の中で死ねるとは思わなかった
これは私が今考えうる中で最高で最大の死だ
これ以上幸福な死に方が他にあるだろうか
「_____」
最後の力を振り絞って好きだと伝えたかった、そうすることで絶対忘れられない死に方になると思ったから
けど、遅すぎたようだ
とっくの昔に力は入らないし体は動かない
手足の感覚ももう無い
段々痛いのかも分からなくなってきたな
ランサー…
__________
彼女は一方的に私を知ってることを申し訳なく思ってたようだけど、本当はもっと前から存在には気づいてたのよね
人形のような人だと思っていたのに、話してみると感情を隠せないタイプで笑ったのを覚えてる
「ランサー…」
そんな彼女が今、言葉にできないくらいとても綺麗な微笑みを浮かべたまま眠っている
零れる血など気にならないくらい
いや、それすらも絵になるほどだ
「気にするな…こういうには慣れてる……」
目前でそれを見たこの男はどう思ったのか
彼女の死後、持ち前の戦闘続行スキルで言峰綺礼を殺し拘束を解いてくれた
血の海に横たわる苗字名前を優しく抱え込んだ
「いやぁ…お互いつまらねぇ相棒を引いちまったな」
「そうね…けど私のはつまんないっていうより、扱いづらいだけだったかな……貴方だってその子がいたじゃない」
「こいつぁ相棒ってより………あー…そうさな、そう考えりゃ言うこと無しだ…」
そう言って彼女の頬を撫でる
「生憎昔からいい女とは縁がなくてな…まったく、こればっかりは何度繰り返しても治んねえみてえだ」
空いた右手で文字を刻む
途端に炎となり燃え広がった
「さあ早く行け、こいつらは俺が連れていく」
_____
「さよならランサー、短い間だったけど…私もあなたみたいな人が好きよ」
「へっ…小娘が、もちっと歳とって出直してこい…」
てめぇにも言ってんだぞ、名前
こうなることが分かってあんな変な願いを言ったのか、いや…それは無いか
「……安心しろよ、どうにもお前さんの事は忘れたくても忘れそうにないみたいだ」
後にも先にも、こんな衝撃的な告白は無ぇだろうよ
自分だけ言い逃げしやがっていい根性してるぜまったく
「じゃあな、お前こそ向こうに逝っても俺の事忘れんなよ……」
来世に期待してるぜ、今度こそマスターになれよ
そんときゃ無条件で俺がお前の槍になってやるから、覚悟しとけ