キスと心音
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事件や事故が多発していた。
それがやっと片付き、久々の休暇。
(‥‥中尉が祖父であるグラマン将軍を笑顔で脅して取った休暇なんだけどね。
しかも、私や大佐だけじゃなくて、みんなの分を。
確かに疲れてはいたけどね。
大佐はストレスが爆発したと笑っていたけど、あれはさすがに怖かった)
中尉のアレを見て笑ってられるのは大佐くらいだろう。
(でも、おかげでデート出来るんだし)
セルシアは待ち合わせ場所のいつもの喫茶店に向かっていた。
『ひゃっ!!?
な、何ですか?』
突然横から伸びて来た手に掴まれる。
不快そうにセルシアが顔を歪める。
「いや~、可愛いと思ってさ」
『離してください。
約束があるんです』
相変わらず、大佐以外には冷たいセルシアである。
「そう言わないでさ、ちょっとだけ」
『貴方のつまらない話を聞いてる暇はないの』
多少なり、中尉の影響を受けているかもしれない。
一瞬、目の前が薄暗くなった。
『…っ!?』
男性の背中が見え、セルシアはすぐに誰か分かった。
『ロイさんっ!!』
「すまない、遅れた。
雑魚を退治するから待ってくれ」
爆発音と共に男性が倒れた。
「手加減はしといた。
彼女に手を出すことは私が許さん。
それとも、ケシ炭になるか?」
男性は悲鳴を上げて逃げてゆく。
「さてと、行こうか。
騒ぎになると厄介だからな」
『…既に騒ぎになってるかと』
「気にするな」
手を引っ張られて歩いて行く。
「まだ時間あるし、お茶でもするか。
この辺りに最近新しく出来たケーキ屋があってな、美味しいと評判なんだが、行ってみるか?」
『はいっ!』
セルシアの様子にクスッと笑う。
『何ですか?』
「いや‥‥素直で可愛らしいなと」
セルシアは微かに頬を赤らめる。
甘い香りが店内に広がっていた。
『わぁ、綺麗…
美味しそう!!』
大佐は甘いのが苦手なので飲み物だけ。
それでも、セルシアが嬉しそうなので自然と笑顔になる。
『美味しい!』
「それはよかった」
『まだ時間あるし、ゆっくり食べなさい』
「はい」
まだセルシアは敬語が抜けず、名前を呼ぶのも最近慣れたとこだ。
多忙で会話する暇もなかったので、それを埋めるように他愛ない話をする。
「…っと。
そろそろ、時間だな。
行こうか」
『はい』
代金を支払い、手を繋いで出て行く。
話題の演劇を観に行き、夜はのんびり過ごす予定だ。
「セルシア、こっちだ。
どうした?」
『あ、いえ…
何でもないです』
席に着き、セルシアはチラッと足元を見た。
(買ったばかりだったから…
靴擦れしちゃったかな)
久々のデートを台無しにしたくはなかった。
(この後はロイさんの部屋に行くし、大丈夫かな。
…多分ι)
本音を言えば、かなり痛いが。
演劇が終わって出た頃には空はすっかり暗くなっていた。
「もうこんな時間か。
あっという間だな」
『楽しかったです。
こういう本格的なものは初めてですけど』
「それはよかった」
辺りは暗く、足元の段差に気づけなかった。
『きゃあっ!!?』
「セルシア!
大丈夫か?」
『‥‥ロイさん』
「どうした?」
『ヒールが折れちゃいましたι』
大佐に見えるようにセルシアは折れたヒールを見せた。
「家に帰ったら錬金術で直そう。
とりあえず、移動しないと」
『つっ…』
「怪我、しているのか?」
『あ、いえ…
大丈夫です!!』
大佐が微かに顔を歪める。
「靴擦れしたなら、何で言わないんだ。
様子がおかしいとは思っていたが…」
『‥‥っ‥』
ため息をつき、大佐はセルシアをお姫様抱っこする。
『きゃ…っ///』
「動いたら落ちる。
掴まっていなさい」
『‥‥はい』
淡々とした口調からも怒っているのが感じられる。
それがやっと片付き、久々の休暇。
(‥‥中尉が祖父であるグラマン将軍を笑顔で脅して取った休暇なんだけどね。
しかも、私や大佐だけじゃなくて、みんなの分を。
確かに疲れてはいたけどね。
大佐はストレスが爆発したと笑っていたけど、あれはさすがに怖かった)
中尉のアレを見て笑ってられるのは大佐くらいだろう。
(でも、おかげでデート出来るんだし)
セルシアは待ち合わせ場所のいつもの喫茶店に向かっていた。
『ひゃっ!!?
