第⑥話
夢小説設定
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リザは書類を確認し、提出に行く。
「問題ありませんので提出して来ます」
「…あぁ」
「大総統、あまり一気に詰め込みすぎませんように」
「分かっているよ」
(‥‥言うだけ無駄かしらね)
大総統と上層部しか読めない極秘の資料などがある。
ロイはそれを探し出しては問題がないか、隅々まで目を通して何度も読んでいる。
上層部が素直に出さないということは見つかってはいけない何かがあるという証拠。
(また裏で何かあるのだろうな。
次から次へと…。
いい加減、嫌になって来るよ)
それが正しいのか、ひとつずつ証明し、過去のものが多いので時間もかかる。
それでも1人で調べている訳ではないので、まだ楽な方かもしれない。
(もうこの際、上層部の奴等を脅して吐かせようかな。
あの腐った上層部が素直に吐くとは思わないが…)
ため息をつき、憂鬱になった。
「大総統、お呼びでしょうか?」
「あぁ、ブレダ。
今回はこれを調べて欲しい」
「…はい」
「分かる限りで構わない」
「出来る限り、集めてみますよ」
「あぁ、頼んだ」
ブレダに書類を手渡した。
敬礼してブレダが大総統室から出て行く。
今日はこのくらいにしておこうとロイは机の引き出しに入れた。
鍵を掛け、更に厳重に錬金術で開けられないようにしている。
極秘書類なので証拠を消されたら永遠に分からなくなってしまう可能性がある。
あの上層部ならやり兼ねない。
(忙しくても昔に比べて書類の量は減ったな。
…減ったというよりは前が多すぎただけなんだが)
嫌がらせの書類は今も続いてるが、不要の書類をリザが排除しているらしい。
大総統の地位でも年齢や軍の入隊年から先輩には変わりない。
そこがまた複雑な関係性になっているのかもしれない。
(…駅には連絡を入れたし。
失敗しなければ捕獲確実だろう)
チラッとアルを見ると落ち着きがなく、妙にソワソワしている。
「アル、そんなに気になるか?」
「すみません…」
「別に気にしていないが」
ロイは立ち上がり、優しくアルの頭をなでた。
嬉しいのに素直に喜べず、アルは複雑な心境なのだろう。
「ずっと待っていたんだもんな」
「…待ってません。
仕方ないから待ってあげていたんですよ」
一瞬驚いたロイだが、すぐに笑みを浮かべた。
「クスッ…そうだな。
鋼のを待ってやってた、それだけだ」
「‥‥はい」
甘えるようにアルがロイの腰に抱きつく。
「仕事中にごめんなさい。
でも…っ」
「いいよ。
どうした?」
「‥‥兄さんが帰って来たら家から出て行かないといけませんか?
そんなの嫌です!
我儘だって、困らせてるのは分かってるけど!!
大総統と…、マスタングさんともっと一緒に暮らしたい!
もっといっぱい教えて欲しいこともあるし、それに…っ」
「アル、落ち着け。
私は出て行けなんて言ってないよ?」
「えっ!!?」
驚いてアルが顔を上げてロイを見た。
「アルが望むなら一緒に暮らすつもりだよ。
なんて言い訳かな。
私もアルと同じ、一緒に居たい」
「迷惑では、ないですか?」
「アルになら多少の迷惑なら許せるさ。
ほら、涙を拭きなさい。
私が泣かしているみたいだろう?」
「はい…っ」
ロイからハンカチを手渡され、素直に受け取る。
大総統室のドアが開いた。
「‥‥何をなさっているのですか?
アルフォンスくんを泣かして」
「ちがッ!!
ご、誤解だ!
私が泣かせた訳ではないぞ!!?」
リザに銃を向けられ、ロイは慌てる。
「そ、それに!
私が泣かす訳がないだろう!!?」
「だったら‥‥」
「違うんです!
あの、色々とありまして…
何でもありませんから!
