短編
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
きっかけは祖母のお見舞いだった
体調を崩して入院した祖母に会いに病室を尋ねた時、窓から見えるのは人工的な建物ばかりだったから花でも置いてあげようという安易な考えからだ
今日も病院に行く前に近所の商店街にある花屋へ足を運んだ
「お、嬢ちゃんまた来たのか」
「こんにちはお兄さん」
週3のペースで花を買いに来てるから顔を覚えてもらえ、お兄さんとはこうして挨拶しあえる仲になった
別にこんなに通うつもりはなかったけど私はこのお兄さんに一目惚れしてしまったのだから仕方ない
青い髪に赤い瞳が特徴的でしっかりした体に高い背丈
祖母が飽きないようにというのもあるけどこのお兄さんに会うために花を買ってると言っても過言ではない
「今日も見舞いか?」
「はい、お陰様で最近調子良くなってきてるんです」
花が好きな祖母はいつも嬉しそうに出迎えてくれる
窓枠のスペースに入らなくなったらその都度家に持ち帰り、新しい物に取り替えるという作業をしてるから花でいっぱいになりそうだ
「そりゃよかったな!今日はどうする?」
「そうですねぇ…」
それから少しして
祖母の体調も良くなり、無事退院した
嬉しいのだけど花屋に行く口実が無くなってしまったので少し複雑だ
「あ"〜…置くとこないからって母さんにも止められたし……花買わないのに行くのもあれだし…」
「例のお兄さん?別に話しに行くだけでもいいじゃん」
放課後、ほんとんどサボり部と化した美術部でいつものように友達とだべっていた
私はそんなグイグイ行けるほど肝が据わってないなのだ
「まず仕事の邪魔したくないし…」
「でもそんなに話せるようになってたなら名前くらい聞けばよかったのに、連絡先とか」
「そんなあからさまに…」
「あからさまで何が悪い、好きならとことんアタックしなさいよ」
友達はバイト先の先輩にそれはもう猛烈に仕掛けたらしい
結果、お付き合いすることになったと報告を受けたのは先月の話だ
この子は本当に、私に出来ないことを平然とやってのける、そこにシビれるあこがれる
なんつって
「…っと、ごめんおつかい頼まれたから今日はもう帰るわ」
母から夕飯の魚を買い忘れたから買ってきてくれとメールが届いた
花屋より先を行った所にある魚屋に行くのは久しぶりだ、なんとなくで覚えてる程度
去り際に「ついでに連絡先ゲットしてこーい」なんて言われたけど無視した
大体今日は木曜日だから彼は休みだろうし
「…やっぱいない、よね」
道すがら花屋を通るから横目で確認したけどいつものお兄さんはいなかった
そんな都合良く世の中回ってないっての
いや、居ても会釈するだけで済ませてただろうけど
そんなことより魚屋だ、今日のメインは鮭らしい
「すいませーん」
「はーいっと…お?嬢ちゃん、久しぶりだな」
「…えっ」
いつものピンク色のエプロンではなくクリーム色のエプロンに白い長靴を身にまとったお兄さんが出てきた
「あんた良く花買ってた子だろ?ばあちゃん良くなったのか?」
「ぅあ、はい!元気です!」
今日はおつかいか?偉ぇな!なんて褒められて母さんに感謝する
こんな偶然あっていいものか
世間話を交えながら手際よく頼んだものを包んで行くお兄さん
他の客が来そうにないなと思いそのまま話し込んでいると「ランサー」と第三者の声が聞こえた
「あ?なんだ坊主いたのか」
「失礼だな、気づいてたくせに…って苗字?」
なんと、第三者とはクラスメイトの衛宮君ではないか
ていうか今らんさーって…
「え、衛宮君お兄さんと知り合い?」
「まあちょっと…ていうかそれはこっちの台詞だぞ」
それから一気に話が進み、互いに自己紹介もした
こうして衛宮君のおかげでお兄さん、ランサーさんとの距離が縮まった
