特別の指輪
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いつからだろう、君が名前で呼ぶようになったのは。
“マスタングさん”と呼ばれていた修行時代、プライベートでも階級名で呼ばれていた日々。
「ロイ、どうかしましたか?」
「‥‥いや」
ポケットに忍ばせてある指輪を触れた。
(…君のことだから1度では断るかもしれんな。
まぁ、私は諦めるつもりはないけれど)
微かに口元を緩め、ロイは恋人でもある副官のリザを見つめた。
翌朝、決意と共に“特別な指輪”をリザにバレないようにそっと軍服に忍ばせた。
(焦ることはない。
タイミングも大事だからな。
とはいえ、いつ言うべきか。
どんな言葉…
やっぱり…リザだから自然な言葉が一番だな。
今更、気取る必要もない。
何よりもリザが嫌がるからな)
ロイはリザをチラリと見た。
「何です?
先程から何か考えていたようですが…」
「あぁ、ちょっとな」
含み笑いを浮かべるロイにリザは首を傾げたが、それ以上は聞こうとはしなかった。
聞いても誤魔化されるのは分かっているから。
プライベートでは名前で呼び合い、既にグラマン将軍も公認の仲だ。
むしろ、付き合う為に口説いて来るロイに協力的だった。
交際するようになってからは婿になって欲しいとグラマン将軍がロイを口説いていた。
(…リザよりもグラマン将軍の喜ぶ顔が安易に想像できるのはいかがなものかι)
思わず、苦笑いを浮かべた。
出勤すると慌ただしく、何かあったのは明白だった。
「どうした!
何があった!!?」
「大佐っ!」
「過激派と思われる者達が町で暴れている模様です」
「近辺の住民は避難させました」
「今のところは軽傷者2名」
「…住民か?」
「いえ、軍人です」
「それならいい。
ブレダ、ここは任せる。
何かあれば知らせてくれ」
「分かりました」
「中尉、現場に向かうぞ」
「はっ!」
中尉と共に現場に向かう。
現場にはハボックの隊がいて、大佐に気づいて駆け寄って来た。
「犯人は?」
「過激派とは違うようです」
「…なに?」
「指名手配されていた殺人犯です」
「‥‥油断するな」
「はい」
建物内にいるので、ここからはよく見えない。
「犯人は1人か?」
「仲間と思われる者が確認できるのは3名。
ここからではよく見えないので…」
「廃墟なら燃やしてしまえばいいんだが、そうもいかんな」
「なにを言っているんですか、あなたは」
呆れたように中尉が大佐を見る。
「ハボック、おまえの隊は…」
爆発音が聞こえ、建物に視線を移す。
「なんだ?
今のは…」
「警告、でしょうか?」
「分からんが、油断だけはするな。
素人だが、相手は殺人犯だ。
何をするか分からんからな」
「はい」
「…中尉。
狙えるか?」
「やってみます」
「犯人確保するから生かせておけよ?」
「はい」
中尉が大佐の元から離れる。
鷹の眼が光り、犯人達に命中する。
殺人犯と思われる倒れてる男性に中尉が近づく。
視界が悪く、中尉は瞬時の判断が出来なかった。
中尉よりも先に大佐が気づき、思考より身体が先に動いていた。
足を負傷している殺人犯の手には隠されていた銃が握られており、その銃口が微かに光ったことで大佐が気づいたのだ。
遅れること数秒、中尉が気づいた。
(ダメっ…間に合わない!!)
痛みを覚悟して目を瞑ったが、痛みはなかった。
銃声と共に聞こえる呻き声。
「ぐ…ッ」
「大佐!?
どうして…っ」
倒れそうになった大佐の身体を支えた。
座り込み、心配そうに大佐を見つめる。
ハボックが殺人犯を床に押しつけ、確保した。
中尉を庇い、大佐の胸に銃弾が撃たれた。
「大佐っ!
しっかりしてください!!
何で…どうして…私なんかを庇うなんてバカです!!」
「‥‥バカとは酷いな。
愛する人が目の前で撃たれそうになっているのを黙ってみていられるものか」
大佐は起き上がって中尉の頬に触れた。
「大佐、起き上がっては…」
「大丈夫、銃弾は当たってないから」
「えっ?」
「は…?」
思わず、側にいたハボックも勢いよく振り返って大佐を見る。
起き上がると胸ポケットから指輪のケースを取り出す。
銃弾が指輪のケースに埋まっていた。
「指輪、壊れてしまったよ…」
「‥‥指輪?」
「君に渡そうと思っていたんだ。
こんなとこで言う予定じゃなかったんだけどなぁ。
やっと君に似合う指輪が出来上がったというのに。
仕方ない、また特注で頼むか」
「特注!!?」
ハボックは大佐と中尉を見て犯人達を連れて隊の撤退を命じる。
そっと自分もその場から離れた。
“マスタングさん”と呼ばれていた修行時代、プライベートでも階級名で呼ばれていた日々。
「ロイ、どうかしましたか?」
「‥‥いや」
ポケットに忍ばせてある指輪を触れた。
(…君のことだから1度では断るかもしれんな。
まぁ、私は諦めるつもりはないけれど)
微かに口元を緩め、ロイは恋人でもある副官のリザを見つめた。
翌朝、決意と共に“特別な指輪”をリザにバレないようにそっと軍服に忍ばせた。
(焦ることはない。
タイミングも大事だからな。
とはいえ、いつ言うべきか。
どんな言葉…
やっぱり…リザだから自然な言葉が一番だな。
今更、気取る必要もない。
何よりもリザが嫌がるからな)
ロイはリザをチラリと見た。
「何です?
