第⑥話
夢小説設定
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チョークで床に錬成陣を書いた。
錬成陣に両手をつくと青白い光が放たれる。
「…こんなもんか。
久しぶりだったが、成功したな」
満足そうにロイは笑い、壊れていた外壁などが再生されて新品同様になっていた。
「さすがですね~。
僕がやることなくなってしまいました」
「少し残しておくべきだったか?」
「いえ、構いませんよ」
「これでどうだ?」
「…すみませんでした」
ハボックが素直に頭を下げて謝る。
(僕達は扉を開いて心理を見た知識がある。
けど、大総統は違う。
経験よりも才能が僕達より上なんだ。
一生、この人には敵わないかもしれない)
アルはロイを見つめていた。
「大総統、何をしているんですか?」
「ちょっとした遊びだよ」
「遊びって…」
「あれが遊び?」
「錬金術において、大総統は才能があります。
才能がなければ錬金術は使えないと言われていますが、才能は国家錬金術師のトップに立つくらい優れてます。
経験が関係してないとは言えませんが…」
「そんなに凄いのか?」
「俺等には分からないけどな」
「滅多に本気を出さない。
今の錬金術も半分以下の力」
ヒューズとハボックにアルはロイの背中を見つめながら語る。
敵わないと分かっていても悔しかった。
「…あの才能が素直に悔しいです」
「おまえも才能あるんだろう?」
「才能というより、僕達のは遺伝に近いかもしれないです。
それに、真理を見たから実力ではない」
「「真理?」」
「…知らなくてもいいことです」
曖昧な笑みを浮かべ、アルは遠くを見つめた。
(時々、アルは妙に大人びた瞬間があるんだよなぁ…)
(頭の悪い俺には分からないことばかりだ。
錬金術は訳わかんねぇな…)
頭脳派のヒューズと戦闘派のハボック、かなり異なる考えだ。
「アル、また何か考え込んでるのか?
君達は休憩していいから」
護衛にヒューズとハボックを連れてロイは大総統室に戻って行った。
「ロイ、仲直りしたみたいだな」
「…うるさい」
「補佐官を外されるんじゃないか、痴話喧嘩とかいろんな噂ありましたよ」
「…バカバカしい。
私が補佐官から彼女を外す訳がないだろ」
「俺等はそう思ってましたけどねぇ」
「信じた奴等がいるのか?」
「上層部のバカと若い奴等が」
「若い奴等には俺がフォローしときましたけど」
「…そうか」
微かに口元を緩めた。
リザはアルを連れて廊下を歩いていると肩を叩かれた。
「大総統、よく分かってるじゃない」
「レベッカ…」
「貴方が助言したのかしら?」
「何かないかと言われたまでよ。
あの人は女性に優しいから。
軍でも女性が働きやすい環境にしたいみたいね」
「容姿以外にも軍の女性から好感度が上がりそうね」
「………。」
「そんな顔しないでよ」
「元々、こんな顔よ。
アルフォンスくん、行きましょうか」
「あ、はい…」
(相変わらず、分かりやすいわね)
リザの後ろ姿を見てレベッカは苦笑いを浮かべた。
リザとアルは射撃訓練所でまたいつものようにリザに特訓を受けていた。
「ローイ」
「写真なら見んぞ」
「何故だ~!?」
「そりゃ、親馬鹿な話にうんざりしてるからじゃないっスか?
