雨と仔猫
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途端に仔猫のクシャミは消えた。
「「………。」」
「原因は煙草だったな」
ハボックは不満そうだった。
「大佐、どうぞ。
そういえば、名前はどうするんです?」
「ありがとう。
そうだなぁ…
ミルクなんてどうだ?」
「エドワードくんに対する嫌がらせでそんな名前を名付けないでください」
((…中尉のブラックハヤテ号よりはいいと思いますι))
中尉が怖いので口には出さない。
「冗談だよ。
おや…?」
「どうかしたんですか?」
「灰色かと思っていたが、白い毛並みだな。
どうやら汚れていたみたいだ」
「あら…」
「おまえ、意外と美人さんだな」
白の毛並みに綺麗な澄んだ青色の瞳。
「スカイ!
君の名前はスカイでどうだ?」
「空?」
「青色に白、青空みたいじゃないか」
「…メスなのでは」
「むぅ‥‥いい名前と思ったんだが。
そうだな、それなら“ソラ”はどうだ?」
「「ソラ?」」
聞いたことない言葉に首を傾げた。
仔猫は大佐の肩にしがみつき、離れる気配がない。
「遠い東の国でのスカイという意味だ」
「へぇ~」
「可愛らしい名前ですね」
「これならメスでもいいだろう?」
「そうですね」
仔猫の名前は“ソラ”と命名された。
「ただいま戻りました。
買って来ましたよ」
「ありがとう」
「動物病院は?」
「ハヤテ号と同じ病院でいいのでは?」
「明日は非番だし、案内してくれ。
君も非番だろう?」
「分かりました」
素直に中尉は頷く。
「大佐、仕事をしてください」
「分かったよ」
ため息をついて大佐は席に着いた。
「みぃ~」
「…離れないι」
しがみつくので仕方なく、そのまま仕事をする。
「おい、大佐っ!」
「ノックくらいしないか、鋼の」
「すみません…」
「いや‥‥アルフォンスくんは悪くない」
「可愛い~。
その仔猫、どうしたんですか?」
「フュリーが拾って来た」
「大佐が引き取ることにしたのよ。
大佐に懐いたから」
「大佐がぁ!!?」
「優しいんですね」
兄弟でも異なる反応である。
エドが報告書を大佐に手渡す。
「名前は決めたんですか?」
「…ソラ」
「ソラ?」
「スカイという意味の異国語だ。
白い毛並みに青色の瞳は青空みたいだろう?」
「素敵な名前ですね!」
「…バカ親」
「最初はミルクにしようかと思ったんだがな」
「嫌味かよ!!?」
「そんなんだから背が伸びないんだ」
「あんたに言われたくないね!」
「私は成人男性では平均だ。
…軍の中では低いかもしれんが」
いつものように言い合いが続く。
「大佐、それくらいにしてください」
「君はいつも鋼のを庇うね?」
「子供ですから」
中尉の言葉に何気に傷つくエド。
それに気づいて微かに大佐は笑みを浮かべた。
「また派手に暴れ回ったそうだな。
噂が…っくしゅ!
あ、いや、失礼」
「大佐、ちょっと失礼します」
「‥‥っ‥」
前髪を掻き上げられ、中尉の額が大佐の額に当たる。
「少し熱っぽいですね。
雨に当たったりするからですよ」
「…大丈夫だ」
「薬を持って来ますから飲んでください」
大佐の返事を聞かずに中尉は執務室から出て行く。
中尉が出て行くと大佐は咳き込む。
「あ、おい、大丈夫かよ?」
「鋼の、あまり近づかない方がいいぞ。
風邪が移る。
は~っ、中尉には敵わんな。
咳を我慢していたのも無意味か…」
困ったように苦笑いを浮かべた。
「当たり前です。
何年の付き合いだと思ってるんですか」
「…そう怒るな。
隠していたのは悪かった」
「今日は早退してください」
「…明日は?」
「悪化させたいんですか!!?」
中尉に睨まれて黙り込んだ。
「…冷たいね」
「自業自得と言うんです」
「リ~ザ、そんなに怒るなよ」
「今は仕事中です」
「はいはい、ホークアイ中尉」
2人のやりとりに慣れてないエルリック兄弟は唖然としていた。
「送って行きますからお帰りください」
「…分かったよ」
中尉に手をひかれて行く大佐が何人もの軍人に見られたのはまた別の話。
ちゃっかりと中尉に看病されたことは後日、部下達に寄って判明した。
雨の日の小さな贈り物は熱と笑顔を運んで来た…。
青空のように暖かい日々になりますように‥‥。
-END-
「「………。」」
「原因は煙草だったな」
ハボックは不満そうだった。
「大佐、どうぞ。
そういえば、名前はどうするんです?」
「ありがとう。
そうだなぁ…
ミルクなんてどうだ?」
「エドワードくんに対する嫌がらせでそんな名前を名付けないでください」
((…中尉のブラックハヤテ号よりはいいと思いますι))
中尉が怖いので口には出さない。
「冗談だよ。
おや…?」
「どうかしたんですか?」
「灰色かと思っていたが、白い毛並みだな。
どうやら汚れていたみたいだ」
「あら…」
「おまえ、意外と美人さんだな」
白の毛並みに綺麗な澄んだ青色の瞳。
「スカイ!
