感謝の気持ち
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仕事の合間にロイは新聞を読む。
書類を取りに行っているので、それまでの短い休憩。
(バレンタインデーか…)
大総統に就任してからの初めてのバレンタインデー。
(ふむ、逆チョコか。
これは面白いな)
新聞にはバレンタインデー間近ということで各国のバレンタインデーの特集が載っていた。
他国で最近流行っている“逆チョコ”にロイは興味を持った。
愛の告白だけではなく、バレンタインデーには日頃の感謝も含まれている。
この国ではチョコではなく、花やハンカチにカードなど様々な品を男女が贈り合う。
逆チョコが流行っている国では女性が男性にチョコを贈り、愛の告白をするらしく、逆チョコは反対に男性から女性に告白することもあるらしい。
流行っていても女性から男性にチョコを贈るのは毎年見慣れた光景。
ロイの脳裏には仲間達の顔が浮かんだ。
(私が自ら買いに行く訳にもいかんな。
護衛も必要だし、目立つだろう)
それは安易に想像がついた。
「あれ、ほかの奴らはいねぇのか?」
「鋼の‥‥ノック」
「別にいいだろ」
「電話しに行く。
付き合いたまえ」
「はぁ!!?」
ロイに引きずられ、エドは大総統室から出る。
「補佐官に電話しに行ったと伝えてくれ。
護衛に鋼の錬金術師を連れて行ったと」
「…分かりました」
大総統室の扉前に立っている護衛に声を掛けてから行く。
「…ったく。
何で俺がこんなことをしなくちゃならねぇんだよ。
電話ならここにもあるだろ」
「仕事以外の電話は出来ん。
誰かさんは別だろうが」
互いの脳裏にはヒューズが浮かんだ。
ロイはアルと同居生活をしているので当日までバレないようにしなくてはならない。
鎧の錬金術師として遠出の事件解決を頼んだ。
事件解決も困っていたので、アルなら大丈夫だろうと確信はあった。
「アル、気をつけて。
何かあったら連絡しておいで」
「はい」
「おまえはアルの父親か!!?」
「君と違って心配なんだ。
どこかの無謀なチビさんと違って大暴れはしないから、その点は安心だが?」
「う‥‥」
エドは事実なので言葉が詰まる。
「じゃあ、行って来ます」
苦笑いしてアルは司令部から出て駅に向かう。
「大総統、お時間です」
「…分かった」
リザと共に大総統室に戻り、ヒューズ達もそれぞれの仕事に戻って行く。
「エド、あんたはどうするの?」
「…大総統の命令で今度は市場」
「お役に立てていいじゃない」
「アイツの味方なのかよ」
「自業自得よ、エド。
大総統はあんたの捜索に協力してくれたもの。
じゃあねぇ~」
ウィンリィも去って行き、エドも渋々ながら司令部から出て行った。
仕事を終え、補佐官であるリザに送ってもらって家に帰る。
「…ただいま」
当然ながら返事はなく、ロイは寂しく感じた。
(アルが来るまで当たり前だったのにな。
アルがいる生活にすっかり慣れてしまった。
アルを手放せないかもしれんな、私は)
苦笑いを浮かべ、自分のことながら少し呆れてしまった。
(いつもと変わらない部屋なのに、アルがいないだけでこんなにも不自然な光景に見えてしまう)
1人での夕食は味気なく、簡単なもので済ませた。
(リザを誘ってもよかったのだが、関係を疑われてリザが嫌な思いをするのもな。
アルが居ればそう疑われないのだが。
それに、渡す前にバレては意味がない!)
気を取り直し、冷蔵庫から取り出す。
(しかし、これはいいのか?
