お昼寝
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執務室―――…
報告書を提出しにエドがアルと珍しくウィンリィを連れて大佐の元にやって来た。
「大佐、またさぼりかよ」
「違うっ!!」
大佐の机には書類や資料が散らばっていて、ドンッと叩いたものだから床に落ちる。
「大佐、散らかさないでください」
「…すまん」
大佐はため息をつき、疲れきったような顔をしている。
エド達に見せるということは隠れないほど、疲れている証拠だ。
「大佐、少しお休みください」
「…大丈夫だ」
「大丈夫ではありません!
もう5日間もほとんど寝ていないではありませんか。
食事も口にしていないようですし…」
「早くこの事件を解決させないと‥‥」
「それは分かりますが、あなたが体調を崩したら意味がないでしょう?
…そんなに急がなくてはならない理由があるんですか?」
大佐は黙り込み、唇を噛み締めた。
髪を掻き上げ、大佐は天井を見つめた。
「‥‥上官のくだらない嫌味だ」
「大佐…」
「ははっ、いつものことなのにな。
参ったね‥‥」
微かに声が震えているのは気のせいではないだろう。
「何を、言われたんですか?」
「…言いたい奴には言わせとけばいい。
でも、それは自分に関する時だけだ。
悔しいのに言い返せない自分の立場が腹立たしい!」
「………。」
何を言わせたのか、肝心な言葉は言わなかった。
中尉にはその意味は分かった。
「…私のことを言われたんですね。
私が女性で中尉だから」
「‥‥何も言い返せなかった。
すまない」
「それでいいんですよ」
「…私が大総統になったら即切り捨ててやる」
中尉は微かに微笑み、大佐に抱きつく。
「…中尉?」
「お願いですから、無理をしないでください。
あなたは1人で何でも抱え込んで我慢してしまう。
私にも、それを分けてください」
小さなため息をつき、大佐は微笑んだ。
「…君には敵わないね」
大佐の呟いた声に中尉は顔を上げた。
中尉は大佐の瞳を見つめた。
「だったら、休んでください」
「まだ報告書を…」
「あ~、また明日来るよ」
「忙しいみたいですから」
「暇ですからね」
「おまえが言うな、ウィンリィ」
「あははっ!!」
わざと明るくしているのに気づく。
「やれやれ…。
君達にも気遣いを‥‥」
「大佐?」
「あ、いや、大丈夫だ。
ちょっと目眩が…」
「疲れているんですよ。
仮眠室が嫌ならソファで構いませんから」
「…中尉は?」
「側にいますよ」
「そうじゃなくて、君も寝ていないだろう?」
「そんなことありません」
「嘘をつくな。
顔色が悪い、ほかの者を誤魔化せても私は騙せない」
見透かされたような瞳から中尉は目を反らせなかった。
(全然気づかなかったんだけど)
(さすが大佐‥‥)
(これは愛の力なのかしら?)
それはエド達だけではなく、それに気づいたのは大佐だけだった。
仮眠室のベットで横になるが、眠いはずなのに疲れすぎて寝れない。
「大佐、眠れないんですか?」
「‥‥あぁ」
中尉はベットに腰掛け、優しく大佐の頭をなでる。
「中…、」
「おやすみなさい」
瞼が重くなり、心地よい感覚に睡魔が襲う。
「まったく、うちの上官達は無理すんだからなぁ…」
「もうしばらく寝かせてやるか」
「そうだな」
ハボックとブレダはカーテンを閉め、仮眠室をあとにした。
そこには心地よさそうに眠る大佐と大佐の手を握って眠る中尉がいた。
忙しい日々の穏やかな時間…。
ぬくもりを感じて眠りに着く‥‥。
-END-
報告書を提出しにエドがアルと珍しくウィンリィを連れて大佐の元にやって来た。
「大佐、またさぼりかよ」
「違うっ!!」
大佐の机には書類や資料が散らばっていて、ドンッと叩いたものだから床に落ちる。
「大佐、散らかさないでください」
「…すまん」
大佐はため息をつき、疲れきったような顔をしている。
エド達に見せるということは隠れないほど、疲れている証拠だ。
「大佐、少しお休みください」
「…大丈夫だ」
「大丈夫ではありません!
もう5日間もほとんど寝ていないではありませんか。
食事も口にしていないようですし…」
「早くこの事件を解決させないと‥‥」
「それは分かりますが、あなたが体調を崩したら意味がないでしょう?
…そんなに急がなくてはならない理由があるんですか?」
大佐は黙り込み、唇を噛み締めた。
髪を掻き上げ、大佐は天井を見つめた。
「‥‥上官のくだらない嫌味だ」
「大佐…」
「ははっ、いつものことなのにな。
参ったね‥‥」
微かに声が震えているのは気のせいではないだろう。
「何を、言われたんですか?」
「…言いたい奴には言わせとけばいい。
でも、それは自分に関する時だけだ。
悔しいのに言い返せない自分の立場が腹立たしい!」
「………。」
何を言わせたのか、肝心な言葉は言わなかった。
中尉にはその意味は分かった。
「…私のことを言われたんですね。
私が女性で中尉だから」
「‥‥何も言い返せなかった。
すまない」
「それでいいんですよ」
「…私が大総統になったら即切り捨ててやる」
中尉は微かに微笑み、大佐に抱きつく。
「…中尉?」
「お願いですから、無理をしないでください。
あなたは1人で何でも抱え込んで我慢してしまう。
私にも、それを分けてください」
小さなため息をつき、大佐は微笑んだ。
「…君には敵わないね」
大佐の呟いた声に中尉は顔を上げた。
中尉は大佐の瞳を見つめた。
「だったら、休んでください」
「まだ報告書を…」
「あ~、また明日来るよ」
「忙しいみたいですから」
「暇ですからね」
「おまえが言うな、ウィンリィ」
「あははっ!!」
わざと明るくしているのに気づく。
「やれやれ…。
君達にも気遣いを‥‥」
「大佐?」
「あ、いや、大丈夫だ。
ちょっと目眩が…」
「疲れているんですよ。
仮眠室が嫌ならソファで構いませんから」
「…中尉は?」
「側にいますよ」
「そうじゃなくて、君も寝ていないだろう?」
「そんなことありません」
「嘘をつくな。
顔色が悪い、ほかの者を誤魔化せても私は騙せない」
見透かされたような瞳から中尉は目を反らせなかった。
(全然気づかなかったんだけど)
(さすが大佐‥‥)
(これは愛の力なのかしら?)
それはエド達だけではなく、それに気づいたのは大佐だけだった。
仮眠室のベットで横になるが、眠いはずなのに疲れすぎて寝れない。
「大佐、眠れないんですか?」
「‥‥あぁ」
中尉はベットに腰掛け、優しく大佐の頭をなでる。
「中…、」
「おやすみなさい」
瞼が重くなり、心地よい感覚に睡魔が襲う。
「まったく、うちの上官達は無理すんだからなぁ…」
「もうしばらく寝かせてやるか」
「そうだな」
ハボックとブレダはカーテンを閉め、仮眠室をあとにした。
そこには心地よさそうに眠る大佐と大佐の手を握って眠る中尉がいた。
忙しい日々の穏やかな時間…。
ぬくもりを感じて眠りに着く‥‥。
-END-