第⑥話
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
リザはため息をつき、最近まともに会話してないと思った。
仕事以外の会話は言い合いになってしまい、更には避けているので当然だった。
(仕事はきちんとしてくれて、私が言った些細なことも叶えてくれる。
以前の私なら仕事をしてくれるならそれでいいと思ったかもしれない。
でも、今は‥‥心に穴が開いたようだ。
こんな想いは望んではいけないのに)
唇を噛み締め、手にしてる書類を見た。
大総統のサインと印がある書類。
女子トイレに関する書類で配慮して極秘扱いになっている。
(こんなことまで気を配るんだから。
貴方は、どんだけ優しいの?
そんな貴方を‥‥私は傷つけた)
今も脳裏に浮かぶ、ロイの傷ついた顔と泣きそうな笑顔が痛々しかった。
女子トイレにナプキンの使用済みのゴミ箱設置の書類に加え、今まで掃除は入隊したばかりの若い軍人がしていたが、それも女性軍人に交代する配慮だ。
これがあるのとないのでは、仕事環境が大分異なるだろう。
用事を済ませてリザは大総統室のドアをノックした。
声も聞こえず、不安を覚えながらリザは入室する。
片手は後ろにいつでも銃を取り出せるようにしていた。
「大総統!!?」
「おわっ!」
リザの大声に驚いたようにロイが椅子から落ちそうになった。
「び、びっくりした‥‥」
「申し訳ありません!
声がしなかったので、何かあったのかと」
「すまん、聞こえなかった。
出掛けたとは思わなかったのかね?」
「あ‥‥」
リザは動揺して慌て、珍しく彼女らしからぬ失態したようだ。
「そんなに心配してくれたのか…。
ありがとう」
「大総統‥‥」
久々の優しい声色にリザは泣きそうになった。
仕事以外の会話も懐かしく感じる。
「…すまなかった。
格好悪いが、嫉妬したんだ」
「えっ?」
「君を沢山、傷つけてしまった。
私が見合いしても何とも思わないようだったから悔しくて…
本当に私は子供みたいだな。
肝心な自分の気持ちは伝えずに、君からの言葉を望むなんて。
都合よすぎるよな」
曖昧な笑みを浮かべ、ロイはリザを見つめた。
リザは首を振り、ロイの手に触れた。
「私の方こそ、配慮が足りませんでした。
貴方を傷つけてしまいました。
…今はまだ言わないでください」
「どうして?」
「きっと、また私は素直になれずに貴方を傷つけてしまいます」
「君になら傷つけられても構わないが」
「私が嫌です。
もう少し、待ってください。
貴方の気持ちを包み込めるくらいまで…」
「‥‥君には敵わないよ」
ため息をつき、ロイは微笑むとリザの頬に触れた。
「君が中尉の頃に言っていたな、私が大総統になったら考えてもいいと。
私は大総統なんだが…」
「もう少し時間をください」
(気づいてないな。
告白しているようなものなんだが…。
まぁ、リザの性格なら仕方ないか。
振られるよりはマシか)
両思いなのに恋人とはまだ呼べないが、その関係性は恋人に近いものがある。
今はまだその想いを言葉にはしない。
君が望む、その日まで想いは心に閉まっておこう。
「大総統、ありがとうございました」
「何の話だ?」
「…女子トイレに設置してくださって」
「あぁ、それで少しでも働きやすくなればいいさ」
いつもと変わらない雰囲気に戻った。
アルは安堵から自然と笑顔が溢れた。
「視察に行くか」
「そうですね」
「アル、行くぞ」
「あ、はい!」
ロイが言う視察は外には危険だと言われて行けないので、仕方ないので司令部内の視察にしてる。
外の視察は信頼ある部下達に任せ、問題がなくとも報告するように言ってある。
司令部内の視察は軍人達の様子を見る意味もある。
「何だ?
