贈り物
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執務室―――…
エドはアルを連れて大佐に報告書を提出に来ていた。
淡々と説教されるのもまたいつものこと。
「どうせ、君のことだ。
弟が止めるのも聞かなかったのだろう?」
「う‥‥」
(はい、その通りです)
事実なだけにエドは言葉に詰まる。
一方的にエドが怒鳴るのもまた毎度のことである。
「大将も懲りないっスね」
「今度は何を?」
「…教会を半壊したらしいわι」
「それは大佐じゃなくても説教するよな」
「というか、半壊ってどうやったら出来んだよ」
「やっぱ、錬金術じゃねぇか?」
「…だろうな」
頷きながら同意し、2人の会話に耳を傾けていた。
「まったく…」
「すみません」
「あ、いや、アルフォンスくんが悪い訳では…」
エドには嫌味を言う大佐もアルには優しかったりする。
説教も終わり、今後について話していた。
「あぁ、次はそこに行ってみようかと思うんだ。
調べたいことがあるからしばらくはいるけどね」
「…そうか」
「あの、大佐‥‥」
「ん?」
会話が途切れたところでアルが大佐に声を掛ける。
いつも黙って話を聞いてるか、暴走したエドを止めるだけなので珍しい。
「これ‥‥プレゼントです。
あの、安物なんですけど…」
「プレゼント?
私に?」
「はい。
いつもお世話になってるし、プレゼントってしたことないからしてみたくて…」
「俺はやる必要ないって言ったのに聞かねぇんだよ。
まぁ、金出したのは俺だけどな!」
「………。」
アルから受け取り、大佐はきょとんとしていた。
「あの、迷惑…でしたか?」
「あ、いや‥‥
すまない。
突然だったから驚いただけだ。
開けてみても?」
「はい」
鎧で顔は見えないが、きっと不安そうな瞳をしていたことだろう。
綺麗な万年筆が入っていた。
「前に来た時に新しい万年筆が欲しいと言ってたので…」
「アルフォンスくん、ありがとう。
早速、使わせてもらうよ」
「俺には礼はねぇのかよ!」
「アルフォンスくんは気が利くね」
「無視かよ!?」
「…迷惑ではなかったですか?」
大佐は立ち上がり、コツンと優しくアルの頭を叩く。
「迷惑なら受け取ったりしないさ。
何故、私なんだ?」
「お父さんみたいな、親戚のお兄さんみたいな感じだから」
「…お兄さんにしといてくれ」
「はい」
「ヒューズは?」
「おじさんみたいな感じだからなんか違って…」
「ふははっ!
そうか、ありがとう」
楽しそうに大佐は笑った。
「君の身体が戻ったら好きなだけご馳走してあげよう。
今まで出来なかったことをしよう」
「はいっ!」
「鋼の世話は大変かと思うが…」
「人をペットみたいに言うなぁっ!」
毎回ながら大佐にからかわれるエド。
エルリック兄弟が執務室から出て行くと大佐は万年筆を手にして見つめた。
「…お父さんね。
私はまだ独身なんだが」
「複雑ですか?」
「多少は」
「そのわりには随分と嬉しそうじゃないっスか?」
「アルフォンスくんは誰かさんと違って素直で可愛いからな。
さてと、仕事をしようか」
「珍しいですね」
「折角貰ったんだ、使わないとな」
嬉しそうに大佐は笑い、中尉達も自然と笑みが溢れた。
「大佐、アルには甘いっスよね~」
「素直だから甘やかしたくなるのは分からなくないけど」
「…うるさい」
「いいじゃないですか。
その少しでもエドワードくんに分けてあげたらどうですか?」
「品切れだ」
「何ですか、それは…ι」
クスクスと楽しそうに笑い、執務室には穏やかな風が舞う。
あれから何年が経ったのだろうか。
あの時に貰った万年筆は未だに机の引き出しに大切そうに入っており、今も使われていた。
「やあ、待たせたか?」
「いえ‥‥
でも、忙しいのによかったんですか?」
「心配ない。
約束は約束だからな。
行こうか」
1人の男性の隣には少年の姿があった。
「そういえば、まだ言ってませんでした。
将軍に昇格したんですよね?
おめでとうございます」
「ありがとう。
君もおめでとう。
やっと元の姿に戻ったんだ。
うん、君は本当に母親似なんだね」
「…母を知りませんよね?」
「あぁ、前にロックベル嬢が写真を見せてくれたんだ」
「そうなんですか」
並んで歩くと親子に見えなくもない。
「大佐…じゃないんだっけ。
将軍が抜け出していいのかよ」
「あれ、聞いてないのか?」
「将軍はアルフォンスくんと出掛けたわ」
「はぁ?」
「約束をしていたからって」
「あのバカ将軍~!
