特別の指輪
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大佐は中尉を見つめる。
「君に似合う指輪がなかったから。
君は華やかな指輪を嫌うし。
シンプルなデザインで君の誕生石と私の誕生石の宝石を埋めてもらったんだ」
割れてしまった指輪を見せた。
「‥‥綺麗」
「気に入ってもらえたなら作った甲斐はあるな」
「…ロイ」
「ずっと私の側にいてくれないか?
私にも君を守らせて欲しい。
君の身体も心も、私が守りたい。
愛してるよ、リザ。
結婚しよう」
「私なんかで、いいの?」
「リザじゃないとダメなんだ。
リザ以外は望まないよ」
瞳から涙が溢れ、抱きついた。
ポンポンと優しく背中を叩く。
やっと少し落ち着きを取り戻すとリザは離れた。
「バカっ…バカ!
こんな無茶したら、意味ないじゃない!!」
「‥‥リザ?」
ロイの胸を叩きながらリザは泣いていた。
「…私を守って傷ついたら意味ないわ」
「それは私も同じだよ」
「あ‥‥」
リザは初めてロイがこんな思いをしているのかと気づいた。
(だから、私が庇う度にロイは…)
庇う度に切なそうな傷ついた顔をしていたロイを思い出す。
「ごめんなさい、ロイ。
これからは…自分の身体も大切にするわ」
「まぁ、期待はしないよ。
大丈夫、私がリザの分も大切にするから」
「何ですか、それは。
…受け取ってもいいですか?」
「もちろん」
顔を見合わせて幸せそうに微笑む。
「愛してるよ、リザ。
幸せにするから」
「はい…」
そっとキスを交わした。
「一度で受け入れてもらえるとは思わなかったよ」
「…私もです」
「何だよ、それは」
可笑しそうにロイが笑う。
拍手が聞こえ、顔を上げた。
「よかったですね、大佐」
「さすが、大佐!
やりますね~」
「おめでとうございます!
大佐、中尉」
いつの間にか物陰に部下達が集まっていた。
からかいながらも、きちんと祝福してくれた。
照れながらも幸せそうに笑う。
「そんな幸せそうに笑っちゃって…」
「あんな顔されたら、からかうことは出来ないな」
「もうっ!
ハボック少尉もブレダ少尉も、素直に祝福しましょうよ」
フュリーの宥める声に苦笑いを溢す。
銃弾が当たらなかったとはいえ、怪我しているといけないので念の為に診てもらう。
「‥‥暇だ」
「それなら仕事を持って来ましょうか?」
「おやすみなさい」
リザの言葉に大佐は布団に潜り込んだ。
怪我で1週間の入院となったのだ。
あの状態で無傷とはいかなかったのだろうが、銃弾が当たらなかったのも奇跡だ。
大佐のサインが必要以外の書類は中尉達が代わりにしてくれているようだ。
「クスクスッ…冗談ですよ。
今日は書類ありませんから、ゆっくり休んでください」
「ゆっくりと言ってもね…
ここではちょっと。
枕も固すぎて寝づらいんだよ、意外と」
ロイは苦笑いを浮かべ、甘えるようにリザの手を握った。
「ちょ…ッ」
「勤務中じゃないのだから、いいのだろう?」
勝ち誇った顔をしているロイにリザがため息をつく。
「‥‥もう。
仕方ない人ですね」
そう言いながらもリザは少し嬉しそうに微笑み、ベットに腰掛けた。
ロイを膝枕し、優しく頭をなでる。
リザの空いてる手を握り、病室には甘い雰囲気が漂っていた。
リザの薬指にはキラリと光る指輪。
あの時に壊れてしまった指輪が光り輝いていた。
病室を抜け出して指輪を修理してもらったのだが、もちろん医者には怒られた。
リザはあの日のことを思い出していた。
「リザっ!!」
名前を呼ばれたのを同時に微かに香る匂い。
間違えるはずもない、ロイの香水。
目の前に飛び出して来たロイ、目を開けた時に見えた必死な横顔が不本意ながらリザはカッコイイと思ってしまった。
(こんなこと、思ってはいけないのに…。
この人は怒らない。
むしろ、喜ぶだろう。
本気で怒ることなんて滅多にしない人だから。
私の意思なんて簡単に変えてしまうのよ。
錬金術も出来て、本当は頭脳明晰なのにそれを隠してる切れ者だもの。
でも、今ならそれでもいいと思ってしまう。
…私も重症ね)
それでも、やっぱり悪くないと思ってしまった。
「…どうした?」
「えっ?」
「嬉しそうだから」
ロイに指摘され、リザは頬を赤らめる。
「あ、いえ…、不本意ながら入院のおかげでこうして2人でゆっくり出来るなぁっと。
こんなこと、いけませんね」
「そうか?