君の名前はスカイでどうだ?」
「空?」
「青色に白、青空みたいじゃないか」
「…メスなのでは」
「むぅ‥‥いい名前と思ったんだが。
そうだな、それなら“ソラ”はどうだ?」
「「ソラ?」」
聞いたことない言葉に首を傾げた。
仔猫は大佐の肩にしがみつき、離れる気配がない。
「遠い東の国でのスカイという意味だ」
「へぇ~」
「可愛らしい名前ですね」
「これならメスでもいいだろう?」
「そうですね」
仔猫の名前は“ソラ”と命名された。
「ただいま戻りました。
買って来ましたよ」
「ありがとう」
「動物病院は?」
「ハヤテ号と同じ病院でいいのでは?」
「明日は非番だし、案内してくれ。
君も非番だろう?」
「分かりました」
素直に中尉は頷く。
「大佐、仕事をしてください」
「分かったよ」
ため息をついて大佐は席に着いた。
「みぃ~」
「…離れないι」
しがみつくので仕方なく、そのまま仕事をする。
「おい、大佐っ!」
「ノックくらいしないか、鋼の」
「すみません…」
「いや‥‥アルフォンスくんは悪くない」
「可愛い~。
その仔猫、どうしたんですか?」
「フュリーが拾って来た」
「大佐が引き取ることにしたのよ。
大佐に懐いたから」
「大佐がぁ!!?」
「優しいんですね」
兄弟でも異なる反応である。
エドが報告書を大佐に手渡す。
「名前は決めたんですか?」
「…ソラ」
「ソラ?」
「スカイという意味の異国語だ。
白い毛並みに青色の瞳は青空みたいだろう?」
「素敵な名前ですね!」
「…バカ親」
「最初はミルクにしようかと思ったんだがな」
「嫌味かよ!!?」
「そんなんだから背が伸びないんだ」
「あんたに言われたくないね!」
「私は成人男性では平均だ。
…軍の中では低いかもしれんが」
いつものように言い合いが続く。
「大佐、それくらいにしてください」
「君はいつも鋼のを庇うね?」
「子供ですから」
中尉の言葉に何気に傷つくエド。
それに気づいて微かに大佐は笑みを浮かべた。
「また派手に暴れ回ったそうだな。
噂が…っくしゅ!
あ、いや、失礼」
「大佐、ちょっと失礼します」
「‥‥っ‥」
前髪を掻き上げられ、中尉の額が大佐の額に当たる。
「少し熱っぽいですね。
雨に当たったりするからですよ」
「…大丈夫だ」
「薬を持って来ますから飲んでください」
大佐の返事を聞かずに中尉は執務室から出て行く。
中尉が出て行くと大佐は咳き込む。
「あ、おい、大丈夫かよ?」
「鋼の、あまり近づかない方がいいぞ。
風邪が移る。
は~っ、中尉には敵わんな。
咳を我慢していたのも無意味か…」
困ったように苦笑いを浮かべた。
「当たり前です。
何年の付き合いだと思ってるんですか」
「…そう怒るな。
隠していたのは悪かった」
「今日は早退してください」
「…明日は?」
「悪化させたいんですか!!?」
中尉に睨まれて黙り込んだ。
「…冷たいね」
「自業自得と言うんです」
「リ~ザ、そんなに怒るなよ」
「今は仕事中です」
「はいはい、ホークアイ中尉」
2人のやりとりに慣れてないエルリック兄弟は唖然としていた。
「送って行きますからお帰りください」
「…分かったよ」
中尉に手をひかれて行く大佐が何人もの軍人に見られたのはまた別の話。
ちゃっかりと中尉に看病されたことは後日、部下達に寄って判明した。
雨の日の小さな贈り物は熱と笑顔を運んで来た…。
青空のように暖かい日々になりますように‥‥。
-END-