第⑥話
夢小説設定
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リザが真っ赤な顔を隠すように俯き加減で背を向けた。
(なんというか、分かりやすいな…)
あまり笑うと機嫌を損ねるのでロイは笑いを堪えていた。
「大総統、どうぞ」
「ありがとう。
コーヒーじゃないのか?」
「嫌ですか?」
「いや‥‥構わないよ。
ただ珍しいと思ってね」
「貴方がコーヒーを好むので。
ですが、あまりコーヒーの飲み過ぎは身体によくないので。
胃に負担もかかりますから」
「…そうか」
こんな風に心配する補佐官はリザ以外いないだろう。
心配するのも相手がロイだからだろう。
司令部内では噂が流れていた。
「マリア・ロスの噂はともかく…」
「補佐官に誘ったことは事実だしな」
「いつからエドは行方を眩ましてたことになってるんだ?」
「まぁ、噂ですからね」
ハボック達は苦笑いを浮かべる。
「何の為に行方を眩ます必要があるんだよ?」
「なんか、盗んだとかありえないこと言われてますけど…」
「行動が派手ですからね」
様々な噂を聞きながらも仕事していた。
「ブレダ、また調べもんか?」
「頼まれたからな」
「大変ですね」
「いつものことだ」
それはブレダの得意分野でもある。
好奇の視線にため息をついた。
「どうするの?」
「…どうするべきか悩んでる」
「まぁ、悪くはないと思うけど。
大総統自らだし。
断ってもいいって言われたんでしょう?」
「そうだけど…」
「嫌なら断ればいいのよ。
補佐官の仕事に少しでも魅力を感じたならやるべき」
「それはそうかもしれないけど~。
あ~、もうっ!
どうすればいいのよ~!!」
友人に食堂で遅めのランチを食べながら相談し、ロスは悩んで頭を抱える。
「チャンスなのよ、チャンス。
私達、女性は滅多に昇進なんてないし」
「今の大総統はそんなお堅い人ではないと思うけど…」
「相変わらず、大総統を庇うわね」
「私は大総統に命を救ってもらったのよ」
「だったら、恩返しで補佐官になる?」
「それは‥‥」
嫌と言うよりも迷っているのだろう。
「随分と迷っているみてぇだな」
「「ヒューズ准将!」」
慌てて立ち上がって敬礼する。
「あぁ、そのままでいいって」
ヒューズは空いてる席に座る。
戸惑いながら座り直し、ヒューズを見つめた。
「分かってるかとは思うが、ロイは同情なんかで自分の補佐官を選んだりしない。
確かに青臭い甘い考えもあるけどな」
「…大総統をそんな風に言っていいんですか?」
「俺だから言うんだよ。
けどな、アイツは昔からこの国を変えたいと願っていた。
戦争の痛みを知ってる大総統なんてのはいいんじゃねぇか?
それは弱さではなく、強さだと俺は思うけどな」
「ヒューズ准将…」
微かにヒューズが笑みを浮かべる。
「それだけじゃない、アイツはその人の才能を見い出す。
マリア・ロス、君は上にいけるとロイは思ったんだよ。
ロイは上官に寄って東方司令部に左遷されたんだ。
ロイの存在を中央の奴等は恐ろしく感じたんだろうな。
いつ自分の地位と逆転するかと。
それでも、ロイはいつか中央に戻って来てやると諦めたりしなかった。
東方司令部で自分の意見に賛同する味方を見つけ、様々な経験させて育てた。
部下の才能を引き伸ばすのも上官の役目だってな。
あとは意思次第。
仲間と思った奴をロイは最後まで手放したりしない。
仲間の為なら命を賭けるから、仲間もロイを必死に守るんだ。
冷静に見えてあいつは熱血漢で正義感の強い男だ。
まぁ、補佐官になればいつか分かるだろうな」
ロスの肩を軽く叩いてヒューズは立ち上がり、去ってゆく。
補佐官に魅力を感じないかと言えば嘘になる。
国を変える手伝いが少しでも出来る。
自分にも出来ることが何かあるかもしれない。
もちろん、いいことだけでないのは承知の上だ。
「その顔は決意したみたいね」
ロスは微かに笑みを浮かべた。
「あ、そういえば…
鋼の錬金術師が戻って来るみたいね。
正確には…って、マリア!!?」
「エドワードくんが戻って来るなら出迎えなきゃ!
それ、片付けといてね!!」
「ちょっ、えぇっ!
