短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
とうとう届いてしまった…
細長いボトルに貼られたラベルには『CuChulainn』の文字
生前彼が愛したお酒だ、蜂蜜酒(ミード)というらしい
ネットというものはやはりいい。
「ん?何んだそれ、酒か?」
「ん〜?へっへへ…これはね、クーフーリン!」
「……あ?」
奮発して買った本革使用の一人掛けソファに座り、いつも使ってるお気に入りのグラスに注いでいるとランサーがやってきた
これみよがしに見せびらかせば鳩が豆鉄砲喰らった顔で固まった
「サーフィンしてたら見つけたの、よく好んで飲んでたんでしょ?これ」
「今はこんなもんまであるのか…そりゃ確かに飲んでたが…お前さんね……」
お酒は嗜む程度でガブガブとは飲まない方だ
カルアミルクとかカシオレとか、飲みやすいのくらいしか飲んだことない
ミード、蜂蜜酒とも言う
どんなものか想像つかないが蜂蜜の味がするのだろうと思ってる
いつもと同じくらいの量を入れたらいざ飲酒だ!
「んっ!?……え、甘く…ない……?」
「ぶっはは!やっぱりか!」
予想外の味に思わず吹きそうになるのをぐっと堪え喉に流し込んだ
「えー!なんで!?蜂蜜でしょ!?」
「あのなマスター、俺が好む酒が甘いわけないだろうが…」
そう言って私の手からグラスをかっさらって勢いよく飲んだ
ぐ、確かに甘いの食べてるとこ見たことないな…
アルコール度数を確認すると「まぁこんなもんか」と呟く
「子供舌のお前さんにはちとキツかったか?残念だったな」
ケラケラとバカにしたように笑いながら乱暴に頭を撫でられる
舐めやがって…こちとらとっくの昔に成人した立派なレディだぞ
「もう大人なんだから、そうやって子供扱いしないでよね」
「…へぇ」
「…っ」
ずいっと鼻先がくっつきそうになるくらい近づく顔に反射的に後退するが、無駄にデカい背もたれがあるせいで動きが制御される
なんてことだ、初めてこのソファに対して怒りの感情が湧いたよ
なんて思ってる場合じゃない
ただでさえ顔のいいランサーに至近距離まで近づかれると頭がどうにかなりそうだ
「う…な、なによ、いきなり……」
「名前が望むなら大人の扱いってのをしてやってもいいんだぜ?」
逆光に照らされているにも関わらず、赤い瞳はギラギラとしていて
アルコールの入った状態では思考力も鈍る
ゆっくりと狭まる距離に耐えきれずに思い切り目を瞑った
ぎゅむ
「っ!?」
「ふっ、キスでもされるかと思ったか?」
予想していたものとは違う衝撃が襲う
これは、鼻だ
……鼻を摘まれた。
「いや〜ここまで初な反応されちゃぁな〜、あー楽し」
心底楽しそうに笑うランサーの顔を見ていたら段々正気に戻ってきて
同時にふつふつと怒りも湧いてくる
考えるより先に手が出て目の前にある胸倉を引っ掴んで思いっきり引き寄せた
「!、う"っ」
「っぐ…!」
ガツン!と強い衝撃とじわじわと溢れる鉄の味
勢いよくした"それ"はキスというよりほぼ頭突きに等しい
ランサーがよろめいた隙に逃げるようにその場を離れる
とはいえ私も無事ではない、歯も痛ければ口も切れた、ちくしょう
「ぅぐ…へ、へん!これに懲りたら、変な冗談やめてよね!それじゃ私はコーラ買ってくるから それ飲んだら承知しないから!!」
それだけ言って近くのコンビニまでひとっ走りした
店に着いて初めて手ぶらだった事に気づいて崩れ落ちた
あんな捨て台詞吐いた手前何も持たずに帰るなんて最高にダサいし何より恥ずかしい、どういう顔して帰ればいいのか
途方に暮れていると呆れたランサーが財布を持って迎えに来た
後日、コーラはやはり万物に合うことがわかった。
細長いボトルに貼られたラベルには『CuChulainn』の文字
生前彼が愛したお酒だ、蜂蜜酒(ミード)というらしい
ネットというものはやはりいい。
「ん?何んだそれ、酒か?」
「ん〜?へっへへ…これはね、クーフーリン!」
「……あ?」
奮発して買った本革使用の一人掛けソファに座り、いつも使ってるお気に入りのグラスに注いでいるとランサーがやってきた
これみよがしに見せびらかせば鳩が豆鉄砲喰らった顔で固まった
「サーフィンしてたら見つけたの、よく好んで飲んでたんでしょ?これ」
「今はこんなもんまであるのか…そりゃ確かに飲んでたが…お前さんね……」
お酒は嗜む程度でガブガブとは飲まない方だ
カルアミルクとかカシオレとか、飲みやすいのくらいしか飲んだことない
ミード、蜂蜜酒とも言う
どんなものか想像つかないが蜂蜜の味がするのだろうと思ってる
いつもと同じくらいの量を入れたらいざ飲酒だ!
