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まにときり

いつのころからだったか、まにときりはとてもしずかなくらしをしていました。

それまではあんなにうるさかったのに、どうしてこんなにしずかになってしまったのでしょう。

大きくきこえるのはきりのおなかのおとだけです。

きりはなんとかして、このおとをとめようとしましたが、ほねとかわだけになってしまったきりには、どうすることもできませんでした。



ちかごろずっとよこになっているきりをしんぱいして、まにがいいました。

「きりちゃん、ぼくをたべてよ」

きりはぜったいに「うん」とはいいませんでした。

まにはあさ一ばんのときつげをするりっぱなおんどりにならなくてはなりません。

きえてしまうわけにはいかないのです。

まにがぴーぴーとかおのまえでさわぐたびに、あまいくりーむのにおいがしました。

おもわずきりはしたをのばしてなめそうになりましたが、ひっしにがまんしていました。





ぼーっとなるあたまで、きりはかんがえました。

どうしていままでおなかがすかなかったんだろう。


おなかがすいたとき、きりはははおやねこのはらの下にもぐりこみ、おっぱいをすっていました。

ははおやねこはニンゲンからもらったえさをたべていて、

「大きくなったら、おまえたちもこれをたべるのよ」

と、おしえてくれました。



そういえば、おかあさんやほかのきょうだいはどこにいったんだろう。

ふとあたりを見まわすと、二ひきの大きいニンゲンも、二ひきの小さいニンゲンもいません。

きょうだいねこと上までのぼるきょうそうをしたてーぶるも、じゃんぷしすぎてしかられたそふぁもありません。

がらんとして、おそろしいほどしんとしていました。


きりはまにをたすけてから、大すきなまにといっしょにいたくて、ねるときもははねこやきょうだいたちとはなれてねていました。

ずっとずっとまにのそばにいられることが、うれしくてうれしくてしかたなかったのです。








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