私は嬉しいが。
私も同じ気持ちだよ」
膝枕のまま、ロイはリザの腕をひいて抱き寄せる。
「君に似合う指輪がなかったから。
君は華やかな指輪を嫌うし。
シンプルなデザインで君の誕生石と私の誕生石の宝石を埋めてもらったんだ」
割れてしまった指輪を見せた。
「‥‥綺麗」
「気に入ってもらえたなら作った甲斐はあるな」
「…ロイ」
「ずっと私の側にいてくれないか?
私にも君を守らせて欲しい。
君の身体も心も、私が守りたい。
愛してるよ、リザ。
結婚しよう」
「私なんかで、いいの?」
「リザじゃないとダメなんだ。
リザ以外は望まないよ」
瞳から涙が溢れ、抱きついた。
ポンポンと優しく背中を叩く。
やっと少し落ち着きを取り戻すとリザは離れた。
「バカっ…バカ!
こんな無茶したら、意味ないじゃない!!」
「‥‥リザ?」
ロイの胸を叩きながらリザは泣いていた。
「…私を守って傷ついたら意味ないわ」
「それは私も同じだよ」
「あ‥‥」
リザは初めてロイがこんな思いをしているのかと気づいた。
(だから、私が庇う度にロイは…)
庇う度に切なそうな傷ついた顔をしていたロイを思い出す。
「ごめんなさい、ロイ。
これからは…自分の身体も大切にするわ」
「まぁ、期待はしないよ。
大丈夫、私がリザの分も大切にするから」
「何ですか、それは。
…受け取ってもいいですか?」
「もちろん」
顔を見合わせて幸せそうに微笑む。
「愛してるよ、リザ。
幸せにするから」
「はい…」
そっとキスを交わした。
「一度で受け入れてもらえるとは思わなかったよ」
「…私もです」
「何だよ、それは」
可笑しそうにロイが笑う。
拍手が聞こえ、顔を上げた。
「よかったですね、大佐」
「さすが、大佐!
やりますね~」
「おめでとうございます!
大佐、中尉」
いつの間にか物陰に部下達が集まっていた。
からかいながらも、きちんと祝福してくれた。
照れながらも幸せそうに笑う。
「そんな幸せそうに笑っちゃって…」
「あんな顔されたら、からかうことは出来ないな」
「もうっ!
ハボック少尉もブレダ少尉も、素直に祝福しましょうよ」
フュリーの宥める声に苦笑いを溢す。
銃弾が当たらなかったとはいえ、怪我しているといけないので念の為に診てもらう。
「‥‥暇だ」
「それなら仕事を持って来ましょうか?」
「おやすみなさい」
リザの言葉に大佐は布団に潜り込んだ。
怪我で1週間の入院となったのだ。
あの状態で無傷とはいかなかったのだろうが、銃弾が当たらなかったのも奇跡だ。
大佐のサインが必要以外の書類は中尉達が代わりにしてくれているようだ。
「クスクスッ…冗談ですよ。
今日は書類ありませんから、ゆっくり休んでください」
「ゆっくりと言ってもね…
ここではちょっと。
枕も固すぎて寝づらいんだよ、意外と」
ロイは苦笑いを浮かべ、甘えるようにリザの手を握った。
「ちょ…ッ」
「勤務中じゃないのだから、いいのだろう?」
勝ち誇った顔をしているロイにリザがため息をつく。
「‥‥もう。
仕方ない人ですね」
そう言いながらもリザは少し嬉しそうに微笑み、ベットに腰掛けた。
ロイを膝枕し、優しく頭をなでる。
リザの空いてる手を握り、病室には甘い雰囲気が漂っていた。
リザの薬指にはキラリと光る指輪。
あの時に壊れてしまった指輪が光り輝いていた。
病室を抜け出して指輪を修理してもらったのだが、もちろん医者には怒られた。
リザはあの日のことを思い出していた。
「リザっ!!」
名前を呼ばれたのを同時に微かに香る匂い。
間違えるはずもない、ロイの香水。
目の前に飛び出して来たロイ、目を開けた時に見えた必死な横顔が不本意ながらリザはカッコイイと思ってしまった。
(こんなこと、思ってはいけないのに…。
この人は怒らない。
むしろ、喜ぶだろう。
本気で怒ることなんて滅多にしない人だから。
私の意思なんて簡単に変えてしまうのよ。
錬金術も出来て、本当は頭脳明晰なのにそれを隠してる切れ者だもの。
でも、今ならそれでもいいと思ってしまう。
…私も重症ね)
それでも、やっぱり悪くないと思ってしまった。
「…どうした?」
「えっ?」
「嬉しそうだから」
ロイに指摘され、リザは頬を赤らめる。
「あ、いえ…、不本意ながら入院のおかげでこうして2人でゆっくり出来るなぁっと。
こんなこと、いけませんね」
「そうか?
私は嬉しいが。
私も同じ気持ちだよ」
膝枕のまま、ロイはリザの腕をひいて抱き寄せる。