大総統だけじゃないと思いますよ」
煙草を吸いながらハボックは言う。
本来ならこの口調も許されないことだが、周りに口煩い人がいないので問題はない。
うんざりしていると言われても懲りないのが親馬鹿なヒューズである。
結局、いつもロイは強く言えずに聞かされるのだが。
文句を言いつつも聞いてくれると分かってるのでヒューズもロイに話すのだ。
「ロイ、昼飯にしようぜ」
「自分の仕事は終わったのか?」
「腹減ったら戦も出来ないだろ」
「…私は戦をするつもりはないが」
またいつものロイとヒューズのやりとり。
「ということで昼飯に行くぞ!」
「あ、おい…」
「おまえは放っておくと昼飯を抜くからな!」
苦笑いしながらロイはヒューズに連れて行かれる。
士官学校時代も錬金術に関すると食事や睡眠を忘れてしまうロイによく声をかけて世話していたのがヒューズだったりする。
(…俺は執務室に戻るかな)
大総統室をあとにしてハボックは戻って行く。
錬成陣に両手をつくと青白い光が放たれる。
「…こんなもんか。
久しぶりだったが、成功したな」
満足そうにロイは笑い、壊れていた外壁などが再生されて新品同様になっていた。
「さすがですね~。
僕がやることなくなってしまいました」
「少し残しておくべきだったか?」
「いえ、構いませんよ」
「これでどうだ?」
「…すみませんでした」
ハボックが素直に頭を下げて謝る。
(僕達は扉を開いて心理を見た知識がある。
けど、大総統は違う。
経験よりも才能が僕達より上なんだ。
一生、この人には敵わないかもしれない)
アルはロイを見つめていた。
「大総統、何をしているんですか?」
「ちょっとした遊びだよ」
「遊びって…」
「あれが遊び?」
「錬金術において、大総統は才能があります。
才能がなければ錬金術は使えないと言われていますが、才能は国家錬金術師のトップに立つくらい優れてます。
経験が関係してないとは言えませんが…」
「そんなに凄いのか?」
「俺等には分からないけどな」
「滅多に本気を出さない。
今の錬金術も半分以下の力」
ヒューズとハボックにアルはロイの背中を見つめながら語る。
敵わないと分かっていても悔しかった。
「…あの才能が素直に悔しいです」
「おまえも才能あるんだろう?」
「才能というより、僕達のは遺伝に近いかもしれないです。
それに、真理を見たから実力ではない」
「「真理?」」
「…知らなくてもいいことです」
曖昧な笑みを浮かべ、アルは遠くを見つめた。
(時々、アルは妙に大人びた瞬間があるんだよなぁ…)
(頭の悪い俺には分からないことばかりだ。
錬金術は訳わかんねぇな…)
頭脳派のヒューズと戦闘派のハボック、かなり異なる考えだ。
「アル、また何か考え込んでるのか?
君達は休憩していいから」
護衛にヒューズとハボックを連れてロイは大総統室に戻って行った。
「ロイ、仲直りしたみたいだな」
「…うるさい」
「補佐官を外されるんじゃないか、痴話喧嘩とかいろんな噂ありましたよ」
「…バカバカしい。
私が補佐官から彼女を外す訳がないだろ」
「俺等はそう思ってましたけどねぇ」
「信じた奴等がいるのか?」
「上層部のバカと若い奴等が」
「若い奴等には俺がフォローしときましたけど」
「…そうか」
微かに口元を緩めた。
リザはアルを連れて廊下を歩いていると肩を叩かれた。
「大総統、よく分かってるじゃない」
「レベッカ…」
「貴方が助言したのかしら?」
「何かないかと言われたまでよ。
あの人は女性に優しいから。
軍でも女性が働きやすい環境にしたいみたいね」
「容姿以外にも軍の女性から好感度が上がりそうね」
「………。」
「そんな顔しないでよ」
「元々、こんな顔よ。
アルフォンスくん、行きましょうか」
「あ、はい…」
(相変わらず、分かりやすいわね)
リザの後ろ姿を見てレベッカは苦笑いを浮かべた。
リザとアルは射撃訓練所でまたいつものようにリザに特訓を受けていた。
「ローイ」
「写真なら見んぞ」
「何故だ~!?」
「そりゃ、親馬鹿な話にうんざりしてるからじゃないっスか?
大総統だけじゃないと思いますよ」
煙草を吸いながらハボックは言う。
本来ならこの口調も許されないことだが、周りに口煩い人がいないので問題はない。
うんざりしていると言われても懲りないのが親馬鹿なヒューズである。
結局、いつもロイは強く言えずに聞かされるのだが。
文句を言いつつも聞いてくれると分かってるのでヒューズもロイに話すのだ。
「ロイ、昼飯にしようぜ」
「自分の仕事は終わったのか?」
「腹減ったら戦も出来ないだろ」
「…私は戦をするつもりはないが」
またいつものロイとヒューズのやりとり。
「ということで昼飯に行くぞ!」
「あ、おい…」
「おまえは放っておくと昼飯を抜くからな!」
苦笑いしながらロイはヒューズに連れて行かれる。
士官学校時代も錬金術に関すると食事や睡眠を忘れてしまうロイによく声をかけて世話していたのがヒューズだったりする。
(…俺は執務室に戻るかな)
大総統室をあとにしてハボックは戻って行く。