先程から何か考えていたようですが…」
「あぁ、ちょっとな」
含み笑いを浮かべるロイにリザは首を傾げたが、それ以上は聞こうとはしなかった。
聞いても誤魔化されるのは分かっているから。
プライベートでは名前で呼び合い、既にグラマン将軍も公認の仲だ。
むしろ、付き合う為に口説いて来るロイに協力的だった。
交際するようになってからは婿になって欲しいとグラマン将軍がロイを口説いていた。
(…リザよりもグラマン将軍の喜ぶ顔が安易に想像できるのはいかがなものかι)
思わず、苦笑いを浮かべた。
出勤すると慌ただしく、何かあったのは明白だった。
「どうした!
何があった!!?」
「大佐っ!」
「過激派と思われる者達が町で暴れている模様です」
「近辺の住民は避難させました」
「今のところは軽傷者2名」
「…住民か?」
「いえ、軍人です」
「それならいい。
ブレダ、ここは任せる。
何かあれば知らせてくれ」
「分かりました」
「中尉、現場に向かうぞ」
「はっ!」
中尉と共に現場に向かう。
現場にはハボックの隊がいて、大佐に気づいて駆け寄って来た。
「犯人は?」
「過激派とは違うようです」
「…なに?」
「指名手配されていた殺人犯です」
「‥‥油断するな」
「はい」
建物内にいるので、ここからはよく見えない。
「犯人は1人か?」
「仲間と思われる者が確認できるのは3名。
ここからではよく見えないので…」
「廃墟なら燃やしてしまえばいいんだが、そうもいかんな」
「なにを言っているんですか、あなたは」
呆れたように中尉が大佐を見る。
「ハボック、おまえの隊は…」
爆発音が聞こえ、建物に視線を移す。
「なんだ?
今のは…」
「警告、でしょうか?」
「分からんが、油断だけはするな。
素人だが、相手は殺人犯だ。
何をするか分からんからな」
「はい」
「…中尉。
狙えるか?」
「やってみます」
「犯人確保するから生かせておけよ?」
「はい」
中尉が大佐の元から離れる。
鷹の眼が光り、犯人達に命中する。
殺人犯と思われる倒れてる男性に中尉が近づく。
視界が悪く、中尉は瞬時の判断が出来なかった。
中尉よりも先に大佐が気づき、思考より身体が先に動いていた。
足を負傷している殺人犯の手には隠されていた銃が握られており、その銃口が微かに光ったことで大佐が気づいたのだ。
遅れること数秒、中尉が気づいた。
(ダメっ…間に合わない!!)
痛みを覚悟して目を瞑ったが、痛みはなかった。
銃声と共に聞こえる呻き声。
「ぐ…ッ」
「大佐!?
どうして…っ」
倒れそうになった大佐の身体を支えた。
座り込み、心配そうに大佐を見つめる。
ハボックが殺人犯を床に押しつけ、確保した。
中尉を庇い、大佐の胸に銃弾が撃たれた。
「大佐っ!
しっかりしてください!!
何で…どうして…私なんかを庇うなんてバカです!!」
「‥‥バカとは酷いな。
愛する人が目の前で撃たれそうになっているのを黙ってみていられるものか」
大佐は起き上がって中尉の頬に触れた。
「大佐、起き上がっては…」
「大丈夫、銃弾は当たってないから」
「えっ?」
「は…?」
思わず、側にいたハボックも勢いよく振り返って大佐を見る。
起き上がると胸ポケットから指輪のケースを取り出す。
銃弾が指輪のケースに埋まっていた。
「指輪、壊れてしまったよ…」
「‥‥指輪?」
「君に渡そうと思っていたんだ。
こんなとこで言う予定じゃなかったんだけどなぁ。
やっと君に似合う指輪が出来上がったというのに。
仕方ない、また特注で頼むか」
「特注!!?」
ハボックは大佐と中尉を見て犯人達を連れて隊の撤退を命じる。
そっと自分もその場から離れた。