な、何ですか?』
突然横から伸びて来た手に掴まれる。
不快そうにセルシアが顔を歪める。
「いや~、可愛いと思ってさ」
『離してください。
約束があるんです』
相変わらず、大佐以外には冷たいセルシアである。
「そう言わないでさ、ちょっとだけ」
『貴方のつまらない話を聞いてる暇はないの』
多少なり、中尉の影響を受けているかもしれない。
一瞬、目の前が薄暗くなった。
『…っ!?』
男性の背中が見え、セルシアはすぐに誰か分かった。
『ロイさんっ!!』
「すまない、遅れた。
雑魚を退治するから待ってくれ」
爆発音と共に男性が倒れた。
「手加減はしといた。
彼女に手を出すことは私が許さん。
それとも、ケシ炭になるか?」
男性は悲鳴を上げて逃げてゆく。
「さてと、行こうか。
騒ぎになると厄介だからな」
『…既に騒ぎになってるかと』
「気にするな」
手を引っ張られて歩いて行く。
「まだ時間あるし、お茶でもするか。
この辺りに最近新しく出来たケーキ屋があってな、美味しいと評判なんだが、行ってみるか?」
『はいっ!』
セルシアの様子にクスッと笑う。
『何ですか?』
「いや‥‥素直で可愛らしいなと」
セルシアは微かに頬を赤らめる。
甘い香りが店内に広がっていた。
『わぁ、綺麗…
美味しそう!!』
大佐は甘いのが苦手なので飲み物だけ。
それでも、セルシアが嬉しそうなので自然と笑顔になる。
『美味しい!』
「それはよかった」
『まだ時間あるし、ゆっくり食べなさい』
「はい」
まだセルシアは敬語が抜けず、名前を呼ぶのも最近慣れたとこだ。
多忙で会話する暇もなかったので、それを埋めるように他愛ない話をする。
「…っと。
そろそろ、時間だな。
行こうか」
『はい』
代金を支払い、手を繋いで出て行く。
話題の演劇を観に行き、夜はのんびり過ごす予定だ。
「セルシア、こっちだ。
どうした?」
『あ、いえ…
何でもないです』
席に着き、セルシアはチラッと足元を見た。
(買ったばかりだったから…
靴擦れしちゃったかな)
久々のデートを台無しにしたくはなかった。
(この後はロイさんの部屋に行くし、大丈夫かな。
…多分ι)
本音を言えば、かなり痛いが。
演劇が終わって出た頃には空はすっかり暗くなっていた。
「もうこんな時間か。
あっという間だな」
『楽しかったです。
こういう本格的なものは初めてですけど』
「それはよかった」
辺りは暗く、足元の段差に気づけなかった。
『きゃあっ!!?』
「セルシア!
大丈夫か?」
『‥‥ロイさん』
「どうした?」
『ヒールが折れちゃいましたι』
大佐に見えるようにセルシアは折れたヒールを見せた。
「家に帰ったら錬金術で直そう。
とりあえず、移動しないと」
『つっ…』
「怪我、しているのか?」
『あ、いえ…
大丈夫です!!』
大佐が微かに顔を歪める。
「靴擦れしたなら、何で言わないんだ。
様子がおかしいとは思っていたが…」
『‥‥っ‥』
ため息をつき、大佐はセルシアをお姫様抱っこする。
『きゃ…っ///』
「動いたら落ちる。
掴まっていなさい」
『‥‥はい』
淡々とした口調からも怒っているのが感じられる。