「んっ!?……え、甘く…ない……?」
「ぶっはは!やっぱりか!」
予想外の味に思わず吹きそうになるのをぐっと堪え喉に流し込んだ
「えー!なんで!?蜂蜜でしょ!?」
「あのなマスター、俺が好む酒が甘いわけないだろうが…」
そう言って私の手からグラスをかっさらって勢いよく飲んだ
ぐ、確かに甘いの食べてるとこ見たことないな…
アルコール度数を確認すると「まぁこんなもんか」と呟く
「子供舌のお前さんにはちとキツかったか?残念だったな」
ケラケラとバカにしたように笑いながら乱暴に頭を撫でられる
舐めやがって…こちとらとっくの昔に成人した立派なレディだぞ
「もう大人なんだから、そうやって子供扱いしないでよね」
「…へぇ」
「…っ」
ずいっと鼻先がくっつきそうになるくらい近づく顔に反射的に後退するが、無駄にデカい背もたれがあるせいで動きが制御される
なんてことだ、初めてこのソファに対して怒りの感情が湧いたよ
なんて思ってる場合じゃない
ただでさえ顔のいいランサーに至近距離まで近づかれると頭がどうにかなりそうだ
「う…な、なによ、いきなり……」
「名前が望むなら大人の扱いってのをしてやってもいいんだぜ?」
逆光に照らされているにも関わらず、赤い瞳はギラギラとしていて
アルコールの入った状態では思考力も鈍る
ゆっくりと狭まる距離に耐えきれずに思い切り目を瞑った
ぎゅむ
「っ!?」
「ふっ、キスでもされるかと思ったか?」
予想していたものとは違う衝撃が襲う
これは、鼻だ
……鼻を摘まれた。
「いや〜ここまで初な反応されちゃぁな〜、あー楽し」
心底楽しそうに笑うランサーの顔を見ていたら段々正気に戻ってきて
同時にふつふつと怒りも湧いてくる
考えるより先に手が出て目の前にある胸倉を引っ掴んで思いっきり引き寄せた
「!、う"っ」
「っぐ…!」
ガツン!と強い衝撃とじわじわと溢れる鉄の味
勢いよくした"それ"はキスというよりほぼ頭突きに等しい
ランサーがよろめいた隙に逃げるようにその場を離れる
とはいえ私も無事ではない、歯も痛ければ口も切れた、ちくしょう
「ぅぐ…へ、へん!これに懲りたら、変な冗談やめてよね!それじゃ私はコーラ買ってくるから それ飲んだら承知しないから!!」
それだけ言って近くのコンビニまでひとっ走りした
店に着いて初めて手ぶらだった事に気づいて崩れ落ちた
あんな捨て台詞吐いた手前何も持たずに帰るなんて最高にダサいし何より恥ずかしい、どういう顔して帰ればいいのか
途方に暮れていると呆れたランサーが財布を持って迎えに来た
後日、コーラはやはり万物に合うことがわかった。