祝福の日常
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
いつからなのだろうか、君が側にいることが当たり前になったのは。
いつからなのだろうか、君のぬくもりに安心を覚えるようになったのは。
言い出したらキリがないけれど、孤独から救い出してくれたのは確かな真実…。
こういうのを幸せと呼ぶのかな‥‥。
「………。」
ぼんやりとした頭でふと消えたぬくもりに寂しくなる。
微かに香るコーヒーの匂いが朝を知らせてくれる。
「ロイ、起きてください。
遅刻しますよ」
「ん…」
起き上がると彼女からマグカップを手渡される。
彼女と色違いのお揃いのマグカップ。
指輪などは仕事柄、付けられないのでお揃いの何かが欲しくて彼女が恥ずかしがらないものがマグカップだった。
「君の淹れるコーヒーはうまいね、リザ」
「普通のコーヒーですよ」
「君は分かってないね」
不思議そうにリザが首を傾げる。
「“君が”淹れるコーヒーだから意味があるんだ。
ご馳走様」
耳元で囁き、唇に触れるだけのキスを交わす。
頬を赤らめるリザの横を通り、ロイは洗面所に向かう。
朝のちょっとした悪戯でリザの可愛らしい様子に満足。
(結婚が出来なくても君が側に居れば私は幸せだよ。
もちろん、大総統になったら私の“隣”に座ってもらうけどね)
密かにプロポーズはしていて、あとは大総統の地位が揃えば成立する。
ほとんど半同棲なので婚約していると言ってもいい程だ。
(‥‥実は既に指輪は買ってあるんだよね。
大総統を蹴落としてでもその地位を奪ってやろうじゃないか)
不敵な笑みを浮かべた。
リザにバレないように様々な錬金術の本がある研究室化している一室に置いてある。
その一室だけは危ないからとリザにも入らないように言ってあるのだ。
実際に錬金術の研究もしているので錬金術に詳しくない者が入るには危ないのも事実。
リザの急かす声が聞こえ、ロイは支度を済ませてリビングに向かった。
「冷めてしまいますよ、ロイ」
「すまなかった。
ちょっと考え事をしてたんだ」
「…大総統になってからですよ」
「分かってるさ。
まぁ、グラマン将軍には許可を貰ってるから問題はないんだけどね」
「いつの間に!!?」
「うん?
グラマン将軍に呼び出された時に」
「‥‥信じられない」
リザの様子にロイは微笑んで見ていた。
穏やかな朝の日常が幸福を感じる。
家族というものを知らなかったから今が何よりも幸せ。
「リザ、美味しいよ。
こんなに美味しい料理を毎日味わえて、私は幸せ者だな」
「大袈裟です」
そう言いながらもリザの口元は嬉しそうに緩んでいた。
朝の些細な日常は毎日の幸せの時間…。
愛しい人が側にいるのは何よりも幸福を感じる時間‥‥。
-END-
いつからなのだろうか、君のぬくもりに安心を覚えるようになったのは。
言い出したらキリがないけれど、孤独から救い出してくれたのは確かな真実…。
こういうのを幸せと呼ぶのかな‥‥。
「………。」
ぼんやりとした頭でふと消えたぬくもりに寂しくなる。
微かに香るコーヒーの匂いが朝を知らせてくれる。
「ロイ、起きてください。
遅刻しますよ」
「ん…」
起き上がると彼女からマグカップを手渡される。
彼女と色違いのお揃いのマグカップ。
指輪などは仕事柄、付けられないのでお揃いの何かが欲しくて彼女が恥ずかしがらないものがマグカップだった。
「君の淹れるコーヒーはうまいね、リザ」
「普通のコーヒーですよ」
「君は分かってないね」
不思議そうにリザが首を傾げる。
「“君が”淹れるコーヒーだから意味があるんだ。
ご馳走様」
耳元で囁き、唇に触れるだけのキスを交わす。
頬を赤らめるリザの横を通り、ロイは洗面所に向かう。
朝のちょっとした悪戯でリザの可愛らしい様子に満足。
(結婚が出来なくても君が側に居れば私は幸せだよ。
もちろん、大総統になったら私の“隣”に座ってもらうけどね)
密かにプロポーズはしていて、あとは大総統の地位が揃えば成立する。
ほとんど半同棲なので婚約していると言ってもいい程だ。
(‥‥実は既に指輪は買ってあるんだよね。
大総統を蹴落としてでもその地位を奪ってやろうじゃないか)
不敵な笑みを浮かべた。
リザにバレないように様々な錬金術の本がある研究室化している一室に置いてある。
その一室だけは危ないからとリザにも入らないように言ってあるのだ。
実際に錬金術の研究もしているので錬金術に詳しくない者が入るには危ないのも事実。
リザの急かす声が聞こえ、ロイは支度を済ませてリビングに向かった。
「冷めてしまいますよ、ロイ」
「すまなかった。
ちょっと考え事をしてたんだ」
「…大総統になってからですよ」
「分かってるさ。
まぁ、グラマン将軍には許可を貰ってるから問題はないんだけどね」
「いつの間に!!?」
「うん?
グラマン将軍に呼び出された時に」
「‥‥信じられない」
リザの様子にロイは微笑んで見ていた。
穏やかな朝の日常が幸福を感じる。
家族というものを知らなかったから今が何よりも幸せ。
「リザ、美味しいよ。
こんなに美味しい料理を毎日味わえて、私は幸せ者だな」
「大袈裟です」
そう言いながらもリザの口元は嬉しそうに緩んでいた。
朝の些細な日常は毎日の幸せの時間…。
愛しい人が側にいるのは何よりも幸福を感じる時間‥‥。
-END-