第⑥話
夢小説設定
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再会から兄弟喧嘩になる。
エドの言い分もアルの言い分もどちらも分かる。
「俺はおまえには普通のことをして欲しいんだよ!
錬金術を使うなとは言わないけど、何も軍に入らなくてもいいだろ!?」
「軍に入っていたら普通のことが出来ないかもしれない。
それでも、僕は!
少しでも人々の役に立ちたいし、マスタングさんに恩返しがしたいんだ!!」
「軍なんかやめろ!
おまえは何も分かってない!!」
「分かってるよ!
何で僕の人生を兄さんに決めつけられないといけないんだ!!」
「アルには幸せになって欲しいんだよ」
「…勝手すぎるよ。
僕を置いて行ったくせに。
連絡も寄越さないで。
兄さんも、お父さんも狡いよ」
俯いてアルは小さな声で呟いた。
「ひっ、く…ッ」
「よしよし」
アルは甘えるようにロイに抱きつき、肩を震わせて泣いていた。
「………。」
そんな風にアルが甘えてる姿は母が亡くなる前以来だった。
「べ、別に置いて行った訳じゃ…っ」
「鋼の、弟の気持ちを本気で考えたことはあるのか?
どんな気持ちで待っていたか察してやれ」
宥めるようにアルの背中を擦りながらロイは睨むようにエドを見る。
エドは不機嫌そうにロイを睨み返す。
「あんたに何が分かるんだよ?」
「少なくても今の鋼のよりは分かっているつもりだが?」
「な…っ」
「大総統の私にその口調か。
まぁ、いいだろう。
ただ忘れるな、君の国家資格も私が剥奪することも出来る」
アルは顔を上げてロイを見た。
「大丈夫、剥奪なんてしないから。
君を悲しませた分を懲らしめようかとね」
「…俺がいつアルを悲しめたんだよ?」
「自覚がないとは」
ため息をつき、呆れたようにロイがエドを見つめた。
「鋼の、自分の弟を何だと思っている?
家族だからって離れていてはすれ違う。
口に出さなければ伝わらない想いがある。
今の君達はそうだ。
家族がいるのに、たった2人の兄弟なのに、それは悲しいとは思わないか?」
諭すようにロイはエドを見て語る。
義母はいるが、家族のいないロイには羨ましいのかもしれない。
エドのことだから自覚がなく、何を責められて何故アルが悲しんでいると言われているのかさえも分からないのだろう。
錬金術に関しては優れているのだが、父親同様にどこか抜けているのだ。
「私は赤の他人だから連絡しないのも構わん。
むしろ、連絡されても忙しいから面倒なだけだ」
「おい‥‥」
「だがな、家族を不安にさせるな。
たった1人の弟を泣かせるな」
「いつ泣かした!」
「我慢していたに決まってるだろ。
不安で寂しくなるのは当然だ、ずっと側にいたのだからな。
…寂しいと泣いていたんだ」
「泣いてたって。
何で知ってるんだよ?」
アルが泣くことは幼少期の頃も滅多になかったらしく、エドは動揺していた。
「グズッ…マスタングさんの家に、お世話になってるんだ」
「はぁ!!?」
「同居人ってことだな」
「何でだよ!?」
「私も1人だし、未成年の子の1人暮らしは心配だからな。
私の護衛も兼ねてるのだが…」
当然ながらエドが唖然としていた。
泣くだけ泣いてアルも落ち着いたようだ。
「すみません…」
「いや、大丈夫だ」
くしゃっとアルの頭をなでた。
「‥‥アル」
「なに?」
「おまえの気持ち、考えてなかった。
つい、連絡するの忘れてたというか」
「ふぅん…」
「ウィンリィとばっちゃんにも連絡しないとな。
あ、いや、その…本当にごめん」
「…知らない」
「知らないって」
「謝ってすぐ許したら兄さんはまた同じことをするでしょ?」
「お、怒ってる…よな?」
「これが怒ってないように見える?」
「う‥‥」
冷たい眼で見られ、淡々とアルに責められていた。
「まぁ、当然というか…」
「普段おとなしい人ほど怒ると怖いのは本当だったな」
「俺、アルをからかうのやめようかな」
「あれは怒られて当然ですよ」
「どっちが兄なんだか」
黙って見守っていたヒューズ達が苦笑いを浮かべる。
エドの言い分もアルの言い分もどちらも分かる。
「俺はおまえには普通のことをして欲しいんだよ!
