雪降る聖なる日
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
12月24日…クリスマスイブ。
予定外の残業で外に出た頃は空は真っ暗だった。
「…寒いな」
「そうですね」
「まぁ、クリスマスでなかっただけでもよかったな」
「クリスマスに残業、後で笑い話にはなりそうですが…」
「笑い話を私は求めていないんだが」
「それは失礼しました」
相変わらずの天然な中尉である。
(クリスマスの残業から何故、笑い話になるんだ?
私もヒューズ曰く、ズレているらしいが…
中尉はそれ以上かもしれんな)
大佐の場合、主にズレているのは金銭感覚だが。
「月も星も出ていないですね。
まるで暗闇を歩いているみたいです」
「今日は曇りだからな」
中尉と同じく、大佐も空を見上げる。
「あ‥‥」
「…寒いはずだったな」
空から雪が降って来た。
「明日はホワイトクリスマスかな」
「そうなれば、ロマンチックですね」
どちらともなく、自然と隣を並んで歩いて手を繋いだ。
クリスマスイブに舞い降る雪の夜、手のぬくもりを感じながら歩く。
会話がなくても居心地悪さは感じない。
無言でも伝わる想いがある。
「送ってもらってすみません…」
「構わないよ。
風邪ひかないようにな」
名残惜しそうに、大佐は手を離す。
離す際に中尉の手にキスし、中尉は頬を赤らめた。
「いきなり、何をするんですか!!」
「クリスマスなんだし、いいじゃないか」
「えっ?」
「もうクリスマス。
ホワイトクリスマスになったな」
大佐がポケットから銀時計を取り出す。
時間で日付が変わっていることに気づく。
「メリークリスマス、リザ‥‥」
「えっ!!?」
「クリスマスプレゼント」
大佐から手渡されたプレゼントを驚きながら受け取る。
「…ありがとうございます。
今渡されるとは思ってみませんでした。
開けてもいいですか?」
「どうぞ」
「これ‥‥」
プレゼントは指輪で宝石はついてないが、それは中尉の性格を考えてたのだろう。
中尉は派手なデザインよりシンプルなデザインを好む傾向がある。
仕事のことも考えて指輪を通すチェーンまで付いていた。
「嬉しい、です。
ありがとう、ロイ…っ」
素直に大佐の気持ちが嬉しかった。
中尉は泣きそうな顔で笑い、大佐に抱きついた。
「よかった、受け取ってもらえて。
色々と悩んだんだ」
「…受け取らないはずないです」
恥ずかしそうにポツリと中尉が呟く。
「私、クリスマスプレゼントは…」
「今はこれで構わないよ」
「ん…っ」
顔を上げると大佐からキスをされた。
そっと目を閉じ、自然と大佐の首に中尉は腕を回してキスを交わしていた。
雪と共に降って来た甘いキス…。
指輪はキラリと光り輝いていた‥‥。
メリークリスマス。
-END-
予定外の残業で外に出た頃は空は真っ暗だった。
「…寒いな」
「そうですね」
「まぁ、クリスマスでなかっただけでもよかったな」
「クリスマスに残業、後で笑い話にはなりそうですが…」
「笑い話を私は求めていないんだが」
「それは失礼しました」
相変わらずの天然な中尉である。
(クリスマスの残業から何故、笑い話になるんだ?
私もヒューズ曰く、ズレているらしいが…
中尉はそれ以上かもしれんな)
大佐の場合、主にズレているのは金銭感覚だが。
「月も星も出ていないですね。
まるで暗闇を歩いているみたいです」
「今日は曇りだからな」
中尉と同じく、大佐も空を見上げる。
「あ‥‥」
「…寒いはずだったな」
空から雪が降って来た。
「明日はホワイトクリスマスかな」
「そうなれば、ロマンチックですね」
どちらともなく、自然と隣を並んで歩いて手を繋いだ。
クリスマスイブに舞い降る雪の夜、手のぬくもりを感じながら歩く。
会話がなくても居心地悪さは感じない。
無言でも伝わる想いがある。
「送ってもらってすみません…」
「構わないよ。
風邪ひかないようにな」
名残惜しそうに、大佐は手を離す。
離す際に中尉の手にキスし、中尉は頬を赤らめた。
「いきなり、何をするんですか!!」
「クリスマスなんだし、いいじゃないか」
「えっ?」
「もうクリスマス。
ホワイトクリスマスになったな」
大佐がポケットから銀時計を取り出す。
時間で日付が変わっていることに気づく。
「メリークリスマス、リザ‥‥」
「えっ!!?」
「クリスマスプレゼント」
大佐から手渡されたプレゼントを驚きながら受け取る。
「…ありがとうございます。
今渡されるとは思ってみませんでした。
開けてもいいですか?」
「どうぞ」
「これ‥‥」
プレゼントは指輪で宝石はついてないが、それは中尉の性格を考えてたのだろう。
中尉は派手なデザインよりシンプルなデザインを好む傾向がある。
仕事のことも考えて指輪を通すチェーンまで付いていた。
「嬉しい、です。
ありがとう、ロイ…っ」
素直に大佐の気持ちが嬉しかった。
中尉は泣きそうな顔で笑い、大佐に抱きついた。
「よかった、受け取ってもらえて。
色々と悩んだんだ」
「…受け取らないはずないです」
恥ずかしそうにポツリと中尉が呟く。
「私、クリスマスプレゼントは…」
「今はこれで構わないよ」
「ん…っ」
顔を上げると大佐からキスをされた。
そっと目を閉じ、自然と大佐の首に中尉は腕を回してキスを交わしていた。
雪と共に降って来た甘いキス…。
指輪はキラリと光り輝いていた‥‥。
メリークリスマス。
-END-