長編
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「どこに隠れてるのかな〜?」
クローゼットの中で泣きわめく妹の口を押さえて物音を立てないようじっとしていた
母はピクリとも動かない
目の前で生命の消える瞬間を目にした時
人は簡単に死ぬんだということを知った
「この部屋にはいないのかなー?」
母の血がべっとりと付いた刃物を片手にうろうろ部屋を歩き回り、クローゼットから離れていくのが見えた
あいつが行ったら静かに出て、すぐそこの窓から出よう
ここは二階だけど、抱えて飛び降りればこの子だけは無傷で逃げれるはず
大丈夫、お姉ちゃんが絶対なんとかする
小さく深呼吸してあいつの行方を伺った
カタ…
「み ー つ け た」
「っ___!!」
視界いっぱいに広がるのはあの男の顔ではなく緑の屋根だった
周りには眠っている三人がいる、ひとりじゃない
「、っはー……」
いつの間に寝たんだろうか
白石さんの話の途中から記憶がない
「う"っ」
急に吐き気を催し、三人を起こさないよう外に出る
「ぅ"、オ"エ"ェ」
鹿の生命を貰ったというのに戻してしまい、申し訳なくて涙があふれた
これ以上吐き出さないように我慢しようとせり上がる中身を飲み込もうとした時だった
「無理せず吐けよ、誰も怒らない」
「!ぅっ、杉元ざっ…」
いつの間にか後ろにいた杉元さん
私の吐き気が収まるまでずっと背中を摩ってくれていた
「ごめんなさい…起こした上にこんなことまで…」
やっと吐き気が収まって幾分か気分も落ち着いた
それまで黙ってずっと居てくれた杉元さんには頭が上がらない
「なんとなく目が覚めたら気分悪そうに外に出てくのが見えたからさ、名前のせいじゃない」
昨日と立場が逆だな、と小さく笑う杉元さんの様子に
安心して私も笑った
「悪い夢でも見た?」
「そう……悪い夢、もう何度も同じ夢を見ててね_」
__だから普段からなるべく寝ないようにしてた
夢を見るのが怖くて眠れないなんて、私もいい歳なのに笑っちゃうよね
なんて軽口を叩きながら、戻ろうかと歩き出す
「また夢を見た時は次も介抱してやるよ、お前は静かに魘されるから助けてはやれねーけど」
「目が覚めた時誰かが居るだけで十分すぎるくらいなのに…そう言ってくれると心強いや……
ありがとう、杉元さん」
二人が眠る小屋に戻って杉元さんは横になり、私はいつも通り座り込んだ
「明日に備えて早く休もう、おやすみ」
「おやすみなさい…」
"寝よう"ではなく"休もう"と言った杉元さんはきっと昨日から私が眠らない事になんとなく気づいてたんだろうな
さり気ない思いやりが素直に嬉しかった
クローゼットの中で泣きわめく妹の口を押さえて物音を立てないようじっとしていた
母はピクリとも動かない
目の前で生命の消える瞬間を目にした時
人は簡単に死ぬんだということを知った
「この部屋にはいないのかなー?」
母の血がべっとりと付いた刃物を片手にうろうろ部屋を歩き回り、クローゼットから離れていくのが見えた
あいつが行ったら静かに出て、すぐそこの窓から出よう
ここは二階だけど、抱えて飛び降りればこの子だけは無傷で逃げれるはず
大丈夫、お姉ちゃんが絶対なんとかする
小さく深呼吸してあいつの行方を伺った
カタ…
「み ー つ け た」
「っ___!!」
視界いっぱいに広がるのはあの男の顔ではなく緑の屋根だった
周りには眠っている三人がいる、ひとりじゃない
「、っはー……」
いつの間に寝たんだろうか
白石さんの話の途中から記憶がない
「う"っ」
急に吐き気を催し、三人を起こさないよう外に出る
「ぅ"、オ"エ"ェ」
鹿の生命を貰ったというのに戻してしまい、申し訳なくて涙があふれた
これ以上吐き出さないように我慢しようとせり上がる中身を飲み込もうとした時だった
「無理せず吐けよ、誰も怒らない」
「!ぅっ、杉元ざっ…」
いつの間にか後ろにいた杉元さん
私の吐き気が収まるまでずっと背中を摩ってくれていた
「ごめんなさい…起こした上にこんなことまで…」
やっと吐き気が収まって幾分か気分も落ち着いた
それまで黙ってずっと居てくれた杉元さんには頭が上がらない
「なんとなく目が覚めたら気分悪そうに外に出てくのが見えたからさ、名前のせいじゃない」
昨日と立場が逆だな、と小さく笑う杉元さんの様子に
安心して私も笑った
「悪い夢でも見た?」
「そう……悪い夢、もう何度も同じ夢を見ててね_」
__だから普段からなるべく寝ないようにしてた
夢を見るのが怖くて眠れないなんて、私もいい歳なのに笑っちゃうよね
なんて軽口を叩きながら、戻ろうかと歩き出す
「また夢を見た時は次も介抱してやるよ、お前は静かに魘されるから助けてはやれねーけど」
「目が覚めた時誰かが居るだけで十分すぎるくらいなのに…そう言ってくれると心強いや……
ありがとう、杉元さん」
二人が眠る小屋に戻って杉元さんは横になり、私はいつも通り座り込んだ
「明日に備えて早く休もう、おやすみ」
「おやすみなさい…」
"寝よう"ではなく"休もう"と言った杉元さんはきっと昨日から私が眠らない事になんとなく気づいてたんだろうな
さり気ない思いやりが素直に嬉しかった