「今後ともうちをご贔屓によろしく頼むぜ、名前」
「ひゃい!」
その日から夕飯で魚の日が多くなった
体調を崩して入院した祖母に会いに病室を尋ねた時、窓から見えるのは人工的な建物ばかりだったから花でも置いてあげようという安易な考えからだ
今日も病院に行く前に近所の商店街にある花屋へ足を運んだ
「お、嬢ちゃんまた来たのか」
「こんにちはお兄さん」
週3のペースで花を買いに来てるから顔を覚えてもらえ、お兄さんとはこうして挨拶しあえる仲になった
別にこんなに通うつもりはなかったけど私はこのお兄さんに一目惚れしてしまったのだから仕方ない
青い髪に赤い瞳が特徴的でしっかりした体に高い背丈
祖母が飽きないようにというのもあるけどこのお兄さんに会うために花を買ってると言っても過言ではない
「今日も見舞いか?」
「はい、お陰様で最近調子良くなってきてるんです」
花が好きな祖母はいつも嬉しそうに出迎えてくれる
窓枠のスペースに入らなくなったらその都度家に持ち帰り、新しい物に取り替えるという作業をしてるから花でいっぱいになりそうだ
「そりゃよかったな!今日はどうする?」
「そうですねぇ…」
それから少しして
祖母の体調も良くなり、無事退院した
嬉しいのだけど花屋に行く口実が無くなってしまったので少し複雑だ
「あ"〜…置くとこないからって母さんにも止められたし……花買わないのに行くのもあれだし…」
「例のお兄さん?別に話しに行くだけでもいいじゃん」
放課後、ほんとんどサボり部と化した美術部でいつものように友達とだべっていた
私はそんなグイグイ行けるほど肝が据わってないなのだ
「まず仕事の邪魔したくないし…」
「でもそんなに話せるようになってたなら名前くらい聞けばよかったのに、連絡先とか」
「そんなあからさまに…」
「あからさまで何が悪い、好きならとことんアタックしなさいよ」
友達はバイト先の先輩にそれはもう猛烈に仕掛けたらしい
結果、お付き合いすることになったと報告を受けたのは先月の話だ
この子は本当に、私に出来ないことを平然とやってのける、そこにシビれるあこがれる
なんつって
「…っと、ごめんおつかい頼まれたから今日はもう帰るわ」
母から夕飯の魚を買い忘れたから買ってきてくれとメールが届いた
花屋より先を行った所にある魚屋に行くのは久しぶりだ、なんとなくで覚えてる程度
去り際に「ついでに連絡先ゲットしてこーい」なんて言われたけど無視した
大体今日は木曜日だから彼は休みだろうし
「…やっぱいない、よね」
道すがら花屋を通るから横目で確認したけどいつものお兄さんはいなかった
そんな都合良く世の中回ってないっての
いや、居ても会釈するだけで済ませてただろうけど
そんなことより魚屋だ、今日のメインは鮭らしい
「すいませーん」
「はーいっと…お?嬢ちゃん、久しぶりだな」
「…えっ」
いつものピンク色のエプロンではなくクリーム色のエプロンに白い長靴を身にまとったお兄さんが出てきた
「あんた良く花買ってた子だろ?ばあちゃん良くなったのか?」
「ぅあ、はい!元気です!」
今日はおつかいか?偉ぇな!なんて褒められて母さんに感謝する
こんな偶然あっていいものか
世間話を交えながら手際よく頼んだものを包んで行くお兄さん
他の客が来そうにないなと思いそのまま話し込んでいると「ランサー」と第三者の声が聞こえた
「あ?なんだ坊主いたのか」
「失礼だな、気づいてたくせに…って苗字?」
なんと、第三者とはクラスメイトの衛宮君ではないか
ていうか今らんさーって…
「え、衛宮君お兄さんと知り合い?」
「まあちょっと…ていうかそれはこっちの台詞だぞ」
それから一気に話が進み、互いに自己紹介もした
こうして衛宮君のおかげでお兄さん、ランサーさんとの距離が縮まった
「今後ともうちをご贔屓によろしく頼むぜ、名前」
「ひゃい!」
その日から夕飯で魚の日が多くなった