というか、アルの野郎も俺に黙ってたのか!!」
エドの叫び声が執務室に響いた。
エドはアルを連れて大佐に報告書を提出に来ていた。
淡々と説教されるのもまたいつものこと。
「どうせ、君のことだ。
弟が止めるのも聞かなかったのだろう?」
「う‥‥」
(はい、その通りです)
事実なだけにエドは言葉に詰まる。
一方的にエドが怒鳴るのもまた毎度のことである。
「大将も懲りないっスね」
「今度は何を?」
「…教会を半壊したらしいわι」
「それは大佐じゃなくても説教するよな」
「というか、半壊ってどうやったら出来んだよ」
「やっぱ、錬金術じゃねぇか?」
「…だろうな」
頷きながら同意し、2人の会話に耳を傾けていた。
「まったく…」
「すみません」
「あ、いや、アルフォンスくんが悪い訳では…」
エドには嫌味を言う大佐もアルには優しかったりする。
説教も終わり、今後について話していた。
「あぁ、次はそこに行ってみようかと思うんだ。
調べたいことがあるからしばらくはいるけどね」
「…そうか」
「あの、大佐‥‥」
「ん?」
会話が途切れたところでアルが大佐に声を掛ける。
いつも黙って話を聞いてるか、暴走したエドを止めるだけなので珍しい。
「これ‥‥プレゼントです。
あの、安物なんですけど…」
「プレゼント?
私に?」
「はい。
いつもお世話になってるし、プレゼントってしたことないからしてみたくて…」
「俺はやる必要ないって言ったのに聞かねぇんだよ。
まぁ、金出したのは俺だけどな!」
「………。」
アルから受け取り、大佐はきょとんとしていた。
「あの、迷惑…でしたか?」
「あ、いや‥‥
すまない。
突然だったから驚いただけだ。
開けてみても?」
「はい」
鎧で顔は見えないが、きっと不安そうな瞳をしていたことだろう。
綺麗な万年筆が入っていた。
「前に来た時に新しい万年筆が欲しいと言ってたので…」
「アルフォンスくん、ありがとう。
早速、使わせてもらうよ」
「俺には礼はねぇのかよ!」
「アルフォンスくんは気が利くね」
「無視かよ!?」
「…迷惑ではなかったですか?」
大佐は立ち上がり、コツンと優しくアルの頭を叩く。
「迷惑なら受け取ったりしないさ。
何故、私なんだ?」
「お父さんみたいな、親戚のお兄さんみたいな感じだから」
「…お兄さんにしといてくれ」
「はい」
「ヒューズは?」
「おじさんみたいな感じだからなんか違って…」
「ふははっ!
そうか、ありがとう」
楽しそうに大佐は笑った。
「君の身体が戻ったら好きなだけご馳走してあげよう。
今まで出来なかったことをしよう」
「はいっ!」
「鋼の世話は大変かと思うが…」
「人をペットみたいに言うなぁっ!」
毎回ながら大佐にからかわれるエド。
エルリック兄弟が執務室から出て行くと大佐は万年筆を手にして見つめた。
「…お父さんね。
私はまだ独身なんだが」
「複雑ですか?」
「多少は」
「そのわりには随分と嬉しそうじゃないっスか?」
「アルフォンスくんは誰かさんと違って素直で可愛いからな。
さてと、仕事をしようか」
「珍しいですね」
「折角貰ったんだ、使わないとな」
嬉しそうに大佐は笑い、中尉達も自然と笑みが溢れた。
「大佐、アルには甘いっスよね~」
「素直だから甘やかしたくなるのは分からなくないけど」
「…うるさい」
「いいじゃないですか。
その少しでもエドワードくんに分けてあげたらどうですか?」
「品切れだ」
「何ですか、それは…ι」
クスクスと楽しそうに笑い、執務室には穏やかな風が舞う。
あれから何年が経ったのだろうか。
あの時に貰った万年筆は未だに机の引き出しに大切そうに入っており、今も使われていた。
「やあ、待たせたか?」
「いえ‥‥
でも、忙しいのによかったんですか?」
「心配ない。
約束は約束だからな。
行こうか」
1人の男性の隣には少年の姿があった。
「そういえば、まだ言ってませんでした。
将軍に昇格したんですよね?
おめでとうございます」
「ありがとう。
君もおめでとう。
やっと元の姿に戻ったんだ。
うん、君は本当に母親似なんだね」
「…母を知りませんよね?」
「あぁ、前にロックベル嬢が写真を見せてくれたんだ」
「そうなんですか」
並んで歩くと親子に見えなくもない。
「大佐…じゃないんだっけ。
将軍が抜け出していいのかよ」
「あれ、聞いてないのか?」
「将軍はアルフォンスくんと出掛けたわ」
「はぁ?」
「約束をしていたからって」
「あのバカ将軍~!
というか、アルの野郎も俺に黙ってたのか!!」
エドの叫び声が執務室に響いた。