何よそれ!!」
ロスは食堂から慌ただしく出て行く。
「‥‥正確には大総統に連れ戻されたらしいって言おうと思ったんだけど。
まぁ、噂みたいだからいっか」
ロスの友人はため息をついた。
物事をハッキリさせるタイプだが、あまり深くはこだわらないらしい。
(なんというか、分かりやすいな…)
あまり笑うと機嫌を損ねるのでロイは笑いを堪えていた。
「大総統、どうぞ」
「ありがとう。
コーヒーじゃないのか?」
「嫌ですか?」
「いや‥‥構わないよ。
ただ珍しいと思ってね」
「貴方がコーヒーを好むので。
ですが、あまりコーヒーの飲み過ぎは身体によくないので。
胃に負担もかかりますから」
「…そうか」
こんな風に心配する補佐官はリザ以外いないだろう。
心配するのも相手がロイだからだろう。
司令部内では噂が流れていた。
「マリア・ロスの噂はともかく…」
「補佐官に誘ったことは事実だしな」
「いつからエドは行方を眩ましてたことになってるんだ?」
「まぁ、噂ですからね」
ハボック達は苦笑いを浮かべる。
「何の為に行方を眩ます必要があるんだよ?」
「なんか、盗んだとかありえないこと言われてますけど…」
「行動が派手ですからね」
様々な噂を聞きながらも仕事していた。
「ブレダ、また調べもんか?」
「頼まれたからな」
「大変ですね」
「いつものことだ」
それはブレダの得意分野でもある。
好奇の視線にため息をついた。
「どうするの?」
「…どうするべきか悩んでる」
「まぁ、悪くはないと思うけど。
大総統自らだし。
断ってもいいって言われたんでしょう?」
「そうだけど…」
「嫌なら断ればいいのよ。
補佐官の仕事に少しでも魅力を感じたならやるべき」
「それはそうかもしれないけど~。
あ~、もうっ!
どうすればいいのよ~!!」
友人に食堂で遅めのランチを食べながら相談し、ロスは悩んで頭を抱える。
「チャンスなのよ、チャンス。
私達、女性は滅多に昇進なんてないし」
「今の大総統はそんなお堅い人ではないと思うけど…」
「相変わらず、大総統を庇うわね」
「私は大総統に命を救ってもらったのよ」
「だったら、恩返しで補佐官になる?」
「それは‥‥」
嫌と言うよりも迷っているのだろう。
「随分と迷っているみてぇだな」
「「ヒューズ准将!」」
慌てて立ち上がって敬礼する。
「あぁ、そのままでいいって」
ヒューズは空いてる席に座る。
戸惑いながら座り直し、ヒューズを見つめた。
「分かってるかとは思うが、ロイは同情なんかで自分の補佐官を選んだりしない。
確かに青臭い甘い考えもあるけどな」
「…大総統をそんな風に言っていいんですか?」
「俺だから言うんだよ。
けどな、アイツは昔からこの国を変えたいと願っていた。
戦争の痛みを知ってる大総統なんてのはいいんじゃねぇか?
それは弱さではなく、強さだと俺は思うけどな」
「ヒューズ准将…」
微かにヒューズが笑みを浮かべる。
「それだけじゃない、アイツはその人の才能を見い出す。
マリア・ロス、君は上にいけるとロイは思ったんだよ。
ロイは上官に寄って東方司令部に左遷されたんだ。
ロイの存在を中央の奴等は恐ろしく感じたんだろうな。
いつ自分の地位と逆転するかと。
それでも、ロイはいつか中央に戻って来てやると諦めたりしなかった。
東方司令部で自分の意見に賛同する味方を見つけ、様々な経験させて育てた。
部下の才能を引き伸ばすのも上官の役目だってな。
あとは意思次第。
仲間と思った奴をロイは最後まで手放したりしない。
仲間の為なら命を賭けるから、仲間もロイを必死に守るんだ。
冷静に見えてあいつは熱血漢で正義感の強い男だ。
まぁ、補佐官になればいつか分かるだろうな」
ロスの肩を軽く叩いてヒューズは立ち上がり、去ってゆく。
補佐官に魅力を感じないかと言えば嘘になる。
国を変える手伝いが少しでも出来る。
自分にも出来ることが何かあるかもしれない。
もちろん、いいことだけでないのは承知の上だ。
「その顔は決意したみたいね」
ロスは微かに笑みを浮かべた。
「あ、そういえば…
鋼の錬金術師が戻って来るみたいね。
正確には…って、マリア!!?」
「エドワードくんが戻って来るなら出迎えなきゃ!
それ、片付けといてね!!」
「ちょっ、えぇっ!
何よそれ!!」
ロスは食堂から慌ただしく出て行く。
「‥‥正確には大総統に連れ戻されたらしいって言おうと思ったんだけど。
まぁ、噂みたいだからいっか」
ロスの友人はため息をついた。
物事をハッキリさせるタイプだが、あまり深くはこだわらないらしい。