錬金術を使うなとは言わないけど、何も軍に入らなくてもいいだろ!?」
「軍に入っていたら普通のことが出来ないかもしれない。
それでも、僕は!
少しでも人々の役に立ちたいし、マスタングさんに恩返しがしたいんだ!!」
「軍なんかやめろ!
おまえは何も分かってない!!」
「分かってるよ!
何で僕の人生を兄さんに決めつけられないといけないんだ!!」
「アルには幸せになって欲しいんだよ」
「…勝手すぎるよ。
僕を置いて行ったくせに。
連絡も寄越さないで。
兄さんも、お父さんも狡いよ」
俯いてアルは小さな声で呟いた。
「ひっ、く…ッ」
「よしよし」
アルは甘えるようにロイに抱きつき、肩を震わせて泣いていた。
「………。」
そんな風にアルが甘えてる姿は母が亡くなる前以来だった。
「べ、別に置いて行った訳じゃ…っ」
「鋼の、弟の気持ちを本気で考えたことはあるのか?
どんな気持ちで待っていたか察してやれ」
宥めるようにアルの背中を擦りながらロイは睨むようにエドを見る。
エドは不機嫌そうにロイを睨み返す。
「あんたに何が分かるんだよ?」
「少なくても今の鋼のよりは分かっているつもりだが?」
「な…っ」
「大総統の私にその口調か。
まぁ、いいだろう。
ただ忘れるな、君の国家資格も私が剥奪することも出来る」
アルは顔を上げてロイを見た。
「大丈夫、剥奪なんてしないから。
君を悲しませた分を懲らしめようかとね」
「…俺がいつアルを悲しめたんだよ?」
「自覚がないとは」
ため息をつき、呆れたようにロイがエドを見つめた。
「鋼の、自分の弟を何だと思っている?
家族だからって離れていてはすれ違う。
口に出さなければ伝わらない想いがある。
今の君達はそうだ。
家族がいるのに、たった2人の兄弟なのに、それは悲しいとは思わないか?」
諭すようにロイはエドを見て語る。
義母はいるが、家族のいないロイには羨ましいのかもしれない。
エドのことだから自覚がなく、何を責められて何故アルが悲しんでいると言われているのかさえも分からないのだろう。
錬金術に関しては優れているのだが、父親同様にどこか抜けているのだ。
「私は赤の他人だから連絡しないのも構わん。
むしろ、連絡されても忙しいから面倒なだけだ」
「おい‥‥」
「だがな、家族を不安にさせるな。
たった1人の弟を泣かせるな」
「いつ泣かした!」
「我慢していたに決まってるだろ。
不安で寂しくなるのは当然だ、ずっと側にいたのだからな。
…寂しいと泣いていたんだ」
「泣いてたって。
何で知ってるんだよ?」
アルが泣くことは幼少期の頃も滅多になかったらしく、エドは動揺していた。
「グズッ…マスタングさんの家に、お世話になってるんだ」
「はぁ!!?」
「同居人ってことだな」
「何でだよ!?」
「私も1人だし、未成年の子の1人暮らしは心配だからな。
私の護衛も兼ねてるのだが…」
当然ながらエドが唖然としていた。
泣くだけ泣いてアルも落ち着いたようだ。
「すみません…」
「いや、大丈夫だ」
くしゃっとアルの頭をなでた。
「‥‥アル」
「なに?」
「おまえの気持ち、考えてなかった。
つい、連絡するの忘れてたというか」
「ふぅん…」
「ウィンリィとばっちゃんにも連絡しないとな。
あ、いや、その…本当にごめん」
「…知らない」
「知らないって」
「謝ってすぐ許したら兄さんはまた同じことをするでしょ?」
「お、怒ってる…よな?」
「これが怒ってないように見える?」
「う‥‥」
冷たい眼で見られ、淡々とアルに責められていた。
「まぁ、当然というか…」
「普段おとなしい人ほど怒ると怖いのは本当だったな」
「俺、アルをからかうのやめようかな」
「あれは怒られて当然ですよ」
「どっちが兄なんだか」
黙って見守っていたヒューズ達が苦笑いを浮かべる。