長編
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シャチの引く舟は段々勢いを無くし、緩やかになった頃
辺見の皮を剥ぎ終え、死体は適当に海に捨てた
ずっとあっても邪魔だし、どうせ極悪人だから別にいいだろう
舟の上だったから難しかったなー、なんて首を鳴らしていれば白石さんがなにやら楽しげに白い物を海から引き上げていた
「おえ、なにそれゴミ?なんか…うぇー」
「これだから世間知らずは困るねぇ、高級食材だぜ?」
聞けばニシンの子持ち昆布だそう
海面が白く濁っているのはニシンの精子なんだと語っていたが見た目はなんとも言えない
あれから他のコタンの人たちの舟もやってきて、それに驚いたシャチが浜に打ち上がった
アイヌはシャチを採らないそうだがこうして打ち上がったものは食べるんだとか
「シャチって上手いのか?」
「クジラ…頑張ったのに……」
「まあまあ、シャチもクジラの仲間だからきっと美味いぜ!」
そうだったのか
量はクジラより少ないけど美味しいなら大歓迎だ
「アシリパちゃんのオハウ!シャチオハウ!」
「うーん…また鍋か」
「アイヌの基本は汁物だからな」
オハウを楽しみにしていれば物足りないと言うふうに白石さんが声を出すと、脂身が手に入ったから揚げ物はどうだと提案した
シャチの肉に酒と醤油で下味をつける
これに衣をつけて揚げたものを竜田揚げというらしい
「はふはふ…はちぃ………!、いけるぞコレ!」
「動物の油で揚げたから外がパリパリだ!」
「あっふぁ!……んま!!ヒンナだよアシリパちゃん!」
未だ手を付けないでいるアシリパちゃんにそう言うとこのシャチは人を殺した悪い神だから食べられないそう、アイヌの教えだ
辺見和雄の事を言ってるんだろうけど、正直どのタイミングで死んだのかわからない
「アシリパさん、辺見和雄に致命傷を負わせたのは俺だ…俺が殺した」
杉元さんがそう断言した
だからそのシャチは…と続けて言おうとしていたところ「そうだな」とすかさず食べ始めたアシリパちゃん
やっぱり食べたいよね
食べながらウェンカムイは人を殺して食べた"ヒグマ"をそう呼んで討ち取るために呼んでる
ヒグマ以外はウェンカムイと言わないんだ多分
なんて都合いいように解釈した
そこまで食べたかったのか
「うんうん、いっぱい食べようねアシリパちゃん」
「さっきの子持ち昆布も揚げちまうか!」
「え…それ本当に食べれるの……?」
あっというまに串揚げが出来上がり
みんなパクパク食べてた
杉元さんが猫舌でちょっと笑っちゃったけど
「名前〜ヒンナだぞ?食べないのか?」
「外はサクサク中はプチプチで塩味もあって美味しいよぉ〜?」
ほれほれ、とアシリパちゃんと杉元さんに挟まれ串揚げをあーんしてくる
「えぇ〜…?見た目が、さ……ねっ…」
苦笑いして乗り切ろうと思ったら「仕方ない…」と肩を落とすアシリパちゃん
「騙されたと思って目を瞑れ?」
「うっ…」
そうだ、見なければいいんだ!
ぎゅっと手も使って両目を塞げば「今だ杉元っ」という掛け声と共に口の中に暖かいサクサクした物が入る
ちゃんと冷ましてくれてる、優しい…!
「…どうだ?」
「うっま」
「なんで脳みそとかは躊躇なく行くくせにこの見た目が無理なんだ…?」
「名前ちゃんてほんと変わってるね〜」
辺見の皮を剥ぎ終え、死体は適当に海に捨てた
ずっとあっても邪魔だし、どうせ極悪人だから別にいいだろう
舟の上だったから難しかったなー、なんて首を鳴らしていれば白石さんがなにやら楽しげに白い物を海から引き上げていた
「おえ、なにそれゴミ?なんか…うぇー」
「これだから世間知らずは困るねぇ、高級食材だぜ?」
聞けばニシンの子持ち昆布だそう
海面が白く濁っているのはニシンの精子なんだと語っていたが見た目はなんとも言えない
あれから他のコタンの人たちの舟もやってきて、それに驚いたシャチが浜に打ち上がった
アイヌはシャチを採らないそうだがこうして打ち上がったものは食べるんだとか
「シャチって上手いのか?」
「クジラ…頑張ったのに……」
「まあまあ、シャチもクジラの仲間だからきっと美味いぜ!」
そうだったのか
量はクジラより少ないけど美味しいなら大歓迎だ
「アシリパちゃんのオハウ!シャチオハウ!」
「うーん…また鍋か」
「アイヌの基本は汁物だからな」
オハウを楽しみにしていれば物足りないと言うふうに白石さんが声を出すと、脂身が手に入ったから揚げ物はどうだと提案した
シャチの肉に酒と醤油で下味をつける
これに衣をつけて揚げたものを竜田揚げというらしい
「はふはふ…はちぃ………!、いけるぞコレ!」
「動物の油で揚げたから外がパリパリだ!」
「あっふぁ!……んま!!ヒンナだよアシリパちゃん!」
未だ手を付けないでいるアシリパちゃんにそう言うとこのシャチは人を殺した悪い神だから食べられないそう、アイヌの教えだ
辺見和雄の事を言ってるんだろうけど、正直どのタイミングで死んだのかわからない
「アシリパさん、辺見和雄に致命傷を負わせたのは俺だ…俺が殺した」
杉元さんがそう断言した
だからそのシャチは…と続けて言おうとしていたところ「そうだな」とすかさず食べ始めたアシリパちゃん
やっぱり食べたいよね
食べながらウェンカムイは人を殺して食べた"ヒグマ"をそう呼んで討ち取るために呼んでる
ヒグマ以外はウェンカムイと言わないんだ多分
なんて都合いいように解釈した
そこまで食べたかったのか
「うんうん、いっぱい食べようねアシリパちゃん」
「さっきの子持ち昆布も揚げちまうか!」
「え…それ本当に食べれるの……?」
あっというまに串揚げが出来上がり
みんなパクパク食べてた
杉元さんが猫舌でちょっと笑っちゃったけど
「名前〜ヒンナだぞ?食べないのか?」
「外はサクサク中はプチプチで塩味もあって美味しいよぉ〜?」
ほれほれ、とアシリパちゃんと杉元さんに挟まれ串揚げをあーんしてくる
「えぇ〜…?見た目が、さ……ねっ…」
苦笑いして乗り切ろうと思ったら「仕方ない…」と肩を落とすアシリパちゃん
「騙されたと思って目を瞑れ?」
「うっ…」
そうだ、見なければいいんだ!
ぎゅっと手も使って両目を塞げば「今だ杉元っ」という掛け声と共に口の中に暖かいサクサクした物が入る
ちゃんと冷ましてくれてる、優しい…!
「…どうだ?」
「うっま」
「なんで脳みそとかは躊躇なく行くくせにこの見た目が無理なんだ…?」
「名前ちゃんてほんと変わってるね〜」