宴が始まりはや数分

いつの間にか先に飲んでいたアシリパちゃんは酒癖が悪く
白石さんが怒鳴られてたから肉を叩きながらずっとチタタプと言っていた



皆酒を飲んで酔いが回った頃


白石さんは無意味にビンタされたり杉元さんは叫んだりアシリパちゃんはチタタプの美味しさに屋根を突き破ったり

笑いっぱなしの私の口に「ほら名前ちゃんも食いな〜」と、チタタプが突っ込まれる


「あっはっは！んむっ、んっふっふふっ！んふふ」

「もぐもぐしながら笑ってるぅ〜」

「のど詰まるよ〜？大丈夫〜？」


お酒は初めて飲んだが体がポカポカするし、みんなの様子が面白くてずっと笑いが耐えなくて楽しかった



「ああ、そうそう！街である情報をつかんだんだ」














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「その二瓶ってのはどんなやつだ？」


白石の掴んだ入れ墨の囚人の情報は二瓶鉄造という腕の立つ猟師だった
茶色のアイヌ犬を連れて18年式の単発銃を持っている白髪交じりの初老の男らしい

そいつは…！


「昼間見た男かも…！！兵士の装備した男の連れだ！」


ただの猟師じゃなかったか
思わぬ手がかりに近くにいるかもしれないということがわかり緊張感が増す


それともうひとつ…、と続ける白石


「「もし白い狼の毛皮が手に入ったらいくらで買う？」…と毛皮商に聞いてたらしい」



白い狼、とはきっとレタラの事だろう



「何でそれを早く言わない！」

「そうだぞ白石、てめーは「フプチャの刑」だ！噛めオラ！！」

「ええ？屋根じゃんそれ…」



あまりの苦さに悶絶する白石を横目に、今日はしっかり休んで朝を待とうと提案する

トン、と横腹に体重がかかり目を向ければ真っ赤な顔で寝息をたてる名前が目に入った



「そういえば途中から静かだったなこいつ、あんなに笑ってたのに」

「ｵｪｯ…話がつまんなくなって寝ちゃったのかな…」



俺らも寝ようぜ、とゴロンと横になる白石に続き、起こさないよう名前に上着をかけてそれぞれ眠りに着いた