向こうが騒がしいな。
…悲鳴が聞こえなかったか?」
「聞こえましたね」
「数人の悲鳴がしています」
「訓練ではなさそうだな」
「行くんですか?」
「気になるから」
「…分かりました」
リザは警戒し、銃を手にする。
仕事以外の会話は言い合いになってしまい、更には避けているので当然だった。
(仕事はきちんとしてくれて、私が言った些細なことも叶えてくれる。
以前の私なら仕事をしてくれるならそれでいいと思ったかもしれない。
でも、今は‥‥心に穴が開いたようだ。
こんな想いは望んではいけないのに)
唇を噛み締め、手にしてる書類を見た。
大総統のサインと印がある書類。
女子トイレに関する書類で配慮して極秘扱いになっている。
(こんなことまで気を配るんだから。
貴方は、どんだけ優しいの?
そんな貴方を‥‥私は傷つけた)
今も脳裏に浮かぶ、ロイの傷ついた顔と泣きそうな笑顔が痛々しかった。
女子トイレにナプキンの使用済みのゴミ箱設置の書類に加え、今まで掃除は入隊したばかりの若い軍人がしていたが、それも女性軍人に交代する配慮だ。
これがあるのとないのでは、仕事環境が大分異なるだろう。
用事を済ませてリザは大総統室のドアをノックした。
声も聞こえず、不安を覚えながらリザは入室する。
片手は後ろにいつでも銃を取り出せるようにしていた。
「大総統!!?」
「おわっ!」
リザの大声に驚いたようにロイが椅子から落ちそうになった。
「び、びっくりした‥‥」
「申し訳ありません!
声がしなかったので、何かあったのかと」
「すまん、聞こえなかった。
出掛けたとは思わなかったのかね?」
「あ‥‥」
リザは動揺して慌て、珍しく彼女らしからぬ失態したようだ。
「そんなに心配してくれたのか…。
ありがとう」
「大総統‥‥」
久々の優しい声色にリザは泣きそうになった。
仕事以外の会話も懐かしく感じる。
「…すまなかった。
格好悪いが、嫉妬したんだ」
「えっ?」
「君を沢山、傷つけてしまった。
私が見合いしても何とも思わないようだったから悔しくて…
本当に私は子供みたいだな。
肝心な自分の気持ちは伝えずに、君からの言葉を望むなんて。
都合よすぎるよな」
曖昧な笑みを浮かべ、ロイはリザを見つめた。
リザは首を振り、ロイの手に触れた。
「私の方こそ、配慮が足りませんでした。
貴方を傷つけてしまいました。
…今はまだ言わないでください」
「どうして?」
「きっと、また私は素直になれずに貴方を傷つけてしまいます」
「君になら傷つけられても構わないが」
「私が嫌です。
もう少し、待ってください。
貴方の気持ちを包み込めるくらいまで…」
「‥‥君には敵わないよ」
ため息をつき、ロイは微笑むとリザの頬に触れた。
「君が中尉の頃に言っていたな、私が大総統になったら考えてもいいと。
私は大総統なんだが…」
「もう少し時間をください」
(気づいてないな。
告白しているようなものなんだが…。
まぁ、リザの性格なら仕方ないか。
振られるよりはマシか)
両思いなのに恋人とはまだ呼べないが、その関係性は恋人に近いものがある。
今はまだその想いを言葉にはしない。
君が望む、その日まで想いは心に閉まっておこう。
「大総統、ありがとうございました」
「何の話だ?」
「…女子トイレに設置してくださって」
「あぁ、それで少しでも働きやすくなればいいさ」
いつもと変わらない雰囲気に戻った。
アルは安堵から自然と笑顔が溢れた。
「視察に行くか」
「そうですね」
「アル、行くぞ」
「あ、はい!」
ロイが言う視察は外には危険だと言われて行けないので、仕方ないので司令部内の視察にしてる。
外の視察は信頼ある部下達に任せ、問題がなくとも報告するように言ってある。
司令部内の視察は軍人達の様子を見る意味もある。
「何だ?
向こうが騒がしいな。
…悲鳴が聞こえなかったか?」
「聞こえましたね」
「数人の悲鳴がしています」
「訓練ではなさそうだな」
「行くんですか?」
「気になるから」
「…分かりました」
リザは警戒し、銃を手にする。