そんな泣かせたとか、2人して何度も言わないでください!!」
「あ゛…」
「いや、すまない。
つい‥‥」
アルの大声で言い争いしていたロイとリザがピタリと動きを止めた。
「顔を洗って来ます。
ハンカチは洗濯して返しますから」
「別に気にしないが…」
「僕が嫌なんです」
大総統室からアルが出て行くとロイは苦笑いする。
「…子供を巡って言い争いして子供に喧嘩を止められた夫婦みたいだな」
「なっ!!?」
リザが真っ赤になるとロイは笑みを浮かべた。
「問題ありませんので提出して来ます」
「…あぁ」
「大総統、あまり一気に詰め込みすぎませんように」
「分かっているよ」
(‥‥言うだけ無駄かしらね)
大総統と上層部しか読めない極秘の資料などがある。
ロイはそれを探し出しては問題がないか、隅々まで目を通して何度も読んでいる。
上層部が素直に出さないということは見つかってはいけない何かがあるという証拠。
(また裏で何かあるのだろうな。
次から次へと…。
いい加減、嫌になって来るよ)
それが正しいのか、ひとつずつ証明し、過去のものが多いので時間もかかる。
それでも1人で調べている訳ではないので、まだ楽な方かもしれない。
(もうこの際、上層部の奴等を脅して吐かせようかな。
あの腐った上層部が素直に吐くとは思わないが…)
ため息をつき、憂鬱になった。
「大総統、お呼びでしょうか?」
「あぁ、ブレダ。
今回はこれを調べて欲しい」
「…はい」
「分かる限りで構わない」
「出来る限り、集めてみますよ」
「あぁ、頼んだ」
ブレダに書類を手渡した。
敬礼してブレダが大総統室から出て行く。
今日はこのくらいにしておこうとロイは机の引き出しに入れた。
鍵を掛け、更に厳重に錬金術で開けられないようにしている。
極秘書類なので証拠を消されたら永遠に分からなくなってしまう可能性がある。
あの上層部ならやり兼ねない。
(忙しくても昔に比べて書類の量は減ったな。
…減ったというよりは前が多すぎただけなんだが)
嫌がらせの書類は今も続いてるが、不要の書類をリザが排除しているらしい。
大総統の地位でも年齢や軍の入隊年から先輩には変わりない。
そこがまた複雑な関係性になっているのかもしれない。
(…駅には連絡を入れたし。
失敗しなければ捕獲確実だろう)
チラッとアルを見ると落ち着きがなく、妙にソワソワしている。
「アル、そんなに気になるか?」
「すみません…」
「別に気にしていないが」
ロイは立ち上がり、優しくアルの頭をなでた。
嬉しいのに素直に喜べず、アルは複雑な心境なのだろう。
「ずっと待っていたんだもんな」
「…待ってません。
仕方ないから待ってあげていたんですよ」
一瞬驚いたロイだが、すぐに笑みを浮かべた。
「クスッ…そうだな。
鋼のを待ってやってた、それだけだ」
「‥‥はい」
甘えるようにアルがロイの腰に抱きつく。
「仕事中にごめんなさい。
でも…っ」
「いいよ。
どうした?」
「‥‥兄さんが帰って来たら家から出て行かないといけませんか?
そんなの嫌です!
我儘だって、困らせてるのは分かってるけど!!
大総統と…、マスタングさんともっと一緒に暮らしたい!
もっといっぱい教えて欲しいこともあるし、それに…っ」
「アル、落ち着け。
私は出て行けなんて言ってないよ?」
「えっ!!?」
驚いてアルが顔を上げてロイを見た。
「アルが望むなら一緒に暮らすつもりだよ。
なんて言い訳かな。
私もアルと同じ、一緒に居たい」
「迷惑では、ないですか?」
「アルになら多少の迷惑なら許せるさ。
ほら、涙を拭きなさい。
私が泣かしているみたいだろう?」
「はい…っ」
ロイからハンカチを手渡され、素直に受け取る。
大総統室のドアが開いた。
「‥‥何をなさっているのですか?
アルフォンスくんを泣かして」
「ちがッ!!
ご、誤解だ!
私が泣かせた訳ではないぞ!!?」
リザに銃を向けられ、ロイは慌てる。
「そ、それに!
私が泣かす訳がないだろう!!?」
「だったら‥‥」
「違うんです!
あの、色々とありまして…
何でもありませんから!
そんな泣かせたとか、2人して何度も言わないでください!!」
「あ゛…」
「いや、すまない。
つい‥‥」
アルの大声で言い争いしていたロイとリザがピタリと動きを止めた。
「顔を洗って来ます。
ハンカチは洗濯して返しますから」
「別に気にしないが…」
「僕が嫌なんです」
大総統室からアルが出て行くとロイは苦笑いする。
「…子供を巡って言い争いして子供に喧嘩を止められた夫婦みたいだな」
「なっ!!?」
リザが真っ赤になるとロイは笑みを浮かべた。