男性の私が‥‥。
いや、気持ちの問題だな。
あとでからかわれるのもいいだろう)
脳裏に浮かび、ロイは微かに口元を緩めた。
バレンタインデー当日。
ロイはリザに頼み、早朝に出勤した。
リザに頼んで席を外してもらう。
最初に置いたのは補佐官の机のリザとアル。
そして、大総統室から出るとまだ誰もいない執務室に入る。
ヒューズ、ハボック、ブレダ、ファルマン、フュリー…それぞれの机に置いた。
何事もないように大総統室に戻る。
「そろそろかな、アルが帰って来るのは」
「あ、そうですね」
リザは自分の机に置いてある包みに気づいた。
チラッと見ながらロイはリザに背を向けていた。
司令部に出勤し、それぞれの机に置いてある包みに気づく。
メッセージカードには“R・M”のイニシャルとそれぞれにメッセージが書かれていた。
1人ずつ、メッセージは異なっていた。
口元を緩め、大切そうに開ける。
「ん、うまいな」
「おまえも貰ったのか」
「ある意味、女性から貰うよりも嬉しいバレンタインチョコですね」
「確かにな」
「あの人はどんなに上に行っても変わらないな」
味わって食べながら、イニシャルだけでも脳裏に浮かぶロイの姿。
書類を取りに行っているので、それまでの短い休憩。
(バレンタインデーか…)
大総統に就任してからの初めてのバレンタインデー。
(ふむ、逆チョコか。
これは面白いな)
新聞にはバレンタインデー間近ということで各国のバレンタインデーの特集が載っていた。
他国で最近流行っている“逆チョコ”にロイは興味を持った。
愛の告白だけではなく、バレンタインデーには日頃の感謝も含まれている。
この国ではチョコではなく、花やハンカチにカードなど様々な品を男女が贈り合う。
逆チョコが流行っている国では女性が男性にチョコを贈り、愛の告白をするらしく、逆チョコは反対に男性から女性に告白することもあるらしい。
流行っていても女性から男性にチョコを贈るのは毎年見慣れた光景。
ロイの脳裏には仲間達の顔が浮かんだ。
(私が自ら買いに行く訳にもいかんな。
護衛も必要だし、目立つだろう)
それは安易に想像がついた。
「あれ、ほかの奴らはいねぇのか?」
「鋼の‥‥ノック」
「別にいいだろ」
「電話しに行く。
付き合いたまえ」
「はぁ!!?」
ロイに引きずられ、エドは大総統室から出る。
「補佐官に電話しに行ったと伝えてくれ。
護衛に鋼の錬金術師を連れて行ったと」
「…分かりました」
大総統室の扉前に立っている護衛に声を掛けてから行く。
「…ったく。
何で俺がこんなことをしなくちゃならねぇんだよ。
電話ならここにもあるだろ」
「仕事以外の電話は出来ん。
誰かさんは別だろうが」
互いの脳裏にはヒューズが浮かんだ。
ロイはアルと同居生活をしているので当日までバレないようにしなくてはならない。
鎧の錬金術師として遠出の事件解決を頼んだ。
事件解決も困っていたので、アルなら大丈夫だろうと確信はあった。
「アル、気をつけて。
何かあったら連絡しておいで」
「はい」
「おまえはアルの父親か!!?」
「君と違って心配なんだ。
どこかの無謀なチビさんと違って大暴れはしないから、その点は安心だが?」
「う‥‥」
エドは事実なので言葉が詰まる。
「じゃあ、行って来ます」
苦笑いしてアルは司令部から出て駅に向かう。
「大総統、お時間です」
「…分かった」
リザと共に大総統室に戻り、ヒューズ達もそれぞれの仕事に戻って行く。
「エド、あんたはどうするの?」
「…大総統の命令で今度は市場」
「お役に立てていいじゃない」
「アイツの味方なのかよ」
「自業自得よ、エド。
大総統はあんたの捜索に協力してくれたもの。
じゃあねぇ~」
ウィンリィも去って行き、エドも渋々ながら司令部から出て行った。
仕事を終え、補佐官であるリザに送ってもらって家に帰る。
「…ただいま」
当然ながら返事はなく、ロイは寂しく感じた。
(アルが来るまで当たり前だったのにな。
アルがいる生活にすっかり慣れてしまった。
アルを手放せないかもしれんな、私は)
苦笑いを浮かべ、自分のことながら少し呆れてしまった。
(いつもと変わらない部屋なのに、アルがいないだけでこんなにも不自然な光景に見えてしまう)
1人での夕食は味気なく、簡単なもので済ませた。
(リザを誘ってもよかったのだが、関係を疑われてリザが嫌な思いをするのもな。
アルが居ればそう疑われないのだが。
それに、渡す前にバレては意味がない!)
気を取り直し、冷蔵庫から取り出す。
(しかし、これはいいのか?
男性の私が‥‥。
いや、気持ちの問題だな。
あとでからかわれるのもいいだろう)
脳裏に浮かび、ロイは微かに口元を緩めた。
バレンタインデー当日。
ロイはリザに頼み、早朝に出勤した。
リザに頼んで席を外してもらう。
最初に置いたのは補佐官の机のリザとアル。
そして、大総統室から出るとまだ誰もいない執務室に入る。
ヒューズ、ハボック、ブレダ、ファルマン、フュリー…それぞれの机に置いた。
何事もないように大総統室に戻る。
「そろそろかな、アルが帰って来るのは」
「あ、そうですね」
リザは自分の机に置いてある包みに気づいた。
チラッと見ながらロイはリザに背を向けていた。
司令部に出勤し、それぞれの机に置いてある包みに気づく。
メッセージカードには“R・M”のイニシャルとそれぞれにメッセージが書かれていた。
1人ずつ、メッセージは異なっていた。
口元を緩め、大切そうに開ける。
「ん、うまいな」
「おまえも貰ったのか」
「ある意味、女性から貰うよりも嬉しいバレンタインチョコですね」
「確かにな」
「あの人はどんなに上に行っても変わらないな」
味わって食べながら、イニシャルだけでも脳裏に浮かぶロイの姿。