えみごシリーズ
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「うわ…」
天気予報では今日一日晴れです。なんて言ってたはずなのに物の見事に土砂降りだ
勿論傘なんてものは持ってきていない
コンビニで傘を買おうかと思ったが買ったところでびしょ濡れになるのは避けられない
「よしっ」
__________
「で?何か言うことは?」
「…ごめんなさい……」
ベッドに寝込む私を見下ろすランサーの表情は怒りと呆れの両方が見て取れる
あの後コンビニなど寄らずにびしょ濡れになりながら大学からここまで突っ走った
帰ってすぐタオルで拭いたし風呂にも入った、のに
「38.3℃だってよ、立派な風邪だなこりゃ」
「人間とは些か脆い生き物よの…は、はっくしゅ!う〜…」
朝起きたらこのザマだ
寒いし頭痛いし鼻水出るしで最悪だ
「ったく、おらよハナタレ」
「う、ぐぐ、っ自分で拭けるっての!」
ゴシゴシと強引に拭かれて鼻がもげると思った
ちゃんと加減してくれてるんだろうけど
「んじゃちょっと出てくるが、すぐ帰る なんか欲しいもんあるか?」
その言葉に頭に浮かんだのはひとつしかない
風邪と言えば定番の冷たいアレだ
「…アイス」
「ん、時々食ってるアレだよな?」
どのアイスが欲しいか言わなくてもわかってくれていて嬉しくなり力強く返事した
そんな私を軽く笑いながら「大人しく寝とけよ」とだけ言ってランサーは出ていった
英霊様に看病されるなんてこんな間抜けなマスターは私以外いないだろうな
__________
物音が聞こえ段々意識が覚醒する
「……ん、」
「おう名前、起きたか?」
起きたばかりだったのにいつの間に寝ていたのか
既に帰宅していたランサーの右手には何故かオタマが握られていた
まだ寝惚けているのだろうか
「……ランサー…?なにそれ…」
「朝何も食ってないし、そろそろ腹減ったろ?」
時計を見ると12時はとうの昔に過ぎていた
そう言われるとなんだかお腹が空いてくる
「お粥作ったから食いな」
「……えっ?ランサーがお粥!?」
聞き間違いかと思ったら満面の笑みで「おう!」と返ってきた、どうやら間違いではないらしい
「…ん、美味しい……」
出てきたのは卵粥だった
丁度いい塩気の効いたお粥にふわふわの卵
「やっぱ坊主に聞いて正解だったな」
ランサーはわざわざ士郎くんのとこまで行って看病の仕方を聞いてきたらしい
寝とけば直るだろうって思ってたしランサーもそういう考えかと思ってたから、びっくりしたし何よりそこまでしくれることが嬉しい
「ご馳走様でした」
「おう、こんだけ食えりゃ明日には下がってるだろうよ」
「うん、ありがとうランサー…まさか士郎くんとこまで行くとは思わなくてびっくりした」
「とりあえず坊主あたりに聞きゃなんとかなりそうだしよ」
言峰の野郎には聞きたかねえし、と彼らしい理由も見て取れた
まあ確かにこの場合士郎くんを頼るのが妥当かな、お母さん力というかなんというか
「あ、そうだ」
何か思い出したのかランサーは冷蔵庫の方に行ってすぐに戻ってきた
アイスかな?
「そら、デコ出しな」
「え、うひゃっ!?」
突然前髪をかきあげられたかと思えば晒された額に冷たい感触が走る
「これ貼るのがいいんだろ?」
アイスと一緒に買ってきたのか、風邪を引いた時の定番、冷却ジェルシートだ
「急にやんないでよ…」
「心配させやがった罰だ、これに懲りたらもう無茶すんじゃねえぞ?」
「…うん」
なんか、こうやって看病してもらえるのも案外いいものかも
なんて思ったけど怒られそうだから口にするのは止めといた、恥ずかしいし