えみごシリーズ
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ガシャァン!!
急に窓が割れたかと思えば今度こそ本物のランサーが飛び込んできた
「ラっんぶ!」
「てめぇ、名前になにしやがった!!」
「~~~っ!」
ランサー、と声を出す間もなく抱き寄せられそのまますごい力で胸に押し付けられる
腕で押し返そうにもビクともしない
「あー…ランサー?気持ちはわかるけど離してあげて?そろそろ死ぬわよその子……いろんな意味で」
「あ?っと悪いな、加減できなくてよ」
「…らいひょーう……」
ありがとう、凛ちゃん!心の方がそろそろ限界だった…!
それと窓ごめんね…だからそんな怖い顔しないで
「随分と遅かったじゃねえの、"俺"」
「ぬかせ、わざわざ結界なんざ作って邪魔してたのはてめぇだろ」
なんともおかしな状況だろうか
クー・フーリンが二人いて言い合いをしているではないか
此処にどこぞの愉悦部員が居なくて本当によかった
なんて一人おかしな事を思っていれば話し合いはどんどん進んでいく
耳を塞ぎたくなるような内容だ、羞恥で死ぬ
「君のサーヴァントの問題だろう?続きは他所でやってくれないか?」
「ごもっとも…申し訳ない…」
魔術で直せるにしても割ってしまったのはうちのランサーだ
今度菓子折りでも持っていこう
とりあえず二人を落ち着かせ家に帰ったが
キャスターをどうしよう
「こういうのはやっぱり言峰さんとこに連れてった方がいい感じ?王様も居るし…」
「勘弁してくれ、"俺"が嫌う人間だぞ?そんなロクでもねぇヤツなんかのとこにゃ行きたくねぇって」
それもそうか
とりあえず家に置くとしても報告だけはしておかないと
日も暮れたし明日にでも連れてくか、お腹空いたし
今日は3人分だしカレーでいいか
「おいおい、まさかキャスターの俺のも作るのか?」
「え?当たり前でしょ?キャスターにだけ何も出さないなんてそんな鬼畜なことするわけないじゃん」
「食事は摂る必要無いが、出されるもんは有難く頂くぜ」
「ほらね、丁度カレールーそろそろ使い切ろうと思ってたし」
開けてちょっと経つからね
キャスターが居てくれて好都合と言うやつだ
「それで、キャスター…はどうしてここに居るの?マスターは?」
キャスター、というとどうしても柳洞寺の彼女がチラつくが今はよそう
話を聞けば、自分も何故ここに喚ばれたのかわからないし、マスターもいないらしい
それって大丈夫なのだろうか
「いつ消えてもおかしくないが、まあその時はその時だろ」
「え、いいのそれ?もう一人くらいならいけないこともないけど…契約する?」
「ほんとお前さんね…」
隣にいるランサーからため息が聞こえる
だってそれしか方法なくない?
「……いや、遠慮しとくぜ」
随分あっさり断ったキャスター
てっきり「そりゃ助かるね、世話になるぜ」とか言うのかと思ってたから、ちょっとびっくりだ
「まあ、嬢ちゃんが槍の俺が飽きたってんなら話は別だがな、いっその事取っちまうか?」
「あ"?んだと槍無し野郎」
「ちょ、喧嘩しない!もー、キャスターが変なこと言うから」
これ以上話をややこしくするなっての
クラスが変わってもこういうとこは変わんないな
デートとか言うし
「……"俺"も随分苦労してると見た」
「うるせー、どっかの馬鹿が悪いんだろ」
なんかすごい貶されてる気がする私
「本当は見つけた時連れて帰ろうかと思ったんだがな」
「え」
悪い冗談かと思ったけど目がマジだった
少しだけ怖いと感じてランサーの方に近寄った
それに気づいたのかキャスターは鼻で笑った
「あんな風に指摘されちゃあな〜…槍の俺は愛されてて羨ましいことこの上ないぜ」
「なっ、別にそんなんじゃ…!」
急に何言い出すんだこの男は…!
「時間か」と呟きが聞こえ、見ると消え始めているキャスター
「また縁がありゃ知的な俺もよろしく頼むわ、あんたなら喜んで従うぜ」
最後にそう言って完全に消えてしまった
結局アレが何だったのかは未だにわからない